因果の形を変えても救えぬ物もある

「まぁ二人に関してはそんなものですから簡単にマルクトやガルディオスの事を受け入れられるとは思いませんが、だからといって預言の中身についてを明かすことがいいことに繋がるとは限りません。むしろ混迷の事態を招く可能性は極めて高かったでしょうね」
「ど、どうしてだ・・・?」
「もしそれらを当時に発表したとするならまぁ信じられないといった声は当然上がるでしょう。ですがそんな声より問題になるのは」



「そんな預言が詠まれているのならいっそキムラスカとダアトを滅ぼしてしまおうと、両者を殲滅する為の戦争をするようにとの気運が爆発的に高まる可能性が極めて高くなることです」



「っ!?」
・・・そしてそんな流れに続けて預言の事実を明かした場合に殲滅の為の戦争に極めてなる可能性が高いとのジェイドの言葉に、ガイは顔色を青ざめさせながら絶句した。そこまでの規模になる可能性が高いのかと。
「これに関しては単純な話としてホドが崩落することを避けるために動くのではなく、むしろ預言に詠まれているからで行動されたマルクトの住民がどう思うのかという結果ですよ。勿論今言ったように信じられないという声は出ては来るでしょうが、それでもその預言が本当だというならホドは大陸まるごと消滅させられることを望まれた物であり・・・特にという形でホドの方々の怒りは収まらないでしょうから、預言の事を明かしたとしたなら停戦だとか終戦をキムラスカやダアトから持ち掛けたとしてもまずそういった人達の感情は収まらないのは目に見えています」
「そ、そうなったらどうなるっていうんだ・・・?」
「ピオニー陛下に穏健派がなんとか停戦や終戦しようとするだけでもかなり骨を折る事になるのは間違いないでしょうし、そう出来る可能性もそれだけ低い物になるでしょう。よしんばそれがうまくいったとしてもきっかけさえあれば、いつまた戦争になってもおかしくないくらいになっているでしょう・・・もうその時にはホドの方々やマルクトの過激派もそうですが、どちらかと言えばローレライ教団の信者の暴走の懸念によりです」
「ローレライ教団の信者の、暴走・・・?」
ジェイドはその反応にもあくまで冷静に特にホドの住民達が大きく関わってくると話していくが、その中で対となるとばかりにローレライ教団の信者と出したことにガイは眉を寄せる。
「教団の信者が何故という様子ですが、これもまた単純な話として預言の中身を受けてそんな預言など認めないだとか信じられないというような反応だったり、ならいっそマルクトの味方をしようというキムラスカやダアトの人間が出てくるのならいいですが・・・」



「最悪なのはむしろ預言通りにするためにホドは崩落させるべきだとホドを含めたマルクトという存在に対して、見境ない行動を取る集団が出て来かねない可能性が大いに有り得るんですよ。声高にそういった事を言うだけならまだ穏便な対処はしようがありますが、具体的にマルクトやホドに対して被害をもたらしかねないような行動をしてくるような存在がです」



「なっ!?」
・・・だがいかな事を教団の信者がしかねないかの最悪な方を語るジェイドの話に、ガイはたまらず絶句した。そんな事になりえるというかそんなことをローレライ教団の信者は起こすのかと。









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