鬼1匹〜
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鬼4匹
灯下陀というところを歩く##NAME1##。
人々の群れを掻き分けながら一歩一歩地面を踏み、均(なら)してある土に足跡を付けていく
一方猫っぽい犬―ナッポー―は##NAME1##の肩に座っていた
「ネェネェ、やっぱり宝石って売ってるのかなぁ?それとも洞窟とかにあって守っている魔物とかがいるのかな?」
「まず売ってはいないでしょ。」
迷信の話をする二人
「でもさ、でもさ、宝石ってピカピカに磨いてある、誰かの宝物なんじゃないの?」
「それだったらその辺にある小石だってピカピカに磨いて、その人が大切にすれば宝石って言えるよ。でも…」
迷信の宝石は誰かの大切なモノかもしれない
##NAME1##はそう思った
周りはダイヤモンドとかルビーとかの石だと思うが、迷信になるくらいの宝石だ。
そんなものではないような気がする
迷信を作った人、いや実際に夢が叶った人の大切な宝物を宝石と云っただけなのかもしれない
##NAME1##は考えながら歩っていると女性にぶつかってしまった
「おっと、ごめんなさい。大丈夫?」
##NAME1##は少しよろけたくらいで済んだが、女性の方は尻餅をついてしまった
##NAME1##は女性に手を差し延べた
しかし女性は一瞬##NAME1##を見ただけで、すぐに顔を伏せてしまった
だが女性が##NAME1##を見た瞬間、肩が震えたのが見えた
「………」
「………だ、大丈夫」
##NAME1##ががん見していたのに耐え切れなかった女性は小さな聞き取れるかわからない大きさで言って立ち上がる
着物に付いた埃を掃う女性は黒髪の長髪で、太腿まであるがボサボサだった
着物も少しぼろくなっている
「あの……」
「すみません、でした」
ペコッと頭を下げて走って去ってしまった
「…………」
女性の行ってしまった方を見る##NAME1##
「なに?気になるぅ?」
「……うん」
「追い掛けてみる?」
「いいの?」
「いーよいーよ!」
「……ありがと」
##NAME1##は女性を追い掛ける為に走った
「ハァ…ハァ… 何処にいるんだろ…」
数十分は走ったが未だに女性は見付からなかった
「ねぇ、##NAME1##。あれは?」
ナッポーが指差す方向には屋根の上にある不自然な影。
しかし、ナッポーが飛んでいる高さからしか見えず、##NAME1##の身長では見えなかった
「ん~、僕からは見えないな…
……行ってみよっか」
「あい!」
##NAME1##は物凄いジャンプ力で屋根の上に跳んだ
トンッ
##NAME1##が着地した音がする
女性は音に気付き振り向いた
女性は深い蒼い色をしている目を見開いた
「さっきぶりだね」
「…………」
女性は警戒して##NAME1##を睨み据える
「君の家は?何で屋根の上にいるの?」
「…べつに」
「家ないの?」
「…………」
何も言わずに睨み付ける目が先程より細められた
「よかったら僕達と一緒に来ない?」
「?」
「夢を叶える旅をしてるんだ!」
ナッポーが手を一杯に開いてジェスチャーをする
「夢?…叶う、の?」
「それはわからない。でも僕達は叶うって信じてる」
真剣な顔をする##NAME1##
「来てくれないかな?」
一歩足を踏み出す
「イヤッ!来ない、で!」
「…………」
目を少し大きくして立ち止まる
「ゴメン…。…でも仲間になってほしくて…」
「##NAME1##は淋しがり屋だからねぇ」
「ち、違うからね!昔のあだ名が兎とかないからね!
じゃなくて!」
「うさ、ぎ……?」
女性は##NAME1##の変な余談に食いつく
「ちがっ、違うってば////!!」
恥ずかしくなり顔を赤らめる##NAME1##
「もう、ナッポーが変な事言うからぁ…ι」
##NAME1##はナッポーを睨み付けるが睨まれた本人(?)は笑ってごまかしていた
「そ、それでね、」
「わ、私ネ、ヒト、って、信じられない、んだ」
「へ?」
「昔、色々あってね、人間、嫌い、なった」
「人間不信?」
「コラ、言わない」
小さくだったが、ナッポーの声が聞こえ、話さないように口を塞ぐ##NAME1##
「で、でもネ、ウサギは、好き!」
「は?」
意味が分からなかった##NAME1##
「兎って##NAME1##の事じゃない?」
「ちょっ、僕は兎じゃないってばぁぁぁぁああ!!」
「だ、だから、ね、その……」
女性は中々次を言わない
「…僕達と一緒に来てくれない?」
何かを察したのか、先程と同じ言葉を述べた
「! ……うん!」
「やった!やった!!」
「あ、でもね、ウサギは好きだけど、犬は、嫌い」
「犬嫌い……」
「兎じゃない!」
ナッポーは屋根の上に座ってのの字を書いていた
「僕は兎じゃなくて##NAME1##。君の名前は?」
「##NAME1##…
私は、咲(さく)」
「咲、か。親はいい名前を付けてくれたんだね」
「………」
咲の眉間が寄った
「親、なんて、いいもんじゃ、ない」
「………」
「私の、親は、最低だ」
顔を歪める咲
目には涙が浮かんで、必死に堪えている
「そっか…
僕は何も言わないよ。君が言ってることを否定するという事はしないから」
親は禁句か…と思う##NAME1##
「そうだよ。親にいい奴いないしねぇ」
復活したナッポーが言う
「僕は犬だからかもしれないけどご飯を自分で取れるようになったらどっか行っちゃったもん。しかも泥棒という名のご飯の取り方!酷いよね!」
「え、いや、それは…ι」
何も言えない##NAME1##
「こっちなんか、ヒトの醜い処、覚えられた」
「うん。うん。わかったから親の醜い処を争わないでネ」
「あーい」
「うぃ」
「「『うぃ』?」」
##NAME1##とナッポーが一斉に咲を見る
「え、うぃ?はいじゃなくてうぃ?」
ナッポーは手を口にあてて笑いを堪える
「笑うな!!」
「え?いいんじゃない、うぃ。可愛いよ?」
そう言いながら肩を震わしている##NAME1##
「やっぱ、ヒトも犬も、嫌いー――――っ!!!」
鬼4匹終わり