愛は免罪符たり得ない

「だからそういったことが気に食わなければライマを去れと申したのだ。そなたらが玉座にいずれつく可能性を残したが、そんなことすらもルークがやったことならと否定するなら、もう我々としてはそなたをライマに残すつもりにはならん・・・一応本当にライマが抜き差しならない状態になった時にはルークの王位継承権を復活させてライマに戻ってもらうことは了承はしてもらっているが、そなたがそう言うというならそうすればいい。ただしそうすると言うならルークと違いあまりにも勝手が過ぎるということから王位継承権の復活及び、ライマに帰ってもらうという措置に関してはそなたには願わんがな」
「「っ!!」」
故にこそそんなことをルークからされたのが不満なら去れ・・・そうアッシュが選んだ場合についてのシチュエーションも併せて厳しい口調で話していくインゴベルトに、二人は愕然とするしかなかった。インゴベルトが本気であることもそうだが、どちらを選んでも不満が残らない決着とは決してならない選択肢だったことに・・・


















・・・そうしてインゴベルトが実際にどうするかと尋ねたのだが、二人共とても答えられるような状態で無かったことからピオニーに玉座を譲ると発表する前日に呼び出すからどうするか考えてこいと言い渡し、憔悴する二人を部屋から追い出した。



「・・・ふぅ」
「流石にキツかったか?あの二人というか、ナタリアを悲しませるような事は」
「もう覚悟していたことだ。別にそういったことで溜息をついたのではない・・・あの二人に対して呆れざるを得なかっただけだ。アッシュもアッシュでまだあんな様子だったこともだが、ナタリアも成長というかルークに対して割り切った考えが出来なかったことに対してな」
「単純に二人からしたら自分達が結ばれたらルークが多少不憫になるくらいで、俺達含めた他の面子は最終的にこれが正着点だというように納得してくれるというか、そうさせてみせるとでも思っていたからあぁなったんだろう。だが結果はあれで、ルークに対しての気持ちになんか整理がつかなかったからこそどうしていいか分からないというようにな」
「・・・もういっそルークの事は放って置くという選択肢を取ってくれた方がこちらとしてもありがたいのもだが、あの二人としても楽になると思うのだがな・・・」
・・・そうしてインゴベルトが一息ついたのを皮切りに二人は年齢差や今の立場があるにも関わらず対等に話し出すが、インゴベルトは本当に疲れたというよう首を横に振る。
「まぁそこについちゃそもそも俺はルークとアッシュとナタリアの関係について、前々からアッシュとナタリアの二人をくっつけ直した方がいいと思っちゃいた。まぁそんなことを思いはしても話の中で出てはいたが、当時の俺がそう言った所であんたらが話を聞いてくれはしなかっただろうがな」
「それは確かだっただろうが、そこに輪をかけてわしはそんなことは出来る筈はないと当時は言っていただろう・・・今となって言えることとしてナタリアがライマの女王という立場に立てなくなる事を拒否していだろう。ルークが立場的に次の王位に就くのは確実だったからこそ、その相手はナタリアでなければならないとな・・・だが今となっては十年の我慢が前提となったとは言え、地位云々を抜きにアッシュと婚約させることもだが二人にルークに対する態度を改めさせる教育を施すべきだと感じるよ・・・」
更にピオニーが改めてルーク達の関係について思っていたことを話すと、インゴベルトも今となってはと後悔を口にしていく。関係もそうだが二人に対してをちゃんと教え込むべきだったのだと。









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