鬼1匹〜
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
鬼2匹
##NAME1##とナッポーが
出会った日
その日は確か雨だった
##NAME1##が旅を出る前、そして旅をすると決めてから数日
今、##NAME1##は自分が住んでいる町、【殊祢(しゅね)】という所を散歩していた
番傘を差して町を歩く
腰にある愛刀を触りながら町を見る
「少しの間この町とは離ればなれ、か」
##NAME1##は町の隅々まで歩いた
帰り道、大通りを歩いていた
「帰ったらパイナップル食べたいな…」
戯言を言っているとき、ふと、店と店の間の小路地を見た時だった
「?
何、あの水色…」
水色の物体が路地の奥へと入って行くのが見えた
##NAME1##は気になって小路地の中に入ってみた
しかし辺りは家の影で暗く、数メートル先が見えない
##NAME1##がもう少し奥に行ってみると水色の物体が動いていた
そっと近付く
##NAME1##は気配を消しているのもあってか水色の物体は全く気付いていない
近くで見てわかったが、水色の物体には耳が生えているのが分かった
それだけならばいいが、背中には天使の翼なようなものと悪魔の翼なようなもの、牛の尻尾みたいなものが生えていた
「…猫かい?」
番傘の中に猫を入れる
猫相手に言うのは変かもしれないが##NAME1##には猫は自分の声がわかるような気がした
「∑! ………」
びっくりしたように##NAME1##を見る猫
「?
ご飯を食べてたの?」
猫が持っている人参やほうれん草が見えた
「…………フルフル」
頭を縦に振る猫
「何でも食べれるのかな?…
はい、あげる」
夕食で食べようと思っていたコロッケを一つ猫に渡す
猫はジッと##NAME1##とコロッケを見詰めた後、恐る恐る口に入れた
##NAME1##はそれを見て、ひそかに笑った
「ねぇ、家がないなら僕についてきてくれない?
僕ね、これから旅に出るんだ
夢が叶うっていう伝説を捜してね
君にももし、夢があるのなら来てほしい」
「………」
「嫌ならいい。でも、僕、旅に出たら一人ぼっちなんだ。だから一緒にきてくれる友達、いや相棒が欲しいんだ」
「………」
「ハハッ 何猫相手に言ってるんだろ……
でも、僕の言葉がわかるなら、僕と一緒について来てくれるなら、僕の後についてきて」
##NAME1##は立ち上がり、持っていた番傘を猫の所に置き、猫に背を向けた
##NAME1##は雨の中を歩き出した
ゆっくりゆっくり、猫が来てくれる事を祈って歩く
ピチャピチャ、##NAME1##の足音が響く
路地を出る時、後ろから足音が聞こえた
##NAME1##は半分諦めていたため驚いたが、ついてきてくれた嬉しさで顔を歪めた
##NAME1##は嬉しい気持ちを心の中に押し込めて後ろを見ないように歩いた
「ここが僕の家だよ」
大きくもない小さくもない家に入る##NAME1##
「入りなよ」
そこでようやく後ろを向いた
その時はかなり驚いた
何故って…
「君、歩けるの?」
猫が二足歩行で歩いていた
「…歩いちゃいけない?」
「ぇ………」
##NAME1##は目を見開いて固まってしまった
猫が歩くなんて、ましてや喋るなんてありえない事が、今、##NAME1##の目の前で起こっていた
鬼2匹 終わり