44.5話
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りゅーくんside
りゅーくんはりゅーくんというのだ。
りゅーくんは龍の子どもの妖怪なのだ。
今はジュウショクという家来と一緒にお寺に住んでいるのだ。
ジュウショクはりゅーくんのことは見えていないがいつもオヤツをくれるいいヤツなのだ。
ある日、お寺の近くで遊んでいた獅子まると友達になって、ユーエーという人間の学校に遊びに行こうと約束したのだ。
りゅーくんは獅子まるだけでよかったのだ。だけど子供達だけじゃ危ないと、近所にいる聖おかんの家族と一緒に行くことになったのだ。
りゅーくんは優しいから仕方なく連れてってやるのだ。
ユーエーは沢山の人間で賑わっていたのだ。今日はお祭りなのだ?
「はぐれないようにしてね。」
「うん~。
霊和はどこだろー。」
獅子まるは人間の友達がいるみたいでさっきから探しているのだ。
りゅーくんはその人間を知らないからどうでもいいのだ。
りゅーくんと遊ぶのだ!
人間なんか放っていていいのだ!
……構ってくれない獅子まるなんか嫌いなのだ…。
ふと、後ろを見るとりゅーくんと同じ尻尾をぶら下げた人間がいたのだ。
りゅーくんの仲間なのだ?
人間に化けている龍なのだ?
その者はりゅーくんと違って足が長いからどんどん遠くへ行っちゃったのだ。
りゅーくんは仲間かもしれない者を追いかけたのだ。
仲間ならりゅーくんも立派な龍になれるためにどうすればいいのか聞きたいのだ。
段差と椅子が沢山ある開けた場所に着いたのだ。
その者は椅子に座って下の広場みたいな場所を見ているのだ。
りゅーくんはその者に近寄って問いかけるのだ。
「りゅーくんはりゅーくんなのだ!
どうしたらお前みたいにでっかくなれるのだ?」
だけど答えは返ってこなかったのだ。
気付かなかったのかと、その者の前の椅子の上に立ってもう一度問いかけるが同じだったのだ。
この者はりゅーくんの仲間でも妖怪でもなく、ただの人間だったのだ。
「まぎらわしいのだ!」
その者に怒鳴るが人間には聞こえないのだ。
「……。」
りゅーくんは友達の獅子まるのところに帰ることにしたのだ。
あれ?こっちであってるのだ?
確か階段登ったのは覚えているのだ。だからここを箸を持つ方に曲がって……ここは真っ直ぐなのだ。
「……。」
多分この辺に獅子まる達はいるはずなのだ。
だけどあれほど賑わっていた廊下のような場所も、今では誰も居なくて獅子まるも聖おかんもいなかったのだ。
何でいないのだ!
獅子まる達が迷子になってしまったのだ!
まったく仕方のない奴らなのだ。
りゅーくんは獅子まる達を探す事にしたのだ。
とりあえず真っ直ぐ進むのだ。
……………………。
いつまでも変わらない景色。
道がずっと続いていて端っこにつかない、同じような所を回ってる気がするのだ…。
「ししまるぅ……。」
思わず鼻水が垂れる。
いつも鼻水を拭いてくれる聖おかんもオロチも来てくれない…。
長い廊下の真ん中でひとりぼっちになって、りゅーくんはりゅーくんしかいない世界に来たような気になったのだ……。
鼻水が床に垂れるのを見ていると、ズラ?という声が聞こえて顔を上げたのだ。
「もんげー!りゅーくんズラ!
見れたら幸運な龍の子ズラ!」
目をキラキラさせてりゅーくんを見てくる白い犬だったのだ。
「……そうなのだ!
りゅーくんはりゅーくんなのだ。偉いのだ!」
ツチノコっていう妖怪も幸運を運ぶが、数自体は沢山いるのだ。だけど龍はツチノコと比べて凄く少ないのだ。
だから龍を見つけられると運が良いってことになるのだ。
白い犬はポーチからハンカチを出してりゅーくんの鼻を拭いてくれたのだ。
「……お前いいヤツなのだ。
りゅーくんの家来にしてやるのだ。」
白い犬にりゅーくんのメダルを渡すとオソレオオソウに受け取ったのだ。
「ありがとうズラ。
それはそうと、オラに似た妖怪見なかったズラ?」
「見てないのだ。」
りゅーくんはりゅーくんに似た人間しか見てないのだ。だから白い犬なんか見てないのだ。
「オラ、コマじろうっつー弟と一緒に来てたズラ。だけんどトイレ行ったら帰り道わからなくなったズラ…。」
シュンと落ち込む白い犬。
「迷子なのだ。
迷子ならりゅーくんが案内してやるのだ。」
「ホントズラ!?もんげー助かるズラよ。
霊和ちゃんの応援しないとズラ~。」
また霊和なのだ…。
獅子まるもこの白い犬も霊和という人間と友達みたいなのだ。
人間には興味ないのだ。だが霊和は少し、ほんのすこーし気になるのだ。
H30.12.22