焔の再度の来訪に海は色めきたち出す

・・・そこから詳しくレイリーの話を聞いたルークは改めて、この世界が中々にぶっ飛んだ世界だと感じていた。

悪魔の実があり、外殻大地でもないのに空に島が浮いていたり、‘偉大なる航路’のあまりのでたらめさだったり、今が大海賊時代真っ只中でありそれを引き起こしたのがレイリーの相棒であり海賊王と呼ばれたロジャーであるということを・・・






「・・・すげェな、この世界・・・」
「ふふ・・・この世界で暮らしている者達にとっては当たり前のことだよ。とは言え他の世界の者が来るなど流石に私も経験をしたことはないがね・・・」
「はは・・・俺も他の世界に飛ぶなんて思いませんでしたよ」
「ふふ・・・でもいいんじゃない?楽しそうで」
一通り話も終えた所でルークとレイリーにシャッキーは和やかに笑いあう。
「まぁ君の事情はよくわかったよ。いつ世界を越えるかわからない体質だと言う事もね・・・ならば君がよければでいいが、世界を飛ぶまではしばらく私と共にいる気はないかい?」
「えっ・・・どうしてですか?」
するとレイリーは改まった様子で提案をするが、ルークはいきなりのことで身を乗り出す。
「何、先程言っていたシャンクスからの言伝ての件だよ。『あの朱髪の姿を見たならおれか白ひげの所に連絡をください。おれも白ひげもあの朱髪を歓迎したいから』・・・と言うね。シャンクスに関しては新世界にいるからすぐに会えるというわけではないが、白ひげならこのシャボンディ諸島からそんなに離れていない位置の島にいることは聞いている。だから君がよければでいいが、私が白ひげの元に君を送ろうと思っているのだが・・・どうする?」
「白ひげのオッサンかぁ・・・」
レイリーが詳しく訳を説明しどうするかを投げ掛けると、ルークは懐かしそうに白ひげの姿を思い浮かべる。
「・・・うん、オッサンにも会いたいしよろしくお願いしますレイリーさん。多分しばらくの間は俺も世界を飛ばないと思うんで」
「・・・うむ、それなら私が君を責任を持って白ひげの元に送り届けよう。ただ数日程待ってくれ。そろそろ彼らがここに来る頃だろうからね」
「彼らって?」
やはり戦争の後の状況が気になっていたルークはすぐに笑顔で頷くが、レイリーから意味深に出された彼らという言葉に首を傾げる。
「君も知っているだろう、ルフィ・・・彼の一味、麦わら海賊団だよ」
「えっ、ルフィ!!?レイリーさん、ルフィの事を知っているのか!!?」
そこからしたり顔でレイリーがルフィの事を告げると、一気にルークのテンションが高まり声が上ずる。
「まぁ簡単に言うならあの戦争の少し前に私はルフィ達と会っていてね。それから戦争が終わった後にルフィの元に行き私とルフィは師弟関係を結んだのだよ。まぁ師弟関係と言っても半年程前に私は基本は師事し終えた為、ルフィを一人で無人島に置いて修行をさせているのだがね・・・話を戻すがルフィの一味、麦わら海賊団はルフィが出したメッセージであの戦争から二年後にこのシャボンディ諸島に集まる事になっているのだが・・・そろそろその集結の時期になるのだ」
「だからそれを待つ、と・・・?」
「さっきも言ったが私はここではコーティング屋のレイさんなのでね。彼らの船であるサニー号のコーティングを承っている。二年経って彼らはレッドラインの遥か海底にある唯一の船ごと通れる穴・・・そこから新世界に向かう為のコーティングをね。これは少なからず彼らと関わってきた私がやるべきだと考えている。だからその後になってしまうが、構わないかね?」
「全然!!!構いませんよ!!!むしろ俺もルフィに会いたいくらいですし!!!」
「・・・そうかね」
そんなルークにルフィ達との関わりを丁寧に説明しながらもコーティング作業を誰かに譲る気はないと言えば、ルークは満面の笑みで望むところだと返せばレイリーはニコリと笑う。
「ならばしばらくはここにいるといい。何、気にすることはない。当面の食事に寝床などは私とシャッキーに任せてくれていい」
「・・・いいんですか、シャッキーさん?」
「いいのよ、ここに来た荒くれもの達から君1人なら何ヵ月でも食べさせられるほどぼったくってるから。それにモンキーちゃん達と同じで貴方を気に入っちゃったから気にすることはないわ」
「は、はァ・・・じゃあ、お世話になります」
そこからレイリーは当面の生活をケアすると言うが、至れり尽くせりな状況にルークはシャッキーを気にかけるがぼったくってるからと言われながらも好意的な声で返され、微妙に即答出来ずに頷きながら滞在すると返した。










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