頂上同士の騒乱に図らず乱入せし焔

・・・そこから戦局はルークと黄猿、赤犬と黒ひげの戦いが激化する中で白ひげ海賊団の面々は着々と軍艦などに乗っていく。



「・・・オヤジが船に乗ったぞォ~~~ッ!!!出港するぞォ~、船に乗ってない奴は早く乗り込めェ~~~ッ!!!」
そんな中で戦っていたルーク達の耳に、白ひげが船に乗り込んだと言う団員の声が届いてくる。
「・・・‘氷河時代’!!!」
‘ガキィーン!’
「ムダだ!!!・・・フンッ!!!」
‘ボゴオォーン!!!’
「‘火拳’!!!」
‘ジュワァッ!’
「くっ・・・!!!」
その船を足止めしようと青キジは海を凍らせるが、具合を落ち着かせた白ひげの大気を壊す拳とエースの火拳が放たれたことにより、氷が砕かれ溶け落ちる様子を見て苦い顔をする。
「今の内だ、青キジの妨害だけならオヤジにエースの力でここを切り抜けられる!!!早く出航するぞォ~ッ!!!」
「・・・!!!もう少ししっかりせんかい、クザン・・・このままじゃあエースに麦わら達にまんまと逃げられてしまうじゃろうが!!!」
「ゼハハハ・・・流石に大将、そうすんなりとは行かしちゃくれねェ・・・!!!おれにとってもこのままオヤジ達に逃げられたら面倒なんだがな・・・」
その様子を高らかに声にする白ひげ海賊団の団員の声に赤犬は青キジに対しての愚痴を口にし、黒ひげは言葉とは裏腹に楽しそうに面倒と言う。



・・・赤犬と黒ひげの戦いは至って単純な戦いだった。始めに闇水で引き寄せられ攻撃された赤犬はギリギリの所でマグマの拳で反撃し、黒ひげはエースの火よりも熱いマグマの拳を受け続ける訳にはいかないとその身に浴びたマグマを飲み込む事で回避した。

そこから二人は互いの能力のまずさに気付き、間合いに気を使った攻撃の応酬をしていた。赤犬はけして黒ひげの攻撃を食らわないよう遠くから、黒ひげは早く赤犬を引き寄せ実体を掴もうと近くに行くような攻防のやり取り・・・黒ひげは時折赤犬の攻撃を喰らいはしたものの、マグマを自身の能力で飲み込み無効化していったため、互いにさして致命傷を負わず今に至っていた。



「いいぞ、この調子ならエース達は逃げれる・・・!!!」
「まずいねェ~・・・いい加減白ひげを追わなきゃクザン一人じゃ逃げられちまうよォ~」
一方ルークと黄猿も団員の声で一喜一憂していた。
・・・ルークと黄猿の戦いは黒ひげと赤犬の戦いと違い、バチバチの肉弾戦となっていた。何故かと言えば黄猿の攻撃の1つで遠距離を攻撃出来る‘八尺瓊勾玉’と言う光の玉を無数に飛ばす技があるのだが、始めに黄猿はそれを使い攻撃したが超振動の防御壁は消滅させられてもルークの肉体までは貫けなかったため、仕方なく黄猿は直にルークを攻撃するために接近戦で戦う事にした。しかしルークも接近戦の方が得意なタイプで、黄猿の攻撃にも負ける事なく対応した為互いに所々傷を負いつつ二人は戦っていた。
(後はどうやってここを脱出するか、だけど・・・まず黄猿はそんなこと簡単には許しちゃくれるわけねェよな・・・)
そうルークは喜びつつも自身について考える。目の前の黄猿の事を含めどうやってここから脱出するかを。
(・・・うわ、やべェな。そろそろ精神力が限界に来そうだ・・・精神力が限界?)
と、ふとルークは自身の頭が揺れる感覚を覚えたがそれは表面には出さずにそろそろキツいと考えるが、そこでルークはそれを逆手に取ったある案を思いつく。
(・・・時間がねェ、黄猿が食いつくかどうかは賭けだけどやるしかねェ・・・!!)
しかしその案は賭け以外の何物でもない、だがそれを熟考するには時間が無さすぎる。ルークはその判断を実行に移すと決めつつ・・・



「・・・くっ・・・!!!」
超振動の防御壁が解除され、ルークは辛そうに膝を地面につけてしまった。






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