8.5話
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~根津side~
僕は国立高校の校長に就いている。偏差値が高くヒーロー科もあり、今までに幾多の名を残したヒーローを輩出している。
今日は同じ高校の教師と一緒に、この辺りにあるヒーロー事務所の視察に来ていた。
その帰り道に"敵"に会い倒した。同行していた教師に"敵"を警察に連れていくよう任せ、僕は近くに怪我をしている人はいないか回った。
近くを見回ったがどうやらいなかったので帰ろうとしたが、自分が迷ってしまったのに気付いた。
適当に歩きながらどうしようかと思考していた時に、小さな女の子に話しかけられた。
『ネズミさん、ここで何してるの?』
「おや、君は近所の子かな?」
『そうだよ!』
先程まで"敵"が動き回っていたのを知らないのか、女の子一人しかいない。
帰り道となる駅を教えて貰おうと思っていた時に女の子が後ろを向く。女の子の後ろには何もないがどうしたのだろうか。
『ごめん。』
「?」
女の子が何もない所に向かって謝る。
何かいるのかな?
疑問に思っていると女の子がまた何しているのかと聞いてきたので、駅に向かっているとだけ話しておいた。
『駅はあっちだよ。』
「あれ、そうだったかな?」
適当に歩いていた方角は間違っていたみたいだ。
『連れてってあげるよ。』
「助かるよ。ありがとうね。」
小さな年端もいかない女の子に助けてもらうのは大人として恥ずかしかったが、こんな小さな子供の親切を蔑ろにしてはいけない。
『うん。ちょっと遅れるくらいなら大丈夫。』
また何もない所に向かって話している。
個性なのだろうか?何かと会話出来る個性として動物と会話出来たり、遠くの者と話せるテレパシーだったり、身体の一部に意思を持った存在と会話したり出来る個性がある。
だが女の子が見つめる先には小さな虫もいない。
身体の一部に意思を持った存在なのか、それとも幻覚の類いの個性なのか…。
「…君も約束あるみたいだから道だけ教えてくれればいいよ?」
『んーん。困ってる妖怪がいたら助けたいんだ。』
妖怪?
妖怪とは古代の人類が現象を具現化した想像の生き物なはずだ。
恐らくこの子の個性は幻覚的なものじゃないか?
しかも妖怪が困ってると言っていた処、私も妖怪と間違われている。
「…そうかい。ではお願いするとしようかな!」
『うん!』
私は女の子に妖怪と間違われながらも駅へ案内してくれることになった。