段々と坂田銀時さんに慣れてきた頃、玄関の戸が開く音がした


「ただいまアルよ～
お帰りなさいアナタ～」


何故か一人コントをしてやってきた女の子

いや、後ろには巨大な犬がいた
それも私よりも確実にデカイ


「んぉ？銀ちゃんその娘誰アルカ」

「ん～未来人？」

「そんな事言っておいて！どうせ誘拐してきたんでしょ！！？女と絡む時は気を付けなさい。とりあえずゴム？よ！って、お母さんなんども言ったでしょ！これだからあぁたは！！」

「なんでお母さん！？てか誘拐なんてしてねェェェエ！！しかもなぜヤる前提！？」


私は全くキャラが定まっていない女の子と、ツッコミが激しい坂田銀時さんを見る

女の子と目があってしまい、私はたじろいでしまう


「依頼人アルか？それなら私が何でも解決してやるヨ！」


拳で胸を叩く女の子


「そうしてやりてぇんだがな…、」


私が言う前に坂田銀時さんが答えてくれた

そして、何故私が此処にいるのかも女の子に説明した













「ふぅーん。大変アルナ

あ、私は神楽っていうネ！歌舞伎町の女王アル！」

「私は金井霧雲です」


遅いながらの挨拶をする


「霧雲帰れないアルか？」

「みたいです…」


私は肩を落とす


「まぁ、なんとかなるんじゃねーか？」

「ならいいんですが…」

「そんなことより、霧雲此方にいる間此処に住むネ！」

「ちょおっ！？神楽ちゃん何言ってんの！！？テメーと定春のせぇでもともと火の車なのに、これ以上したら火の車どころか焼け野原なんだけど！！」

「銀ちゃんがちゃんと働けばいい話アル」

「他人任せか！！！」

何故か私抜きでどんどん話が進んでいる
と、いうか、神楽ちゃん！坂田銀時さんに迷惑掛けちゃうから！


「いいです！
私、公園でもいいんで！段ボールだとしても高級ベッドだと思えば意外といけるかも！？」

「「…」」


何故かシーンとしてしまった
と、思ったら神楽ちゃんと坂田銀時は、私に背を向けて何か話している


「ちょっと、アノコヤバイんじゃねーの？」

「段ボールが高級ベッドなんてまるでマダオネ」

「ああ、そうだ。
そしてアノコがマダオでいいと思うかい？」

「ダメアル！女の子は何時でも可憐でいなきゃアル！！」

「そうだよな」



二人の話が纏まったみたいで、私の方を向いてくる


「えぇ、…

コホンｯ

霧雲ちゃん…」


態とらしく咳払いをする


「今日からこの家に暮らしなさい」


衝撃な話だ
驚きすぎて声が出ない

先程まで此処に住めるような雰囲気ではなかったはずだ。
それに私自身も此処に住む気持ちも甚だなかった


「で、でもお金は…」


ようやく出てきたのは、お金のこと。
家計が苦しいと坂田銀時さんは言っていたのに、何で私なんかと同居させようと…


「金ならなんとかなんだろ。一応これまでなんとかやってきたしな。
それに、神楽みてーな奴もいるし、今更一人増えた処で変わりゃしねーよ」


なんという男らしさ
もしかしたら坂田銀時さんに惚れている人がいるかも思う


「あ、ありがとうございます」


私は頭を下げた

今日から坂田さん家にお世話になります。


(まずは買い物アル！)(お前付いてくる気かよ！)(あ、あの、お金…)(心配すんな。前払いだ)