45話
夢小説設定
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次の試合はかっちゃんとのことで、ウィスパーはまたカメラマンとして撮影に行ってしまった。
私達はりゅーくん探しを続行で、今度は時間も余りないため観客席を歩き回った。
友達とすれ違う度にりゅーくんがいないかと聞くが見ていないと言う。
その中に大柄な龍の姿も見えた。
『友達の元りゅーくんな龍神だ~。』
「霊和の応援に来たぞ。」
「ああ、前に手助けしたりゅーくんかぁ。」
一年程前にりゅーくんに出会い龍神玉という水晶を見つける手助けをし、その龍神玉で龍神へと成長した。
なのでりゅーくんの見た目は知っている。
『聖おかんと一緒に来たりゅーくんが迷子なの。どこにいるか知らないかな?』
「龍神にわからないことはないぞ。」
龍神は目を瞑りながらむむむっと唸る。
「……ふむ。
"探し物は近くにある"と出た。」
「近くニャン?」
『近くか~…。』
「近くにね~?」
「近くでふか…。」
周りを見渡すがりゅーくんのような緑色自体見当たらない。
ん?
…………でふ?
『フユニャン?』
「どうかしたか?」
語尾がおかしくなったフユニャンを見てみるが眠そうにしている以外かわりない。あくびをしながら喋ったのだろうと納得したが、フゥ2が驚いた声をあげた。
「やっぱりフユニャン大きくなってるよ!」
「ニャニャッ!」
フゥ2に言われてよく見てみると大きくなっていることに気が付いた。
上から見ていたからそこまで変わりなく見えたが、持ち上げて見ると胴体の横幅が倍に増え二段腹になっている。顔にも膨らみが出て顔が大きい。
『何か変なモノでも食べたの…?』
「いや………。
おそらく此処(会場)は妖怪が沢山いるから妖気も充満しているんだろう。
オレは蓄積された妖気や周りの妖気でフユニャンからデカニャンになってしまうんでふ。」
違う種類の妖怪に変化してきているから口調も曖昧になっている。
フユニャンは周りの変化に影響を受けやすい体質で色々大変みたいだ。
しかもデカニャンからフユニャンに戻るには、身体に蓄積された妖気を誰かに取り憑く形で放出しなければならないらしい。
『取り憑くとバッカでかくなるんだね。』
「そうでふ。」
バッカでかくとはどのくらいなのだろう?
フユニャンとデカニャンの合間のぽっちゃり体型を堪能しながら疑問に思う。
ぷにぷにしていて気持ちいいな。
私は次の試合で使えるんじゃないかと目論んだ。
気になったら知りたくなってしまう性格なので、私はジバニャンに取り憑いてと頼む。
フユニャンは鼻息を吹いてジバニャンに取り憑く。
「ニャニャッ!
頭が重たいニャーン!」
頭だけが何十倍にも大きくなり、バランスが取れなくてフラフラするジバニャン。
しかもフユニャンの浮遊というフラフラ宛もなく漂う取り憑きまで加わり、そこら中に頭をぶつけて歩き回っている。
ぶつかっている人達が気付いてないのに安堵した。
『身体にも取り憑けないかな?出来ればデカニャンだけの方の取り憑きで。』
任せろと答え、もう一度ジバニャンに取り憑く。
だが、身体は大きくなったが、今後は頭が元の大きさに戻ってしまった。
アンバランスな姿に思わず私もフゥ2も失笑する。
「笑うニャーン!
速く戻せニャン!!」
一メートル近くある足で地団駄を踏み、こんな格好嫌ニャン!と騒ぐ。
周りの人達が地震かと騒然とするので止めて…。
「もんげー!バッカでかいバケモノズラ!!」
「違うニャンよ!!」
右手にはチョコバナナ左手にはたこ焼きを持ち、頭にはオールマイトのお面を付けたコマじろうがジバニャンを見て驚いていた。
『さっきはありがとうね。』
「オラも楽しかったからおあいこズラ。
それよかオラの兄ちゃんしんねぇズラ?」
「コマさんを?知らないけどどうしたの?」
「綱引きした後兄ちゃん一人でトイレ行ったんズラ。
だけんどまだ帰ってこないズラ…。」
どうやらコマさんも迷子になってしまったみたいだ。
フゥ2は迷子増えちゃったよ…。と呆れた顔をしていた。
「仕方ないから買い歩きしながら兄ちゃん探してたらこのバッカでかいバケモノに出会ってしまったズラ。これは何ズラ?」
『これはジバニャンがデカニャンに取り憑かれただけでバケモノじゃないよ。
というか妖怪なのに人間のお店で買い物できるんだ…。』
「オラ達はこれを使うんズラ。」
コマじろうはどこにでもありそうな葉っぱを見せてくる。
「一部の妖怪は人間に化けれるんだけど、コマじろう達の場合はこの葉っぱを頭に乗せて人間に見えるようにしているんだ。」
『へぇ、そうなんだぁ…。』
コマじろうが試しにと葉っぱを頭に乗せてくれたが、変わらず犬の姿のままだった。
個性のせいで人間になった姿が見えないのかもしれないとフゥ2に言われ、人間のコマじろうが見えない事を悔やんだ。
H31.01,07