頂上同士の騒乱に図らず乱入せし焔

「正直ここまで戦況を変えられるとは思っていなかった・・・やるじゃねェか、小僧!!!だがテメェのせいでオヤジの首を取るには少し面倒な位置になっちまった・・・それにテメェを倒さなきゃオヤジのとこまで行けそうにねェからな・・・すぐに片付けさせてもらうぜ!!小僧!!!」
「っ・・・やれるもんならやってみろ・・・!!!」
黒ひげはルークを称賛しつつも自身の目的の為に排除すると言い、ルークは黒ひげに盛大に啖呵を切ると白ひげの方に向き直る。
「っつー訳だ!!!オッサン達は早く軍艦に乗ってここから行ってくれ!!!!」
「「「「!!?」」」」
「小僧、テメェ!!!何を言ってやがる!!?」
そのルークから出てきた言葉は白ひげの言葉を少し変えただけの、海軍とプラスアルファされた黒ひげ海賊団のいる場所への残留宣言。白ひげ海賊団の面々が驚愕する中で白ひげが怒りを浮かべ叫ぶが、ルークは気にしない。
「コイツの狙いはオッサンだ!!!一対一の戦いでコイツと戦うだけなら俺にはそれを止める理由はないけど、今ここにはまだ海軍がいっぱいいる!!そんな状況で今崩れ落ちたオッサンを戦わせる訳にはいかねーだろうが!!!」
「だからテメェがそこに残るって言うのか!!?」
「そうだよ!!!それに俺はエース達をオッサンと一緒に逃がしてェ・・・だから俺は戦う!!!戦って生き残って、オッサン達に会いに行く!!!!だからオッサン、オッサンも今はエース達と一緒に行ってくれ!!!頼む!!!!」
「・・・っ!!」
・・・ルークの叫びは矛盾に満ちていると、白ひげはその声から感じていた。死なないと言いつつも、死を覚悟している・・・そんな気持ちが伺えるだけに。
(・・・コイツはもう覚悟している、最悪自身が死ぬ展開を・・・だが生きることは微塵も諦めちゃいねェ・・・ならおれは・・・)
「・・・わかった!!!死ぬんじゃねェぞ、小僧!!!!」
「あぁ!!!」
その気持ちを確かに掬い取った白ひげが出した結論はその意志を無駄にしないよう、早く撤退すること。ルークの望みの通り撤退すると叫ぶと、力強い了承の声を背に受けつつ白ひげは軍艦の方へと向かい出す。
「ゼハハハハハハ!!!随分泣かせることをしてくれるじゃねェか、小僧!!オヤジを逃がす為に自ら犠牲になるとはな!!!」
そのやり取りを見てタイミングを計ったよう黒ひげは高笑いをしながら処刑台から一味全員で飛び、広場に降り立つ。
「だがおれの前じゃ全てが無意味だ、悪魔の実の能力はな!!!‘闇穴道(ブラック・ホール)’!!!」
「なっ!!?なんだよ、この黒いの!!?」
そしてその勢いそのままに黒ひげは手を地面につけると自身のヤミヤミの実の能力を発動させ、辺り一面の地面を闇に変えルークの足を闇に引きずり込む。
「ゼハハハ!!!その能力はちと惜しいがな・・・片付けさせてもらうぜ!!‘闇水’!!!」
動揺し動きの止まるルークに黒ひげは手をルークにかざし、宙に渦状の闇を発生させルークを引き寄せる。
「・・・グァッ!!?何、ィ・・・!!?」
だが余裕を持ってルークを捕まえようと手を広げていた黒ひげは超振動の光に触れた瞬間手を引き、動揺しながらルークを見据える。
「小僧・・・悪魔の実の能力者じゃねェのか・・・!!?」
・・・ヤミヤミの実の能力は全ての悪魔の実の能力者の能力を全て効果なく引寄せ、能力者の力を無効化させる力がある。‘闇水’はその為の技・・・なのにルークは光を無効化されず、そのまま形を留めた。覇気とは明らかに違う事は知っている為に悪魔の実の能力だと黒ひげは考えていたのだが、それを真っ向から否定された現実に驚愕を隠せなかった。



(悪魔の実の能力、か・・・多分名前からして考えると、ルフィや大将達みたいな能力を持った人間はその実辺りを食ってあんな力を得たんだろうな・・・)
そんな黒ひげと相対するルークは黒ひげの言葉に落ち着きを取り戻しつつも、今までこの世界に来てから見た異能の数々は悪魔の実とやらのおかげなのだろうと考える。
(つっても俺にコイツの言葉に答える義理はねェ・・・コイツは敵なんだからな!!!)
「・・・なんで一々そんなこと言わなきゃなんねーんだよ!!!守護氷槍陣!!!」
「ぐァッ!!!」
しかしだからと言って敵である黒ひげに正直に自身の能力を明かさなければいけない理由はどこにもない。ルークはその想いも含めつつ、昔はFOFがなければ使えなかった守護氷槍陣をローレライの鍵の助けの力を持って自身の周りに氷の槍を発生させ、黒ひげを攻撃してその体の至るところを突き刺す。












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