意地と真意の乖離と、気付けば遅い結末

「・・・これが王やそこに連なるような貴族でなかったなら残酷な言い方になるが、即刻処刑というようにしてその首でこの問題は終わりにしてほしいと願うことになっただろう。それが一番手っ取り早く分かりやすい解決手段だからな・・・だがアッシュもナタリアも王族に連なる身であることからそんな手段を取れば相手側からはともかくとしても、ライマの中は完全に荒れる事は目に見えているからそんなことは容易に出来る筈がない。そしてそこに加えて言えることとしてもうアッシュとの婚約は破談になったような物だからとクロエを放り出すような事をすれば、どう少なく見てもクロエはろくでもない目に合うというのは確実としか思えなかった。役割を果たせなかった没落貴族を有効に使い捨てようとした奴らの事を考えればな」
「・・・だからそれらをどうするか考えた結果として陛下達の引退にアッシュ君達の処置もですが、ルーク君とクロエ君の婚約というわけですか」
「あぁ。ただ誤解のないように先に言っておくがルークとクロエの二人にはこうしろと命令してではなく、そうするかかどうかを聞いた上でそうすると頷いてくれた結果だ。そうしてくれと命令だとか無理強いをしたわけじゃない」
「・・・そうなのかい?」
ただそれで普通の貴族なら分かりやすい結末だったがと続けたピオニーの話にウッドロウはだからさっきの結論なのかと言うと、頷きながら返された無理強いはしてないとの答えに四人がルークとクロエに確認の声と目を向けると、同じように表情を引き締めて頷く。
「命令も無理強いもされたわけじゃねぇのは確かだ・・・まぁつっても向こうを納得させる材料を提供するには叔父上達が政治から身を引く事と、アッシュ達の隔離に関しちゃもう決めた事だから仕方ねぇとは言われたが、それで残った問題として俺とクロエはどうするのかって事になったんだ。クロエはさっき言われたように国に帰るようなことになりゃどう見たってろくな事にならねぇのは確実だし、俺も俺でアッシュ達にあんな行動を起こさせてしまった責任は少なからずあるんじゃねぇかみたいに言われかねねぇとなるんじゃねぇかとな」
「とは言えルークはあの二人がもう離宮での暮らしに移らなければならない関係上、そんな大きな罰と呼べる事を課す訳にはいかないということで問題はないだろうとなったが、やはり私の身の安全についてどうするかとなった時に出て来たのがルークと私が今度こそ婚約と共に反故にしない結婚をすることにより、それらの問題を解決すると共に祖国との関係も良く出来るという話になったんだそうだ。ピオニー様が王位に就くことからすぐにというわけではないがまずその次の王位に就く事になるルークの相手にし、アッシュ達の処遇と謝罪と共にそれらを告げれば向こうも溜飲を下げるだろうと」
「・・・それで二人はその話を了承したというわけか」
「そう聞いた時俺はクロエに無理せず前にも話に出たウッドロウを頼るって選択肢があるから、嫌ならウッドロウを頼ってここを出た方がいいっつったよ。あんなことになっちまったからもう結婚したくねぇってなるだとか自由になりたいってんなら、後の事なんか気にせずそうしろってな」
「だが私はそう言われてルークは私と婚約することだとかこれから待ち受ける困難について一人で受け入れる気かと聞いたのだが、そこでもう俺が責任を取ってやるしかないから仕方無いということもだが、私が俺と婚約及び結婚すると選ぶのなら俺はそれを受け入れるし反故することはしないと言ってくれたことで、私も覚悟が決まったんだ・・・ルークもアッシュ達の事で色々あった中で自分の役割を果たすと決めた上に私の事を気遣ってくれたのだから、私はルークを信じると共に私の役目を果たそうとな」
「「「「っ・・・」」」」
そこからルークとクロエが話をしていくのだがウッドロウからの声に二人が真剣に事態に向き合うこともだが、クロエがルークに対する信頼を向けた笑顔を浮かべた事に四人はそっと息を呑んだ。アドリビトムで過ごす事になる前には既にルークと会ったことがある四人だが、そんなアドリビトム内も含めての生活でも見せなかった成長をクロエが全幅の信頼を向けるようになったという形で知ったことに。









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