頂上同士の騒乱に図らず乱入せし焔

「あれは、氷・・・!!?バカな、ヒエヒエの実は青キジさんが食べているはず・・・!!!」
「それだけじゃない!!!・・・さっきあの朱髪は白ひげとぶつかり合っていた時、凄まじい風を発生させておれ達を攻撃していた・・・それに白ひげを回復させたあの光・・・黒ひげじゃないが、あの朱髪は何の能力を使っているんだ・・・!!?」
守護氷槍陣で黒ひげが痛みにたまらず後ろに飛び退き、その様子を見ていた海軍達はルークの能力について改めて驚異を感じて会話を交わす。
「・・・行かせねェ、お前は白ひげのオッサン達の所には行かせねェ・・・!!」
「くっ・・・!!!」
そんな会話を辺りがする中でルークは覚悟のこもった瞳を浮かべゆっくりと黒ひげに近付いて行き、黒ひげは得体の知れない力に怯み後退する。
「ん~、わっし達を忘れちゃいないかい?」
「・・・うっ!!?」
‘ドゴッ!’
戦場の空気は完璧に二人の物、そんな雰囲気すら漂っていた所に黄猿はルークの横に瞬時に来て、周りに気をやっていなかったルークに光をまとわせたミドルキックを腹部に食らわせる。
‘ダンッ!ズザザザァッ!’
「・・・う、ぐ・・・くそっ、油断してた・・・周りにはまだ敵がいたんだ・・・!!!」
「わっしの蹴りをまともに受けてその程度のダメージかい・・・腹が立つねェ~・・・」
その蹴りを受けて多少距離を飛ばされ地面に擦り付けられるよう接地したルークは勢いが止まった後、腹を押さえながら苦々しくもすぐに立ち上がる。黄猿はその様子にいつものままの口調で腹が立つと言う。
「けどまァこれでお前にもわっしの攻撃が効くことは証明出来た。つまりお前を倒す事は不可能じゃないってことだねェ~」
しかしダメージを受けている事を確認した黄猿は心なし、にやついたようにルークを倒せる事を周りに示すようそう告げる。
「・・・それはお互い様じゃねェか?アンタのズボンの膝辺り、破れてんぞ・・・!!」
「ん~・・・?!・・・あ~確かに、これはマズイかもねェ~・・・」
だがルークも負けじと黄猿が蹴りを放った足を指差し、暗に自分もお前を倒せるという裏返しの言葉を返し黄猿にそう認識させる。



(・・・多分黄猿の光と俺の超振動は互いにとって最悪の相性だ。赤犬の攻撃は超振動を展開したまま防げたのに、黄猿がルフィ達を狙った時に超振動が消えたのは互いに光同士で共鳴して壊しあったからだと思う・・・その考え通りだったら超振動の壁を光で共鳴した黄猿の攻撃は超振動を壊して、同じように悪魔の実を食べてるだろう黄猿の光の体を無効化して超振動は服を傷付けたんだ・・・!!)
・・・超振動は光、黄猿の体も光。互いにその光を消滅させることが出来るなら、後に残るのは互いの生身の肉体のみ。
黄猿と自分の状態からルークは自身の中で頼りないがそれを理屈付ける為の仮説を自身の中で組み上げ、そう相手にも突き付けた。
(多分まだ赤犬や青キジが相手なら超振動も消滅せずに戦えるんだろうけど・・・)
「ん~、仕方ないねェ・・・サカズキ、お前は黒ひげを相手にしなよ。わっしはこっちの朱髪を相手にするからねェ」
「・・・やむを得んのゥ。クザン、お前は白ひげを追え。意地でも逃がすんじゃァないぞ」
「わかってる」
(・・・そう上手くはいかないよな)
そしてその仮説から残りの大将二人ならまだやりようがあると感じていたが、効果的な組み合わせで戦うのは戦術において当然の事。大将3人が各々の役割分担をしてからその通りに青キジが白ひげ達に向かう姿を見て、ルークはやっぱりと内心で感じて内心で笑っていた。
(けどこれでオッサン達への追撃の手は大分緩くなった、これなら無事に逃げれるかな・・・!!)
・・・端から見ていても絶望的な状況、それでも心の中で笑えたのは白ひげ達を助けられる状況を作れている。そう感じれていた事がルークにとっても救いだった。










18/24ページ
スキ