焔の再度の来訪に海は色めきたち出す

「・・・ったく、オメーが来なけりゃまだ楽しめたんだがな・・・」
「‘ネガティブ・ホロウ’!!!」
‘ヒュンッ’
「・・・生意気なこと言ってすみません・・・!!」
「はは・・・」
・・・所代わりBARの中、ルーク達はゾロの気を取り戻させてゆっくりしようて言う事で中に入ったのだが・・・勝負に横槍を入れられたとソファーに座りながら後頭部で両手を組ませボヤくゾロに、対面に座っていたペローナは問答無用でネガティブ・ホロウを食らわせまたネガティブにして土下座させた。カウンター前の椅子に座っていたルークはそれを見て乾いた笑いを浮かべるばかり。
「ふふ・・・それにしてもゾロ、君も2年前に比べたら格段と強くなったな」
「はっ・・・・・・分かるのか?」
そんな様子を見てたレイリーはゾロにレベルアップしたことがわかると言うと、ゾロは気を取り直してソファーに座り直し目を細め問い返す。
「あァ、身に付いた動作一つ一つがより洗練されている・・・余程過酷な修行をしたようだな」
「・・・まァな」
レイリーの確かな観察眼から出てきたのはいかに修行の過酷だったか、それを分かると言われゾロは不敵に笑う。
「・・・なァ、お前なんで俺の名前知ってんだ?俺お前に一回も会ったことがねェし、第一手配書には俺は‘朱髪’としか公表されてないはずだけど・・・」
「あァ、それか・・・簡単な事だ。聞いたんだよ、鷹の目からお前の事をな。そしてついでに言うなら・・・おれは鷹の目の元で修行してたんだ。この2年間な」
「えっ・・・!!?」
「ほう・・・」
そこから今度はルークが自分の本当の名前を知っていた理由を聞くと、ゾロはその理由と修行が鷹の目に繋がっていると言い、ルークは驚きレイリーは感心した声を上げる。
「しかしよくもあの男が君を鍛えるなどと言った物だ。私の見たところではそのような事をする男には思えなかったがな・・・」
「・・・・・・おれだって元々鷹の目に教えなんて乞う気はなかった・・・だがシャボンデイ諸島で散々にやられてクライガナ島に飛ばされた後、マリンフォードの戦いの事を鷹の目から聞かされた時おれは自分の弱さを呪った・・・・・・未来の海賊王の助けにもなれねェで、何が世界一の剣豪だってな。そんな時におれは数日後のマリンフォードをルフィとアンタとジンベエって奴が襲い、おれ達に向けた2年後に集まる指示を読み取った時おれは鷹の目に剣の稽古を頼んだ。強くなるために、断られても何度でも頼み込む覚悟でな・・・」
「・・・それで鷹の目が折れて、君の剣を鍛えたのだな」
「・・・あァ、そうだ」
レイリーからの疑問にゾロは過去の自身の苦い想いを吐露した上での断腸の返答を返し、レイリーはそれ以上は何も言わずに微笑む。
「・・・それでその時にルーク、お前の事を鷹の目から聞かされた」
「え・・・俺?」
だがいきなり向けられたゾロの鋭い視線に、なんなのかとルークは自らを指差す。
「アイツから言わせりゃマリンフォードの時点でおれよりお前の方が強くて、その上で伸びる余地はまだあるなんて言いやがったからな・・・・・・それも何度も・・・・・・!!・・・それでマリンフォードから全く噂のなかったお前を見つけたから腕試しを兼ねて襲ったんだ。アイツが言っていた男がどれだけ強いかを確かめる為にな」
「・・・だからっていきなり襲い掛かるのは勘弁して欲しかったな・・・」
「じゃあいきなりじゃなけりゃいいのか?」
・・・鷹の目から耳にタコが出来るほど話を聞かされたのか、イライラした様子でその時の事を話すゾロにルークは八つ当たりだと思いつつ疲れた声で返すが、好機と言わんばかりに言葉のアヤを突きゾロは刀に手をかけながら楽しそうに立ち上がる。
「今はやめておきなさい、ゾロ君」
「・・・なんでだよ」
しかしそのゾロをなだめるようレイリーが口を開くと、不満げな様子を見せ訳を問う。
「君たち二人がぶつかれば周りに被害が及びそうなのでね、そうなればここも実害を被りかねない。戦うなら今ここで戦うのではなく、場所を変えて戦ってくれ」
「ちょっとレイリーさん!!?」
だが制止の訳が自分の為でなく店の為だと言われ、ルークはたまらず声を上げた。そんな理由なのかと。










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