意地と真意の乖離と、気付けば遅い結末

「・・・だから私はルーク君に頼み非公式の形で陛下にそういったことの注意を促す手紙を送りたいと思っているのだが・・・クロエ君。婚約の経緯については大方聞いているし君の性格や考え方から自身の責任を果たす為にもと、自分から婚約を破棄したいというように言えないのは分かっている。だからその手紙にはあくまで私だけが考えたことだというように記すから、もしアッシュ君達の気持ちや態度といった物が変わらなかったら婚約の見直しはした方がいいとも書かせてもらう。そして同時にクロエ君の身柄についてもライマで引き受けられないとなったら、私に連絡してくれれば引き受けるというようにもだ」
「なっ!?」
「おいウッドロウ!そんなこと書いちまっていいのか!?」
そういった事から手紙を送ると言うのだがクロエに向かって真剣にウッドロウが口にした言葉に、クロエが絶句すると共にルークもたまらず叫ぶ。その発言に不穏な物を感じてしまう形で。
「・・・重ね重ねこのような事は言いたくはないが、もし仮に婚約の見直しが出来たとしても待ち構える展開というのはライマがクロエ君の身柄を引き受けるというのでなければ、クロエ君の祖国が取る手段はまた別の国の要人との婚約相手としてあてがうのならまだいい方で・・・最悪な展開として有り得るのが役目を果たせなかったことについての責任を問われる形で、何らかの処遇を受ける可能性が否定出来ない事だ」
「っ!!」
「こんなことを聞かせてしまったことについては済まない・・・だがそういった事を考えるとアッシュ君との結婚に至っても今のままなら上手くいくと思えないとしか言えない事もそうだが、仮に婚約をどうにかしてもそうなり得るというのなら私としてはクロエ君の事を放っておけるものではないと思ったから、そのように言わせてもらったんだ。私の立場ならクロエ君を引き受けるくらいは出来るからと」
「「「「っ・・・!」」」」
しかし更にウッドロウが続けた不穏な国についての話や自身の気持ちを含めた話に、クロエはショックの大きさに一瞬で顔を蒼白にした上で他のメンバーも顔を歪ませて否定が出来なかった。もしものクロエに待ち構える事のあまりの残酷さについてそんなことないと一概に否定出来ないというよう、少なからずクロエがどんな風にアッシュの婚約者にさせられたかを知っているだけに・・・


















・・・ただそれでもクロエの今後を思えばアッシュ達がどうにか変わらない限りは、婚約がこのまま続いてもろくな事にならないのは目に見えている。そういった風に考えればウッドロウが最悪何とかクロエの身の安全の為に動く事が出来ると考えれば、アッシュ達にアドリビトムの状態の改善の為にある程度何かやらなければならないということから、ウッドロウの話したようにするとなった。

尚エステルも自分ももしもの時はクロエの為に動くようにすると言ったが、そこについてはウッドロウに任せる事にしようで収まらせた。この辺りはウッドロウと違って色々あった上でアドリビトムに来ているから、権利の行使をし過ぎれば面倒な事になりかねない可能性があるからだ。

そんなエステルについてはさておきルークの手紙に同封したウッドロウの手紙を出してから数日後にライマからの手紙がアッシュ宛に届くのだが、その手紙は効果はあってアドリビトムの本拠地であるバンエルティア号の中ではアッシュは口数を減らし、クロエや周りに当たり散らすということはしないようになった。

この辺りはやはり非公式とは言えウッドロウから出された手紙の力は大きく、例えアドリビトムという気心の知れた者達で砕けた態度が許される場であっても、ウッドロウやエステルといった他国のこれからを担う者達を不快にさせているだろうこともだが、クロエの祖国についても言及されていたことからだ。クロエ個人について嫌われようがどうなろうが知ったことではないというように思っていたが、クロエの祖国が相手になってしまえば国交で最悪でいて致命的な事になったら流石にいけないと感じてしまったが為に。

だから一応はクロエに対して何か言うことだとか怒りをぶつけること自体は我慢するようになったのだが、その代わりと言っては何だが討伐系のクエストに主にアッシュは向かうようになって、そこにナタリアがほぼくっついていって後は大体ルーク以外のライマの面子が付いていく事が多くなった。明らかに感情を爆発させることが出来ない事から魔物にそれらをぶつける為に動いていると皆分かる形でだ。

ただ一応はアドリビトム内でアッシュが分かりやすくルークやクロエ関連で爆発することが劇的に少なくなったことから、他のメンバーからして一応は良かったというように見られた。ただ根本的な解決をしたわけではないから、一応という形である・・・









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