40話
夢小説設定
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私は残念ながら小さいので一番後ろになった。
だがその事を利用し、後ろの余った綱に妖怪を沢山並ばさせて一緒に引っ張ってしまう作戦だ。
以前ジバニャンがジャンボパフェを食べた時みたいに、通常妖怪が物に触れても人間には違和感のないよう出来ているらしい(と言っても私にはわからない)。
だが物に掛かる力などは人間のわからない所でちゃんと発動されている。それが綱引きの綱でもだ。
私の後ろに二列に並んだ友達も綱を掴む。
綱の真ん中に足を掛けた指揮者がスターターピストルを引いて足を離した。
掛け声と共に綱を引っ張る。
ちからモチが取り憑いてくれて綱が此方に寄る。
しかし相手にもパワー系の個性を持った生徒がいるみたいで引き返されてしまう。
『ちからモチ!私よりもイサマシ属に取り憑いて!』
「わかったモチ!」
力の弱い者に取り憑くより元々力の強い者に取り憑いた方が力の増加量が高いと判断し、妖怪の属性の中でも力の強いイサマシ属の妖怪に取り憑いてもらった。
じわじわと引っ張られていた綱が止まったが、此方側に引き戻す事が出来ない。
「頑張ってくださいよー!
フレッフレッ霊和ちゃん!フレッフレッ妖怪!!」
私の側で応援するウィスパーの声が聞こえるが返事をする余裕はない。
そのまま均衡を保ち、タイムアップとなった。
勝敗は綱の真ん中のテープが陣地に入っていた相手側の勝利となり負けてしまった。
「ニ゙ャー!負けたニャーン!」
「負けちゃったけど久しぶりに綱引き出来て楽しかったよ!」
「やっぱりオラは役立たずズラぁ…。」
『そんなことないよ!コマさんの頑張りは嬉しいし、私は皆と綱引き出来て楽しかった!
それにタイムアップまで終わらなかったのも誰一人として欠けてなかったから出来たんだよ!』
「そんな優しい言葉…オラもんげー嬉しいズラ~…っ!」
コマさんが泣き出してしまった。
言葉が悪かったかなと慌てて謝るがコマさんは違うズラあ!と余計泣いてしまう。
「兄ちゃんは霊和ちゃんの言葉が嬉しくて泣いてしまったズラよ。
霊和ちゃん、大切な体育祭に参加させて貰ってありがとズラ!」
コマじろうの後に、コマさんも鼻水を足らしながらありがとズラ。と頭を下げる。
「皆霊和ちゃんに迷惑掛けたくないから、この体育祭では絶対に人間に取り憑かないって守ってくれてるんだよ。」
そうだったんだ…。
妖怪は取り憑く事が仕事みたいなもんだから、それを止めてまで私の応援をし、あまつさえ綱引きまで手伝ってくれた。
私は改めて頭を下げて、後日お礼をしようと心に決めた。
H30.09.09
だがその事を利用し、後ろの余った綱に妖怪を沢山並ばさせて一緒に引っ張ってしまう作戦だ。
以前ジバニャンがジャンボパフェを食べた時みたいに、通常妖怪が物に触れても人間には違和感のないよう出来ているらしい(と言っても私にはわからない)。
だが物に掛かる力などは人間のわからない所でちゃんと発動されている。それが綱引きの綱でもだ。
私の後ろに二列に並んだ友達も綱を掴む。
綱の真ん中に足を掛けた指揮者がスターターピストルを引いて足を離した。
掛け声と共に綱を引っ張る。
ちからモチが取り憑いてくれて綱が此方に寄る。
しかし相手にもパワー系の個性を持った生徒がいるみたいで引き返されてしまう。
『ちからモチ!私よりもイサマシ属に取り憑いて!』
「わかったモチ!」
力の弱い者に取り憑くより元々力の強い者に取り憑いた方が力の増加量が高いと判断し、妖怪の属性の中でも力の強いイサマシ属の妖怪に取り憑いてもらった。
じわじわと引っ張られていた綱が止まったが、此方側に引き戻す事が出来ない。
「頑張ってくださいよー!
フレッフレッ霊和ちゃん!フレッフレッ妖怪!!」
私の側で応援するウィスパーの声が聞こえるが返事をする余裕はない。
そのまま均衡を保ち、タイムアップとなった。
勝敗は綱の真ん中のテープが陣地に入っていた相手側の勝利となり負けてしまった。
「ニ゙ャー!負けたニャーン!」
「負けちゃったけど久しぶりに綱引き出来て楽しかったよ!」
「やっぱりオラは役立たずズラぁ…。」
『そんなことないよ!コマさんの頑張りは嬉しいし、私は皆と綱引き出来て楽しかった!
それにタイムアップまで終わらなかったのも誰一人として欠けてなかったから出来たんだよ!』
「そんな優しい言葉…オラもんげー嬉しいズラ~…っ!」
コマさんが泣き出してしまった。
言葉が悪かったかなと慌てて謝るがコマさんは違うズラあ!と余計泣いてしまう。
「兄ちゃんは霊和ちゃんの言葉が嬉しくて泣いてしまったズラよ。
霊和ちゃん、大切な体育祭に参加させて貰ってありがとズラ!」
コマじろうの後に、コマさんも鼻水を足らしながらありがとズラ。と頭を下げる。
「皆霊和ちゃんに迷惑掛けたくないから、この体育祭では絶対に人間に取り憑かないって守ってくれてるんだよ。」
そうだったんだ…。
妖怪は取り憑く事が仕事みたいなもんだから、それを止めてまで私の応援をし、あまつさえ綱引きまで手伝ってくれた。
私は改めて頭を下げて、後日お礼をしようと心に決めた。
H30.09.09