焔の再度の来訪に海は色めきたち出す

「なっ!!?」
‘ギィンッ!’
「へェ・・・流石に鷹の目と切りあっただけはあるようだな・・・!!」
「問答、無用かよっ!!!」
2本の刀を手に1本づつ、残りの刀を口に1本加えた男はルークの返答も聞かず一気に飛び込む。その行動に面食らいつつも一点に集中した3本の刀の交差点にローレライの鍵をぶつけ、吹き飛ばされずに持ちこたえると刀を口にしながらも愉快そうでいて器用に喋る男にルークは理不尽に対して怒りで声を上げ、バックステップで距離を取る。
「‘魔神、拳’!!!」
「なっ!!?飛ぶ拳撃だと!!?・・・そっちがそう来るなら・・・‘三十六煩悩鳳’!!!」
ある程度の距離が取れた所でルークは魔神拳を放ち、男は魔神拳に驚くがすぐさま刀を振りお返しと言わんばかりに技の名を叫びながら飛ぶ斬撃を放つ。
‘バンッ!・・・ギィンッ!’
「チィッ・・・!!」
「くっ・・・!!」
魔神拳と三十六煩悩鳳・・・互いの飛び道具が威力同じと相殺しあったのを見て、瞬時に前に出た二人はまた互いの獲物を互いの顔付近で鍔迫り合う。
「・・・てめェ、賞金稼ぎか!!?」
「・・・いいや、お前と同じ賞金首だ。正確に言えば元賞金稼ぎの賞金首だがな」
鍔迫り合いから互いに譲らずどちらも押しきれない、膠着状態に陥った様子からルークは男の正体を問う。
「だが今はんなことはどうでもいい・・・!!!とことんまで付き合ってもらうぜ、どっちかが倒れるまでな!!!」
「くっ・・・やめてくれ、っつったとこで無駄そうだな。なら遠慮なく・・・!!!」
男は正直に答えつつもまだまだ戦闘を止める気はない意志を楽しげにぶつけ、ルークは説得を諦め目の前の男をぶちのめさんと本気で戦おうと決める・・・だがそう思っているのは、相手も同様だった。



「‘ネガティブ・ホロウ’!!」



‘スイー’
「・・・へ?」
・・・だがその二人の本気は出される前に唐突な声により収まりを見せた。ルークが見た物、それはゴーストにしてはあまり恐々しくないゴーストが目の前の男の腹を通り過ぎいきなり男が力なく地面に崩れ落ちた物だった。いきなりのことにルークは呆気に取られ、その男をどういうことかと注目する。
「いきなり喧嘩をふっかけてすみません・・・!!」
「へっ、あっいや、えっ・・・?どういうこと?」
「・・・やれやれ、すまなかったなお前」
「あっ、えっと・・・誰、お前?」
するとその男が土下座で手を突き謝りだした事でルークの混乱は一層深まるばかりだが、男の後ろから現れたゴスロリファッションの女が仕方なさそうに謝って来たことにルークは混乱しつつも誰かと聞く。
「私はぺローナ、この方向音痴の戦闘バカをここまで連れてきてやった張本人さ」
「えっ、えと・・・そのぺローナが、なんで俺を助けてくれたんだ・・・?」
「勘違いすんな、コイツがこのシャボンディ諸島に来てから勝手にあたしの元から離れてどっかに行ったんだ・・・それでいざ見つけてみりゃ勝手に戦ってるからムカついて‘ネガティブ・ホロウ’を使ったんだよ。まァ補足として付け加えるとあたしはホロホロの実を食ったゴースト人間・・・今あのバカにやった‘ネガティブ・ホロウ’はその名の通り食らうとネガティブになるっていう技だ。まァ誰か声をかければすぐにネガティブから解放されるんだがな」
「はぁぁぁ、成程・・・これも悪魔の実の能力か・・・」
自己紹介をしたぺローナと会話をして今目の前の現状が悪魔の実の能力であると知り、男を見て納得しつつもメローナに心底ホッとした微笑みを浮かべる。
「ありがとうな、ぺローナ。助けた理由がなんであっても、お前がいなかったらコイツとマジで戦わなきゃいけないとこだった」
「っ!!・・・べ、別にれ、礼を言われるす、筋合いなんかねーよ!!!」
その笑みからの礼の言葉にペローナはカッと一瞬で顔を真っ赤にし、明らかに動揺しながら言葉を詰まらせつつ一気にまくし立てそっぽを向く。
「騒がしいな・・・どうしたのかね?」
「あっ、レイリーさん・・・」
するとBARから出てきたレイリーにルークが申し訳なさそうな顔をするが、レイリーはふと男に目を向ける。
「む・・・君は、ゾロじゃないか」
「ゾロ・・・?知ってるんですか、レイリーさん?」



「いや、知ってるも何もこの男は麦わら海賊団の一味だ」



「・・・はァッ!!?」
・・・その男の名を呼ぶレイリーにルークは誰なのかと聞くが、まさかの答えが返って来たことに驚きを隠せず大きな声を上げた。









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