20話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
最初は"敵"退治は月に2回くらいの頻度でしていた。
その回数は"敵"が出現する頻度に比べて物凄い少なかった。
何故ならば移動時間が掛かり、駆けつけるまでにヒーローが退治してくれているからだ。
そこで移動時間削減の為、うんがい鏡という妖怪を使って、うんがい鏡から違ううんがい鏡へと空間移動が出来るようになった。(デメリットとして一度会わなければならなく、うんがい鏡は決まった場所から動かないので移動出来る場所も固定されている)
そして私が成長して大きくなったためウィスパーに運び方も変えてもらい、以前のおんぶ(乗る)状態ではなく、後ろから羽交い締めの形で浮かばせて貰うようになった。
そうする事で私の"敵"退治の回数は格段に上がった。
そういえば1ヶ月程前に"敵"退治の時に根津にあって、ヒーローになるまでは無茶をしないと約束された事もあった。
──────
今日はコマさん、コマじろうから妖怪夏祭りに招待された。
私は祭りだと浮かれた。
しかも絶対に他言しないことを条件としてかっちゃんといっくんも妖怪夏祭りに招待されたのだ。
「わぁ!似合ってるよ霊和ちゃん!」
私の家に集合して、皆で浴衣に着替えていっくんに褒められた。
薄い青色の生地で朝顔の模様が描かれた着物は見た目から涼しくしてくれる。
『えへへ~。いっくんもかっちゃんも格好いいよ。』
いっくんは鶯色の浴衣をかっちりと着ていて、かっちゃんは花火の模様が描かれた黒い浴衣を着崩している。
「…」
『?
かっちゃんどうしたの?』
「…べつに。」
かっちゃんは私を見て、いっくんを見て、そっぽを向いた。
「さてさてさて、ここをご覧になりましょう!」
ウィスパーが演説を始めたので二人の手を掴む。
二人も誰かが話し始めたのだとわかり、胸を張ってウズウズしているウィスパーを見る。
「妖怪ウォッチを生産していたとされる有名なあの会社から、今日のみ使える使い捨てタイプの妖怪ウォッチをいただきましたよ!」
『使い捨て?』
「妖怪ウォッチって霊和ちゃんがいつも付けてる時計だよね。」
『うん。』
ウィスパーが持っている使い捨て妖怪ウォッチは、私が付けている妖怪ウォッチと形や大きさが違った。
ウィスパーは背中に妖怪パッドを隠しながら説明をする。
「これを付けている間妖怪を見る事が出来ます。
使い方は通常の妖怪ウォッチと同様、妖怪ウォッチに付けられているライトを妖怪に翳(カザ)す事です。一々翳さなければならないのは面倒臭いかもしれませんがご了承くださいね!
そして使い初めから24時間経つと妖怪ウォッチは砂となり消えます。同時に妖怪も見えなくなりますよ。」
『これなら盗まれても心配いらないね。』
ウィスパーから使い捨て妖怪ウォッチを見せて貰う。
『あれ?これメダル入れる所ないよ?』
メダルを入れる口がないし、大きさ的にメダルが入りそうな大きさでもない。
「召喚は出来ません。細心の注意を図って人間に妖怪を操られないようにだそうでうぃす…。」
ウィスパーは人間が大好きだからそういう意図があることに淋しく思った。
また歴史を繰り返さない為には必要なのかもしれないが、人間を信用出来ていないからこういう手段になっている。
「二人とも妖怪ウォッチを付けて俺達が見えるようにしてみて。」
フゥ2に言われ、私は二人の手を離す。
二人は左手首に妖怪ウォッチを付けて、時計の横に付いているボタンを押す。
「うわぁ…。霊和ちゃんに触れてないのに見えてる…。
何か変な感じ…。」
「これ付けてる間ずっと見えんのか…。」
私に触れている間のみ見えていた妖怪が、今は私を使わなくても見えていることに違和感があるみたいだ。
「さぁ、妖怪夏祭りに行きましょう!」
「やっと行くニャン?待ちくたびれたニャン。」
ベッドでゴロゴロしながら待っていたジバニャンがベッドから降りてきた。
私達は履き物を持ってベランダへと出る。
移動は勿論うんがい鏡でだ。
二人に妖怪ウォッチのライトを当ててもらいうんがい鏡の身体の中に入る。