意地と真意の乖離と、気付けば遅い結末

「・・・この辺りで話をすることにしましょう。元々の目的はアッシュやナタリアに話を聞かれない為に外に出て話すことなのだし、こうして見晴らしのいいところなら誰かが下から来てもすぐに発見出来るでしょうしね」
「「「「・・・」」」」
・・・ルバーブ連山の入口から多少奥に進んだ拓けた場所にて。
先頭を歩いていたアドリビトムの代表であるアンジュが立ち止まってここでいいだろうと言うと、ルークにクロエにジェイドにウッドロウにリオンにエステルにフレンの七人が思い思いの表情・・・といっても明るい物はなく重い物を浮かべながら頷く。
「まぁまず何を話すかについてだけれど・・・まず率直に聞くけれどアッシュもそうだけれどナタリアをどうにかすることは出来ないの?」
「そこに関してはルークにクロエだけでなくあの二人を除くライマに所属する我々の総意としては、もうルークとナタリアにアッシュとクロエの婚約を破棄してアッシュとナタリアを婚約させるとインゴベルト陛下が言い渡したとしても、それで気が済んだとなる可能性は相当に低いどころか却って火に油を注ぎかねないと思います」
「・・・どうして?」
「アッシュからして自尊心を刺激するような事になるからです。これに関してはナタリアと結ばれたいという気持ち自体は強くあるというのは確かでしょうが、反面としてアッシュは自身が王族であるという自負にその役割を果たそうという義務感も持っています。そしてその結果として流石にこのまま婚約を続けていいのかというように陛下に公爵から機会の見直しについて話をされたのにも関わらず、アッシュは役割なら受け入れるから問題はないというように返したとのことですが・・・そんな彼がアドリビトムでの態度からそれが出来ないと判断されて命令を下されたなら、どうなると思いますか?」
「っ・・・ナタリアと結ばれることを単純に喜ぶなんて風にならないどころか、そんなに自分の事が信用ならないのかってナタリア以外の皆に当たり散らすようになると貴方達は危惧しているのね・・・」
「そういうことです・・・」
それでまず最初にというにはあまりにも核心とも言える事をアンジュが口にすると、ジェイドがそれはまず出来ることではないと返していった言葉に二人だけでなくルーク達も揃って何とも言えない顔を浮かばせるしかなかった。






・・・元々からして人と接する際に気安さだったり愛想のいい顔を見せる事のない上にルークとの喧嘩を度々してきたアッシュだが、それでもアドリビトムではルークやナタリア関連以外ではアッシュなりには気安い様子を浮かばせていた。この辺りはライマで王族として気の抜けない環境から離れるだったり、ウッドロウなどの他国の知り合いもいたことからアッシュとしては居心地の良さを感じていたからだった。

しかしクロエとアドリビトムで顔を合わせてからは一転してルークと対峙している時か、あるいはそれ以上に不機嫌さを露わにするようになった。俺に近付くなに話しかけるなとクロエを見付けた瞬間に言い出すのがほとんどで、そうしなくても愛想を見せること自体そこまでないのにあからさまに不機嫌になって口をつぐむというようになる形でだ。

そんなアッシュの様子にアドリビトムのメンバーは何とか取りなそうだとか気を落ち着けるようにというよう言っていった。クロエとの関係については皆聞いたのもあるがある程度察しのいい者達なら分かる事だったが、ナタリアとの望まれぬ恋を募らせてじれったい気持ちを抱えて悶々としているのが分かりはするが、それをクロエにぶつけることやその余波が自分達に来る事をどうにかしたいと思ってだ。

しかし結果は余計に火に油を注ぐとばかりにアッシュが激昂するということになり、今は出来る限りはルークもそうだがクロエはアッシュとナタリアと顔を合わせないような形を取れるよう、アドリビトムのメンバーが気遣って動いているのである。生活の中でだったりクエストを受けるといった場面でもそんなことにはさせないようにとだ。

ただやはりそんな状況についてを息苦しいと皆が思っていることから、アンジュが今のメンバーを呼び出してクエストを受けたから外出するという形で、アッシュとナタリアに聞かれないよう話をしようとなったのである。まぁライマの面々はアッシュとナタリア以外全員参列してもらいたかったというのがアンジュの本音だが、そうすれば何かしら悟られる可能性があったことからルークとジェイドが代表という形で出る事になったのだ。









.
5/26ページ
スキ