9話
夢小説設定
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『痛くはしないでだって。』
「ん~…
俺じゃコマさんを取り出すような事出来ないしな~。ジバニャンを呼んでも引っ張って出すしかないなぁ…。」
「このまま出られないなんてイヤズラー!助けてズラー!」
「このゴミ箱を切ればいいんじゃございません?」
「ブシニャンか!」
『?』
ブシニャンという妖怪がいればゴミ箱が切れるらしいが、私はブシニャンに会った事がない。なのでメダルも持っていないし呼べない。
そういえばブシニャンと同じレジェンド妖怪だと言われているうんちく魔のメダルは持っていた事を思い出した。
「うんちく魔!」
メダルを妖怪ウォッチに入れるとうんちく魔が現れる。うんちく魔にもコマさんを抜け出す方法を考えて欲しいと頼んだ。
「それならコマさんを冷やしてゴミ箱を温めればいいクマ。」
「え゙!?」
『冷やして温めるんだね!ウィスパーとフゥ2はゴミ箱を私の家に運んで!』
フゥ2が不安そうな顔をしながらウィスパーと一緒にゴミ箱を家まで運んだ。ちゃんと食材はお母さんに渡した。
ゴミ箱をお風呂場に持っていき、冷蔵庫から氷を大量に桶に入れる。
次に急いでゴミ箱を湯槽に浸ける。
「寒いズラ!熱いズラ!冷たいズラー!」
『ちょっと我慢しててね。ウィスパー抜けそう?』
「うぐぐぐぐっ
抜けません…っ!」
「まぁ、これは伸縮したり膨張したりするモノにしか使えないクマけどね。」
「「オイっ!!」」
動物は筋肉が伸縮しても横幅が太くなるので小さくなったりはしない。なので氷とお湯で抜く事は出来ないのだ。
氷を取り除き、ゴミ箱を湯船から出した。
「次は油をコマさんに塗ってみるクマ。」
「油で滑りやすくするんだね。」
物ならば食器用洗剤がいいらしいが、コマさんは生き物なので口に入れても無害な食用油で試す事になった。場所は汚してもいいようにまたお風呂場だ。
「暫くは目を瞑っててね。」
「わかったズラ。」
食用油をゴミ箱とコマさんが密着している場所に垂らす。
充分掛かった処でウィスパーとフゥ2がコマさんを引っ張る。
だが手が滑って抜けなかった。
「ヌルヌルするよ~!ウィスパーのせいだからね!?」
「申し訳ございません…。手が滑って油を全てばらまいてしまいました…。」
引っ張っても中々抜けなかったので、ウィスパーが油を足したのがいけなかった。コマさんを握っていた時から若干油が手に付いていて、その手で油を注いだので手が滑ってしまい、中身を全てコマさんに掛けてしまった。
全身ヌルヌルになったコマさんは簡単には掴めなくなってしまいこの方法も断念した。
「あとは左右に揺すりながら徐々に抜く方法クマけど、ヌルヌルだから出来そうにないクマ。」
「そっちを最初に言って欲しかった!!」
どうしようと手を混まねいていると私がお風呂場で何をしているのかとお母さんが尋ねて来た。お風呂場に45リットルのゴミ箱がある事に驚く。
『コマさんがゴミ箱から抜けなくなっちゃったの。温めたり油掛けたりしたんだけどダメだった…。』
お母さんがゴミ箱を覗き込む。コマさんは妖怪なので見えるようにするために手を繋ぐ。
「まあまあ!ちょっと手を入れるから痛かったら言ってね。」
お母さんはコマさんとゴミ箱の間に手を入れようとする。コマさんは柔らかいみたいでムニムニするが手は入らない。
「…太り過ぎね。」
『「「「えぇ!?」」」』
「そういえば嵌まる前にソフトクリームを50個食べてたズラ。」
食べ過ぎ!とその場にいる全員がツッコンだ。
H30.01.05