焔の再度の来訪に海は色めきたち出す

・・・それからルークはルフィ達が来るのを待つため、レイリー達と共にに滞在することを決めた(ちなみにBARにはルフィ達の船であるサニー号を守り全治一年の怪我を負っていたデュバルもいたが、ルークが流石にその姿をずっと見続けるのは痛々しいということでキュアとヒールをかけ傷を全快させた。そしてデュバルはルークに『ルークの旦那!!困ったことがあったら人生バラ色ライダーズに言いな!!!いつでも呼んでくれ、必ずあんたのお役に立つぜ!!!』と言って、BARを出ていった)。
だが少し問題があった。それはルークの首に懸かった・・・



「懸賞金・・・!!?」
「うむ、あれから海軍は君を超危険人物と判断したようだ。まぁ鷹の目と切り結び海軍最大戦力の1人である大将の黄猿を倒したのだからね。懸賞金にして・・・こんなものだ」
「・・・ハァッ!!?」
レイリーから手配書を手渡され、自身の顔が写された部分とその懸賞金のあまりの破格さにルークは驚きの声を上げる。
「その額は白ひげとシャンクスの二人にカイドウとビッグ・マムの二人を加えた現在の海賊のトップとも言える四人、通称『四皇』よりは落ちるがそれに近い金額だ。今いる他の海賊でそれだけの金額にまで至っている者はそういない・・・とは言えおそらく初めてつけられた懸賞金としてはその『四皇』も抜いて、最高金額だろうね」
「うわァ、嬉しくねェ・・・」
その金額に解説を口元を笑ませながらするレイリーに、ルークは手配書を右手に左手で痛そうに頭を抑える。ここじゃ宇宙を股にかけた貧乏な賞金稼ぎの一員じゃなく、逆に捕縛対象の高額の賞金首になってしまったことに痛みを覚え。
「そう言った事情があるからね、あまり遠出はしない方がいい。無数の賞金稼ぎに狙われたくないならね・・・まァ鷹の目と戦える程の君の腕なら、そこらへんの賞金稼ぎくらいには負けないと思うが」



「・・・やることねェんだよな、やっぱ外出出来ないと・・・」
数日後、レイリーとのやり取りを思い出しつつ、ルークは暇をもて余しながらもBARの外でローレライの鍵で素振りを行いながらぶつぶつ呟いていた。
・・・ルークとて不必要に争いを引き起こしたいとは思っていない。だが高額賞金首になった今自分の身はそれだけでトラブルになり得る。そう思うとあまり遠出はしたくない・・・そう考えたルークはBARの近くで剣術訓練に勤しむくらいしかやることはなくなっていた(ちなみにBARの手伝いはシャッキーから「お客に働かせてどうするのよ」と言われ、あえなく断られた。更に「ルークちゃんが店にいたら大抵のろくでなしが来なくなっちゃうじゃない。ぼったくれないからそれだと」とも言われた時、ルークは明らかにそっちが本音だと感じていた)。



「・・・ん?」
「・・・ん?」
1人黙々と素振りを繰り返していたルーク。そんなルークの前からある剣士の姿が目に入り、その剣士もルークと同じよう互いに注目する。
(隻眼で3本の刀?なんか似てんな、6本も刀差して全部使ってたあいつに・・・まぁ何本も刀差してても、予備って事も有り得るけど・・・つーかこいつ、つえェな・・・)
・・・緑色の短髪で隻眼、腹巻きを巻いていて黒い服を身につけている男。その男の腰には3本の刀・・・共通点は多少ある青を基調とした戦装束を身につけた奥州筆頭の姿を思い出しつつも、ルークは目の前の男が強い部類に入る人間だと感じていた。
「・・・よォ、お前・・・名前はルークか?」
「なっ・・・!!?なんで俺の名前を・・・!!?」
そんなルークに目の前の男はこの世界ではほとんど知られていないはずのルークの名を確かめるよう口にし、予想だにしない問いかけに声まで似ていた事もありルークは激しく動揺する。その答えに男はニヤリという擬音がピッタリな笑みを獰猛に浮かべ、3本の刀を抜いていく。



「ならちょうどいい、お前の腕と今おれがどれくらいの物なのか・・・試させてもらうぜ!!!」










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