頂上同士の騒乱に図らず乱入せし焔

「シャン、クス・・・それが、あんたの名前なのか・・・?」
「あァ、そうだ・・・この戦争を終わらせに来た!!!」
周りの海兵の恐れおののく声が今自分の目の前にいる男に向けられている。その事にシャンクスを知らないルークは名前を確認するよう問い、シャンクスは一度ルークを振り返り肯定の声を上げ前を向き直ると戦争を終わらせに来たと告げる。



「‘赤髪’・・・おれらの戦いを止めに来たってェのか・・・!!!」
「・・・オヤジさん・・・このような事は言いたくはないが、赤髪が来た今が場を離れる最大の機会じゃ。早くこの場を離れよう・・・!!」
「あァ・・・ハナタレボーズが、いらねェ気遣い見せやがって・・・!!・・・まァ、あいつにならあの朱髪を任せられるか・・・」
その光景を遠く軍艦から眺めていた白ひげは憎まれ口を叩きつつも、ジンベエから撤退を促されると特に反論を見せることもなくルークの事も任せられると呟く。
「・・・おい、ルフィ。なんで顔を上げないんだ・・・?シャンクスが来てんだぞ!!!」
「・・・顔を見せれねェ。今のおれはシャンクスと約束した立派な海賊なんかじゃねェ・・・そんな姿、シャンクスに見せたくねェ・・・!!!」
「!!・・・ルフィ・・・!!」
その傍らシャンクスの姿を見ろと言うエースにルフィは甲板に突っ伏したまま自身の弱さを嘆く言葉を上げ、エースは苦々しい顔でそれ以上の言葉を避ける。
「・・・息子達よ、早く出るぞ!!!赤髪達が食い止めてくれる内にな!!」
「「「「おォ~~~ッ!!!」」」」
その様子をあえて見ないようにしつつ白ひげは早く撤退をするよう指示を出し、団員達は威勢よく返す。



「おどれ赤髪・・・!!!白ひげ達を・・・!!!」
「海軍側に告ぐ・・・これ以上応戦するな、大人しく手を引け・・・・・・この戦いにはもう意味はない、これ以上欲しても白ひげ達の命はもう奪えるような状況ではない」
(シャンクスは、この戦いを止めに来たのか・・・?いや、それで海軍側が止まるって限った訳じゃない。今のうちにグミを食っとこう・・・)
白ひげ達が撤退ムードに沸く中で赤犬がシャンクスを殺気を込めて見据えるが、シャンクスはそれを流しこれ以上の戦いに意味はないと辺りに告げる。その様子に戦いが無事に終わると確信できないと思ったルークは急いでグミを手に取り、口に放り込む。
「それでもまだ白ひげ達を追うと言うのなら来い・・・!!!おれ達が相手をしてやる!!!」
「「「「・・・・・・!!」」」」
(なんて存在感だ、こいつら・・・!!)
そこからシャンクスの後ろに一斉に赤髪海賊団の幹部達が並び立ち、一斉にシャンクスの宣言に海軍側の人間達が恐れおののく様子にルークは素直に驚愕を覚える。その威圧感に。
「どうだ、ティーチ・・・・・・!!・・・いや・・・・・・‘黒ひげ’」
「・・・・・・・・・ゼハハハ、やめとこう・・・!!こっちの予定は大分そっちの朱髪に狂わされちまったし、それを差し引いてもお前らと戦うにゃあ・・・まだ時期が早ェ・・・!!!ゼハハハ・・・行くぞ野郎共!!」
「・・・・・・」
辺りに自分達が戦う事を宣言し今度は黒ひげにどうするかを投げ掛けるが、黒ひげはアッサリと豪快に笑いながら仲間を引き連れ広場から撤退していく・・・センゴクはその光景を眺めてはいるが、追いかけない所を見ると下手に収まりを見せる場をいじくり回すのはよくないと考えているのだろう。
「全員・・・この場はおれの顔を立てて貰おう。戦いの映像は世に発信されていたんだ・・・!!これ以上結末の決まった戦いで無意に戦を長引かせるべきじゃあない!!」
「・・・結末の決まった戦いじゃと・・・!!?赤髪、それを貴様に決められるいわれは・・・!!」
「やめろ、サカズキ・・・この戦いはもう、我々の負けだ・・・」
「センゴクさん・・・!!?」
黒ひげが撤退していく様子からシャンクスは戦争はもう終わらせろと言い赤犬が負けを認めないようマグマに体を変えかけるが、センゴクから制止と敗北宣言の声がかかってきたことで信じられないと振り向く。






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