因果の形を変えても救えぬ物もある

「・・・まぁもういいでしょう。白蘭とやらの目的が何だったのかどころか本当に存在しているかすらも分かりませんが、あのガイを見る限りはもうこれ以降は彼をキムラスカ関連で信用することは出来ません。その事について帰ってちゃんと進めましょうか・・・」
それでジェイドはもうこれで考えることは終わりにしようと、自身も船室の方へと向かう。帰ってからのガイの扱いについてを厳しく行く旨を口にしながら・・・


















・・・それからグランコクマに戻ったジェイドにガイだが、少ししてガイはピオニーからジェイドに言われたような処置を取られることになり、その事に顔は不服そうにはしたものの決定自体は受け入れた。実際もしもの事が起きてしまうようなことを避けるには、これが最も穏便な解決策であると分かっていたからだ。

ただそれでもいきなりの予期せぬ何かがあれば面倒ということで、基本的にガイはグランコクマから離れたセントビナーに向かわされる事になった・・・これはもしもを避ける為にもセントビナーに基本はガイを押し込んで、そこから容易に動かさないようにするためであった。勿論というか表向きの名義は単なる配置換えとするようにだ。

だから基本的にガイはセントビナーやその周辺で活動することになるのだが、もうかつての仲間でたまに来訪してくれる面子はジェイド以外はティアとアニスの二人であったことから、特に問題無い物と見られることになった。アッシュとナタリアの二人はもう次代のキムラスカを担う二人としてアッシュが戻って来てから程無くして結婚する事になり、バチカルから出るような事は望まれなくなった為にだ。

だがその結婚の際にはガイも出席してほしいといった手紙が出される事になるのだが、そこはもうしばらく体調が良くないからゆっくりさせてほしいと手紙で断った上でジェイドがそう言って終わらせた・・・もう公爵に会わせない為にもバチカルどころかキムラスカに足を踏み入れさせること自体避けたいという考えによって、有無を言わせないようにさせたいということでだ。

そしてそれ以降は時々来訪してくるティアとアニスとは穏やかに交流はするものの、それが終わればガイは気持ちが沈みながら一人でうつむくしかなかった。自分でも処理しきれていなかった殺意を自覚した上でそれをもうどうしようもないと理解させられたから、後は出来ることはそれをただ事実を知る者以外には決して明かさず黙るしかないということを守り、以降もひたすらに押し殺す以外にないのだという現状に・・・









END









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