3話
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「そういえば、君はどうして此処にいるの?近所に住んでるの?」
フゥ2に聞かれて思い出したが、私はお母さんとお父さんを探していたのだった。鬼の子が知っているのだと思って着いて来てしまったが、ここにいたのはジバニャン達であった。
お母さんとお父さんは何処にいるのだろう…。
目から涙が溢れる。
『ふぇ…っ
わかんない…』
「もしかして迷子だったニャン?」
「お母さんとはぐれちゃったの?」
『オモチャで遊んでたの。そしたらお母さんいなくなってて…鬼さんにコッチって』
「そしたら此処に着いたんだね?」
『うん…』
「多分鬼ってのはみちび鬼だと思う…。だとすると、みちび鬼は俺達を引き合わせた…?」
「みちび鬼ですって?だとしてもこの子と私達を会わせる道理がありませんよ!」
「みちび鬼は迷子にさせるけど、道を教えることや道標にもなってくれることだってある妖怪だから何かあるんじゃないかと思うんだ。」
「考えすぎなんじゃございやせん?みちび鬼だったとして、たまにはイタズラもしたくなるでしょう。」
「多分の話だよ。そうじゃなきゃ、態々妖怪に会わせるような事しないと思うんだ。」
『?』
私にはちんぷんかんぷんで、鬼の子はみちび鬼という名前だとしか分からなかった。
「──…取り合えず、君を親の所に連れて行かなくちゃだ。」
「確かに今は言い争ってる場合じゃニャいニャン。」
フゥ2は窓を開けて、ベランダに出るように言われた。
『お母さんとお父さんのとこわかるの?』
「探すしかないよ。」
「みちび鬼に会う前にオモチャで遊んでたって言ってましたよね?」
「じゃあ、オモチャ屋ニャン?」
「そうだね。じゃあ、ウィスパー横になって。」
「うぃす?」
ウィスパーはフゥ2の言いなりになって、浮きながら横向きで寝る。
「違う違う。」
フゥ2がウィスパーの身体を動かし俯せにさせる。
「君は此処に乗って!」
ウィスパーの背中をポンポンと叩きながら言うフゥ2は私の身体を持ち上げる。
驚きながらもウィスパーの背中に乗って、不安定な動きに思わずウィスパーの頭のふよふよを握る。
「私は乗り物じゃねーぞ!!」
『うわっ!』
ウィスパーが身体を動かすので落ちそうになるが身体を密着させてしがみつく。
「ウィスパーはこのくらいしか役にたたないんだからいいでしょ。」
「今が一番役にたってるニャンよ。」
「嬉しくありませんよ!」
煩いウィスパーをフゥ2が黙らせ、ジバニャンはフゥ2の身体にしがみつく。
「じゃあ行くよ!」
フゥ2の掛け声で、ウィスパーの身体が宙高く浮いた。私もウィスパーの上にいるわけで、高く空を飛んだ気分になった。
『わぁ!凄い!』
下の方に歩いている人の頭頂部のみが見えるし、広い道には沢山の車が行き交っている。
前を見れば遠くに山があるだけで、雲に手が届きそうな感覚までする。
「ウィスパー!落とさないようにしてよね!」
「ご安心を!腕を後ろで組んでベルト代わりにしておりますから!」
移動しながらなので声を張り上げて言い合うフゥ2とウィスパー。
みちび鬼を追い掛けてきた時は結構歩いたような気がしたが、空を飛ぶと一瞬だった。
「オモチャ屋に到着!」
『あ!』
下降したらさっきまで居た場所に着いていた。
お母さん、お父さんとはぐれたオモチャ屋の前で降りるとお母さんが慌てて駆けてきた。
「もう!何処に行ってたの!お母さん心配したのよ!?」
『ごめんなさい…』
お母さんにギュッと抱き着かれて私も抱き返した。
「お母さんと会えてよかったね!」
「もう迷子になるニャンよ。」
『うん!』
私がフゥ2とジバニャンに返事をしたからお母さんが首を傾げる。
「?また妖怪さんがいるの?」
『いるよ!フゥ2とジバニャンとウィスパーだよ!』
お母さんは私を抱き抱えながら手を握ってくる。
お母さんにも見えたのだろう。フゥ2達を見て、娘がお世話になりました。と頭を下げた。
フゥ2達は自分たちが見えるようになったのに驚いていた。
『フゥ2、ジバニャン、ウィスパーありがとう!』
「へへっ。久しぶりに人間と話せて楽しかったよ。」
フゥ2達は私にメダルを差し出す。
「友達の印ニャン!」
『わぁ!ありがとう!』
「私からもメダルをどうぞ。」
ウィスパーからもメダルを貰おうとした時だった。
激しい音と、凄まじい風が吹いた。