50話
夢小説設定
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オマケ ~no side~
トイレにでも行ったのか持ち主のいない席に霊和は座り、後ろの席の緑谷と妖怪も一緒に職場体験のことで雑談していた。
「──…職場体験1週間は長いですよね~。」
「そのくらいの期間がないとどんな事務所かわからないかもしれないからね。」
「めんどうニャン。」
ジバニャンは怠そうに爆豪の机に大の字で仰向けになる。
『1週間か…。
その間いっくんとかっちゃんと会えないんだよね…。
寂しいなぁ。』
「仕方ないよ(僕も寂しいけど、霊和ちゃんから言ってもらえただけで嬉しい)。」
「会えないことなんて去年まではよくあったじゃないですか。」
『それは昼夜構わず走り回ってたからだもん。』
去年までの夏休みは仲間になってくれる妖怪を探す為に時間があったらずっと探し回っていた。
今回の職場体験では夜に空き時間があって暇になるかもしれない。その時に寂しさを感じてしまうかもしれないと危惧する。
霊和は考え込んだあと、何かを閃いて顔を明るくさせた。
『そうだ!寂しくならないように職場体験の前の日にいっくん家に泊まっていい!?』
「えぇ!!?」
「ちょ霊和ちゃん?!」
緑谷は首を振って泊まりはマズイよ!と拒否する。
『何で?昔はかっちゃんも一緒によくお泊まりしてたのに。』
「僕達もう高校生だし男女だから世間体的にアウトっていうか…。」
「そうですよ!思春期の男女が一つ屋根の下なんてアー!な事が起きると相場で決まってるんです!
まだ付き合っていない時期から一緒に寝るなんて私も絶対に反対ですよ!!」
『あーって何?』
ウィスパーは答えなかった。
フゥ2とジバニャンからも反対させられ、どうしても緑谷の家に泊まりたくなった霊和はどうすれば泊まれるのか考えた。
その結果、イケメン犬という顔がイケメンな白い犬の妖怪を喚んだ。
召喚をして光ったために周りの生徒も何だと霊和達を眺める。
「HEYベイビー。今日はどうしたんだい?」
『私に取り憑いて立派な男にして!』
「男にしてもらって出久くん家に泊まる作戦でうぃす?」
『そう!男女がダメなら私も男になればいいの!』
「そういう問題!?」
「うーん…男にしてほしいということみたいだけど、ミーはイケメンにするだけで性別までは変わらないな~。」
『そんなー!どうしてもいっくんとお泊まりしたいの!なんとかならないかな?』
「それなら……、」
ーーー1分後、イケメン犬はキュン太郎というピンク色の豆しば犬を呼んだ。
「キュンキュンそういうことならボクに任せなよ!」
キュン太郎は紫色の靄を出して霊和に取り憑く。
一瞬の沈黙があり、霊和は緑谷の手を両手で掴む。息が顔に掛かるんじゃないかと思うほど近付いて囁く。
『出久とお泊まりしたいの。…ダメ?』
首を傾けて口角を少し上げる。元々のタレ目が細まって優しそうな印象になる。
「(フフフ…ボクの百の手の一つ!"首を傾げる"!両手を掴んで顔を近付けることで威力が増すのさ!
しかも普段しない名前呼び!)」
「(きゅんっ…)ゔ……、霊和ちゃんがそこまで言うならコイビうがっ!?」
緑谷は椅子を倒して床に倒れ込んだ。否、正確にはいつの間にか戻っていた爆豪に椅子を蹴られたのだ。
「俺がいねぇ間にいい度胸してんじゃねーか。なぁ゙クソナードよぉ゙。」
「いてて…。あんなことされたら告白したくなっちゃうよ。」
爆豪は緑谷の頭を叩いて黙らす。ついでに霊和の頭も叩いて何してんだと説教する。
『む~~痛いよかっちゃん。』
霊和は頬を膨らませて爆豪を睨む。
「(ボクの百の手の一つ!"上目遣い"!頬を膨らませることで自然と唇が小さくなって、まるでキスする前の唇になるのさ!
しかも痛みで弱冠目が潤んでるよ!)」
「(きゅんっ……うわぁぁ涙目霊和ちゃん可愛い~っ!かっちゃんなんかじゃなくて僕にしてほしかったっっ!!)」
緑谷とこの光景を見ていた者が悶えているなか、爆豪は霊和の目を見て動かない。
『かつき…?』
「………そういうことか。」
爆豪は霊和の手を掴み、霊和が豹変した妖怪を見つけ出した。
「テメェだな。俺を弄(モテアソ)んでどうなるか分かってんだろうなァ?」
「バレた!?」
キュン太郎に向かって個性を使う。
キュン太郎は取り憑きを解き、爆豪から逃げるために教室の中を飛び回る。
『…あれ?私何してたっけ?』
「あら、いつもの霊和ちゃんに戻りましたね。」
「戻ってくれて嬉しいんだけど、取り憑かれてた霊和ちゃんも可愛い…。」
『??』
爆豪は相澤が来るまでキュン太郎を痛め付けるために個性を振り回した。
峰田の俺にもやってくれー!という懇願は誰にも届かなかった。
『いっくん家がダメならかっちゃん家ならいいかな?』
「ダメだってば!!」
H31.02.26
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