8話
夢小説設定
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『私は霊和。ネズミさんは何てお名前なの?』
「僕は根津という者さ。」
「ネズミだから根津ニャン?」
『そうみたいだね。』
フゥ2が妖怪は安直な名前ばかりだと教えてくれる。
「私は完璧執事妖怪のウィスパーと申します!」
『ウィスパーって執事だったっけ?執事って何だったっけ?』
「んもう!霊和ちゃんは笑わせてくれますねー!霊和ちゃんをスマートにサポートするお役目ですよ~。」
『あー、うん?…で、こっちがフゥ2で、こっちがジバニャンって言うの。』
前の方で浮いているフゥ2と、私と根津の間にいるジバニャンを指差す。
「よろしくね。」
「よろしくニャン!」
「…よろしくネ。」
根津の一瞬の沈黙が気になったが構わずに話を進める。
『根津はこれから何処か遊びに行くの?』
「いや、視察で近所に来てたんだけど、帰り道で迷ってしまい困っていたのさ。」
『視察?』
言葉の意味が分からずフゥ2に聞くと、現場に行って見てくる事だと教えてくれた。
理解出来ない話に興味が持てなくへぇ。とだけ返した。
「さっき困ってる妖怪は助けたいって言ってたけど、キミは将来ヒーローになりたいのかな?」
『え…、』
根津の突然の質問に悩んだ。
今まで特に将来何になりたいなど思った事がなかった。周りは皆ヒーローになりたいと言っているが、私がなりたいのかと質問されれば、なりたいともなりたくないとも思わない。
『…分かんない。』
「…そうなのかい?子供はオールマイトみたいになりたいって言う子が多いのだけどね。」
『オールマイトはカッコイイと思うよ?でもオールマイトはテレビの中の人だもん。』
「っ!…アハハ!そうだったね!」
何が可笑しいのか根津は笑っている。よく見たらフゥ2達まで笑っている。
何か面白い事でもあったのかな?
話しながら歩くと駅に着くのは速かった。
駅の前で止まり根津は頭を下げる。
「ありがとうね。お陰で助かったよ。」
『どーいたしまして!』
根津が手を振りながら改札に歩いていったので手を振り返した。
「いやー、霊和ちゃんは優しい子ですねー!執事としても鼻が高いですよ!」
『そうかな?』
ウィスパーに鼻はないが、胸を張って満悦げな顔をしている。
「さぁ早く勝己ん家に行かないと!出久も待ってるんじゃないかな?」
『あ!そうだね。』
自分で道案内をしたのだから仕方ないが、今からかっちゃん家に行っても遅いと怒られるだろう。
なのでウィスパーに頼んでみることにした。
『ウィスパーに送ってもらいたいなぁ…!』
「うぃす!?」
『ウィスパーに乗って空飛ぶの好きだから、また乗ってみたいなぁ。』
「(ああ、そういう手か…)」
「っ!(ウィスパーに乗って空飛ぶの好き……ウィスパーに乗るのが好き……ウィスパーが好き…っ!!)
うぃす──っ!!
何なりとお申し付けください!!霊和ちゃんの為なら火の中水の中でうぃすよー!!」
「(どんな変換してんの!?)」
「単純ニャン。」
『ありがとう!』
ウィスパーが承諾してくれて私はウィスパーの背中に乗る。フゥ2もジバニャンを背中に乗せて空からかっちゃん家に向かった。
だがやっぱり遅かったようでかっちゃんには怒られた。
ウィスパーがこれからもいつでも背中に乗せてくれると言っていたから、移動に乗せて貰うことにしようと思う。
H29.12.17