19話
夢小説設定
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早朝のランニング、休日の妖怪の取り憑きに慣れる練習、夜の筋トレとヒーローになるために色々な努力をしている。
そしてソレの助長として、暴れている"敵"に取り憑きをしてヒーローの手助けをしている。といっても周りにバレないように陰に隠れてだ。
そのせいで"敵"が突然奇妙な行動を取るとニュースで度々取り上げられてる。
そんな毎日を過ごしていたら中学生になっていた。
制服は可愛くて気に入っている。
しかし教科毎に教師が変わり1日に宿題がいくつも出た時は大変だ。
今日も自分の部屋の机の前で大量の宿題を解いていた。
「霊和ちゃんまだ宿題終わらニャいニャ~ン?」
ジバニャンが暇だから構ってとばかりに足元にじゃれてくる。
『ん~、後少しだから待っててね。』
国語の宿題をしているのだが読解問題は苦手だ。漢字なら覚えるだけで簡単なのだが、作者の考えを文章の中から読み解くとか意味がわからない。
「ニャーン…。」
返事なのかわからない鳴き声を出して、足に抱き着きボーっとする。
すると電子タブレットを弄っていたウィスパーが慌てて私に見せてきた。
「大変ですよっ!!
ここから数キロの場所の一軒家に立て籠りが出ました!
えー、人質は一名、女性の方のようです。」
『!』
動かしていた手を止め、椅子から立ち上がる。
「行こっか。」
『うん!』
急いで玄関に行き、靴を履いて外に出た。私はウィスパーに乗り、ジバニャンはフゥ2に乗ると浮いて立て籠りがあった場所に向かった。
───────
現場に行くと住宅地の一角が騒然としていた。
沢山の人が一つの家を囲んでいる。ヒーローや警察が家の近くにいて、家の周りには規制線が貼られ、その後ろにマスコミや野次馬が携帯を持って写真や録画を撮っている。
私は規制線の中の近くの家の庭に隠れる。
「"敵"見える?」
『うん。見えてるよ。』
どうやら立て籠り犯は一人。ベランダで人質の女性を背後から拘束してるから攻撃したら人質に当たるだろう。だからヒーローも手が出せない。
「とっとと済ませるニャン。」
『そうだね。』
ポケットからメダルを取り出す。
『私の友達、出てきてダリス。妖怪メダルセット・オン!』
虹色の光が出て、中から浮いたクッションに乗った大きなリスが出てくる。オッサンのようにだらけた格好で寝転がっている。
『ダリス、お願い。あそこにいる"敵"に取り憑いて。』
「え~。だり~っス。明日でいいっスか~?」
「ダメに決まってるでしょう!!!」
「動けニャン!」
「でも~。面倒っていうか~、ダルいし~。」
『お願い。女の人を助けたいの!』
「ん~…じゃぁあ、霊和の膝枕で手を打つっスよ~?」
「ニ゙ャっ!?良いわけニャいニャンよ!!そんな羨ましい事させニャいニャン!」
『うん!いいよ。』
「ニャっ?!」
ウィスパーとフゥ2が呆れた顔でジバニャンを見ている。
オッケ~とダリスは"敵"に近付いて行き、紫色の煙を出して立て籠りをしていた"敵"に取り憑いた。
"敵"は拘束していた人質を離し、やる気を失った顔をしてベランダに寝転がった。
『ウィスパー、フゥ2、女の人をお願い。』
「うぃす!」
「了解!」
二人は女性の下まで行き、二人がかりで女性を持ち上げて道路に降ろした。
妖怪が見えていない周りは"敵"と女性の奇妙な行動に驚いていた。
ウィスパー達は早急に戻ってきて、人質が保護され"敵"が確保された処を私達と一緒に見守る。
「今日も犠牲者なく終わったね。」
「いや~、私達の迅速な行動のお蔭ですね!ヒーローよりヒーローらしい!」
『皆ありがとうね。』
イエーイと皆でハイタッチする。
周りが落ち着くまで庭にいて、暫くしてバレないように人様の家の庭から出た。
『家に帰る前に駄菓子屋よっていい?お菓子買いたくなっちゃった。』
「いいですけど余り無駄遣いしないでくださいよ。」
「オレっちチョコボー欲しいニャン。」
ダリスに一旦帰って貰ってあとでまた喚ぶことにした。
すると後方から声を掛けられた。
「そこの君、」
『?』
振り向くと暗そうな顔をした無精髭が生えた男性と、いつか会った鼠がいた。
『あ!ねずみさんの根津だ!久しぶりだね!』
「?
何処かで会った事があったかな?」
どうやら私の事を忘れてしまったようだ。
数年前迷っていた根津を駅まで送ったと言ったら思い出してくれた。数年前に会ってから成長してしまったせいで分からなかったみたいだ。