「・・・まぁ今言ったようにナタリア当人に言った所でそんなつもりはなかったと言うでしょうし、仮に結婚式の事が二人の思うように認めるみたいな流れになったとしたなら、後でルークにさも自分もこういう選択肢を取りたくはなかったけど、それでもアッシュの事が好きだったからこうせざるを得ませんでした・・・というように涙ながらに自分も辛かったといったように言っていたでしょう。ですがそうされたらルークが取れるリアクションなどそこで決まった話の中身にもよるでしょうが、それでもルークは二人が結ばれるならどうしようもないと折れるしかなかったと思われます」
「・・・だろうな。前にここにいた頃なら考えなかっただろうが、あのお姫様は確実にそうするとしか思えないわ。それでそうしてアッシュが調子に乗ってまた一層ギャーギャー絡むのを見ても、結局また同じように何もせず悲しむだけで済ませるだろうってのもな」
「っ・・・ナタリアの為にもそんなことしないって言いたいんですけど、ちょっと否定出来ないとしか今は言えません・・・」
「・・・エステルがそう言うしかないって辺り、この場にいる皆同じように思っちゃったって事なんでしょうね・・・」
ただと注釈をつけて話すジェイドにユーリも同意するが、エステルが辛そうながらもナタリアを庇えないという姿にアンジュも何とも言いがたげに目を伏せる。自分も同じようなものだというよう。
「・・・なぁ旦那。今の話に関してはどうするんだ？」
「・・・アッシュやナタリアには聞かせないようにと念押しをした上で、届く頃には国王陛下となられるだろうピオニー陛下に手紙を送るくらいにしておきます。もうライマはどのように今後やっていくのかについてを人々に対して説明するための話を煮詰めている段階でしょうから、今の話をあの二人に聞かせた所でナタリアは違うのですと泣いてアッシュは私達含めてルークも元の場所に戻せと、それらについてナタリアはそんな風じゃないと怒りをぶつけようとしたいと思うことでしょう・・・ですがそんなことしたところで溜飲が下がるのはアッシュばかりになって、アッシュに強く出られないナタリアはただ一層自分にはそんなつもりはなかったとさめざめ悲しむばかりなのは目に見えていますからね」
「だから何も言わずに済ませようってことか・・・」
「えぇ。ですからもうこの問題に関してはここだけの話にして終わらせましょう。下手にあの二人に今の話が伝われば面倒になるのは目に見えていますし、仮に個人的にあの二人の為と思って今回の話の中身だったりを伝えるだとか伝えてほしいなんて言われてもそうするのは止めてください。ライマで騒ぎが起こるだろうことは確実に目に見えていますし、そうなったら私達に責任が生じて本国に送還といったことになりかねませんからね」
「「「「っ・・・」」」」
そんな中でガイが静かに確認するようにどうするのかと問い掛けるのだが、二人に話が通らないようにと言いつつもし通った場合の事をジェイドが口にすると、ガイだけでなく他の面々も息を呑んで黙るしか出来なかった。ガイはガイで下手な行動が出来ないという考えになったが、周りも下手にお節介しようとすればジェイド達が危険になりかねないという事を聞いてしまって。
「・・・すみませんが皆さん、もうルーク達の事に関してはここまでにしてください。どうにか解決を願いたいと思う方もおられるかもしれませんが、もうライマの上層部やルークの意向に関しては固まっている上で最低でもこの問題をどうしても解決したいと言うのなら、ナタリアがアッシュに対してルーク関連で強く庇うように前に出れるようにならなければ無理でしょうが・・・それが無理だったからこその今なのであって、もうライマの上層部の面々も二人の事を手放しで信頼などしないでしょうし、アドリビトムに来れるように自由に行動などさせないのは目に見えています。なのでこの事は終わったことだと認知してください。そうでなければルークが一層辛い事になるだけだと思われますから・・・」
「「「「・・・」」」」
そうしてジェイドはこれで話をもう終わらせてほしいとルークの事も出す形で願い、一同は反対の言葉など出ずに重い空気で黙るしかなかった。ルーク達の問題を解決をしたいという気持ちはあっても、現実的に見てかなりどころではなく難しいと言わざるを得ない事を重々理解した為に・・・









.