12話
夢小説設定
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『ただいまー。』
家に着き、二階の自分の部屋に行きランドセルを机の上に置く。
着替えるためにフゥ2達には出ていって貰った。
ポケットの中に入っている6枚の妖怪メダルも取り敢えずはと机の上に置く。今日は体育があったため学校の体操服のままなので、普段着に急いで着替える。
あと少しで着替え終わるというときにチャイムが鳴った。
「霊和ちゃーん!出久くん来たわよー。」
一階からお母さんが知らせてくれた。来るの早いなと思いながら返事をして、薄いカーディガンを着て玄関へ急いだ。
ウィスパー達も連れて玄関へ行くといっくんが靴を脱いでいる所だった。
『いっくんいらっしゃい!早かったね。』
「う、うん。まぁね…!(今日はかっちゃん来れないの知ってて、二人きりが楽しみだったからなんて言えない…!まぁ、実際は二人じゃないんだけどね…。)」
いっくんを私の部屋に連れて行って、私は一階に戻り手を洗って飲み物を持って部屋に戻る。
いっくんは机の上に置いておいた妖怪メダルを見ていた。
「あ、勝手に触ってごめんね!」
『ううん。大丈夫だよ。壊さなければ自由に見ていいよ。』
簡単に壊れるようなものではないが、いっくんは慎重そうにメダルを持って見ている。
「今まで余りじっくり見たことなかったから分からなかったけど、結構細かい所まで拘って作ってあるね。」
『うん。結構お金掛かってそうだよね。』
私は中央に置いてあるテーブルに宿題を出しながらいっくんが持っているメダルを見る。
「お金は掛からないニャンよ。」
『え?そうなの?』
私がウィスパー達と話しているのだとわかったいっくんは、私の隣に座り手を握ってきた。手を握るのはいつもの事なので私も気にしない。
「妖怪事務局から支給されるんだよ。」
「妖怪として活躍していればするほどメダルが貰えるんでうぃすよ。」
『へぇ~。活躍ってどんな事?』
「妖怪としてですから誰かに取り憑くことは勿論の事、」
「他には会社で働いていたり、自分の責務をはたしたりだね。俺たちはエンマ大王直々に霊和ちゃんを守る事を命じられたから、それをしてればいいんだ。」
「お金も同じシステムニャン。」
「妖怪世界もこっちと似てるんだね。」
と、いっくんは言ったが妖魔界の活躍は取り憑いて"困らせる"事だ。こちらにするとイタズラや、はたまた詐欺や強盗などと同じ事。
"悪行"も此方と妖魔界では少し意味が違く、妖魔界ではどんなに悪い取り憑きなどでも良いことになり、命に関わるようになれば悪い事となる。
捕まったら此方は刑務所だが、妖魔界では地獄行きという厳しい罰になる。
いっくんは手にしていたメダルを見る。
「これはジバニャンのメダルだね。」
「そうニャンよ。3種類あるから見るニャン?」
ジバニャンから貰ったのと違うポーズをした妖怪メダルを見せてくれた。収集目的なら欲しくなるのかもしれないが、メダルは友達の証として貰っただけなので一枚しか貰っていないし三枚もいらない。
フゥ2がオレのも見る?と言っていっくんに見せていた。
「あれ?ウィスパーのメダルはないの?」
『ん?なかったっけ?』
「ああ!忘れてましたっ。」
ジバニャンとフゥ2は会った日に貰ったが、ウィスパーから貰う直前で"敵"の襲撃があったため何処かに飛んで行ったし、その後も貰う直前でぬらりひょんが来たため今の今まで忘れていた。
『色々あったからね。』
いっくんには適当に説明しといた。
「ウィスパーのメダルは貰わないの?」
『ん~…、友達だから欲しいけど、いつも一緒にいるからどっちでもいいかなぁ。』
普段から必ずウィスパーだけは絶対に一緒にいる。執事だからお世話をするのが私の務めです。と言っていたが特に何をしているわけではなく、友達として遊んでいるだけ。フゥ2とジバニャンはどちらか片方がいない日もある。メダルもフゥ2とジバニャンの分はいつも持ち歩き、今日は呼び出さないでと言われればその日は他の妖怪メダルと替える。
「私はいつも付いているので必要ありませんからね。ですが私のメダルを使う時が来るかもしないので渡しますよ!」
『…そうだね。』
そんな日が来るのか疑問に思ったが言わずに返事をした。
ウィスパーからメダルを貰い受けようとした時だった。私の部屋のドアが開いてお母さんが顔を覗かせる。
「霊和~、出久くーんケーキあるから食べない?」
『食べる!』
「フゥ2ちゃん達の分もあるから降りてらっしゃい。」
「ケーキニャン!」
真っ先にジバニャンが一階に降りていく。
私もウィスパーからメダルを貰うのを忘れ、いっくんと一緒にケーキを食べに下に降りた。
「ちょ、私のメダルはぁ!?」
「なくても問題ないからいいんじゃない?」
「そんなぁ!!」
結局この日はウィスパーからメダルを貰う事はなかった。
H30.01.28