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10年も前には、小さな小さな国にも戦に負けてしまうくらいの弱小国があった。
だが、数年前、国王が変わってから急激に領土が広がっていた。
今ではアジア・アフリカ一の国となっている。
実は、今の国王には秘密があった。
それは思い通りになる、魔法の香水というものだった。
国王は戦の度に香水を自身の頭から爪先まで目一杯掛け、戦に勝つ。とだけ言う。
すると、必ず国が勝つのだ。
そのため、今ではかなりの大国になっている。
しかし、国王は土地と地位だけでは飽きたらなくなっていた。
国王が香水を身体にかけ、町を歩けば女共が寄って来て、調理場に行けばたらふく飯を食った。
だが、なにかが物足りなかった。
国王は国王をやめ、息子に国を任せて、このモヤモヤした気持ちを探しに旅に出た。
途中山賊に出会したが、香水で姿を一時的に消して逃げ、ついた場所は砂漠化がかなり進んだ場所だった。
辺りが茶色一色で出来た、小さな町を歩いた。
町には小さい子供が沢山いた。
手足は痩せこけ、腹はアンバランスに膨れている。飢餓の特長だ。
歩いていて気が付いた。
お年寄りが全くいない。
簡易ホテルに泊まり、夜を過ごす事にした
出てきた食事はファラフェル(何かの穀類(豆?)を丸い形にして揚げたもの)と、かぼちゃの種だけ。
王国の中で食べた料理とは、比べ物にもならないくらい質素な食事だった。
次の日、町の子供に声を掛けられた。
みずもってない
出ない声を必死に出している。
元国王は自分の残り少ない簡易水筒から水をあげた。
最初は子供一人だったはずが、いつの間にか大勢いた。
だが、元々少ない水しかなかった。すぐに無くなり、集まった町民達は項垂れる。
元国王はなす術もなく、申し訳ないと謝罪し、その場を後にした。
昔、自分が国王だった頃に、このような村に行った事がある。
その時は自分名を広めようとしか考えていなかったから、こんなちっぽけな村…。と目にも入れなかった。
だが、国王を引退し、こんな大変な町があるのだと知った。
国王は香水を持ち、その腕を上げた
それなに?
後ろを振り向くと、男の子がいた。
この男の子も他の子供同様、飢餓だ。
元国王は言った。
不幸の水だ
上げた腕を振り下ろした。
地面に着いた場所から線が入り、外の硝子が割れた。
刹那……───、
香水が光った。
あまりの眩しさに目を閉じた。
光が叙々に弱くなっていき、目を開けると、香水がばらまかれた場所から草木が生え、川が現れた。
元国王が目を見開いていると、後ろから町民が集まって泣いていた。
貴方のお陰だ
町民達は泣いた汚い顔で元国王を讃えた。
元国王はこの町で、平民として、町の皆と同じよう、汗水垂らして暮らすようになった。
そして、心のモヤモヤも無くなっていた…────。
END
同じ立場になって考えるべし
だが、数年前、国王が変わってから急激に領土が広がっていた。
今ではアジア・アフリカ一の国となっている。
実は、今の国王には秘密があった。
それは思い通りになる、魔法の香水というものだった。
国王は戦の度に香水を自身の頭から爪先まで目一杯掛け、戦に勝つ。とだけ言う。
すると、必ず国が勝つのだ。
そのため、今ではかなりの大国になっている。
しかし、国王は土地と地位だけでは飽きたらなくなっていた。
国王が香水を身体にかけ、町を歩けば女共が寄って来て、調理場に行けばたらふく飯を食った。
だが、なにかが物足りなかった。
国王は国王をやめ、息子に国を任せて、このモヤモヤした気持ちを探しに旅に出た。
途中山賊に出会したが、香水で姿を一時的に消して逃げ、ついた場所は砂漠化がかなり進んだ場所だった。
辺りが茶色一色で出来た、小さな町を歩いた。
町には小さい子供が沢山いた。
手足は痩せこけ、腹はアンバランスに膨れている。飢餓の特長だ。
歩いていて気が付いた。
お年寄りが全くいない。
簡易ホテルに泊まり、夜を過ごす事にした
出てきた食事はファラフェル(何かの穀類(豆?)を丸い形にして揚げたもの)と、かぼちゃの種だけ。
王国の中で食べた料理とは、比べ物にもならないくらい質素な食事だった。
次の日、町の子供に声を掛けられた。
みずもってない
出ない声を必死に出している。
元国王は自分の残り少ない簡易水筒から水をあげた。
最初は子供一人だったはずが、いつの間にか大勢いた。
だが、元々少ない水しかなかった。すぐに無くなり、集まった町民達は項垂れる。
元国王はなす術もなく、申し訳ないと謝罪し、その場を後にした。
昔、自分が国王だった頃に、このような村に行った事がある。
その時は自分名を広めようとしか考えていなかったから、こんなちっぽけな村…。と目にも入れなかった。
だが、国王を引退し、こんな大変な町があるのだと知った。
国王は香水を持ち、その腕を上げた
それなに?
後ろを振り向くと、男の子がいた。
この男の子も他の子供同様、飢餓だ。
元国王は言った。
不幸の水だ
上げた腕を振り下ろした。
地面に着いた場所から線が入り、外の硝子が割れた。
刹那……───、
香水が光った。
あまりの眩しさに目を閉じた。
光が叙々に弱くなっていき、目を開けると、香水がばらまかれた場所から草木が生え、川が現れた。
元国王が目を見開いていると、後ろから町民が集まって泣いていた。
貴方のお陰だ
町民達は泣いた汚い顔で元国王を讃えた。
元国王はこの町で、平民として、町の皆と同じよう、汗水垂らして暮らすようになった。
そして、心のモヤモヤも無くなっていた…────。
END
同じ立場になって考えるべし