愛は免罪符たり得ない

「・・・話を戻すが、流石に俺や陛下達もそれは暴論ではないかというようにそういった奴らに言いはした。だが奴らの狙いとしては陛下達をどうにか辞めさせないためにも責任の分散をさせて、そこまでには行かせないようにしたいという考えが目に見えていた。だから埒が明かないと見た俺に陛下と公爵は三人でルークとどうするのかと話し合ったが、そうして話し合った結果として今言った三つのようなことになったんだ。主にルークの気持ちを聞いたことからな」
「ル、ルークの気持ちを聞いたからとは・・・だからお父様達は退位などを考えたと・・・!?」



「それは違う。ルークから出てきたのはもうお前達と一緒にいることは出来ないという言葉だ」



「「っ!?」」
・・・だがそれで話が続く中でルークが何を言ったのかについてをピオニーがあっさりと口にしたことに、絶句しかけていたナタリアもだがアッシュも予想していなかった答えに際して目を見開いて静止してしまった。
「・・・これに関してはもう完全にお前らのやったことが原因だ。何せルークからすればあの結婚式でお前らに様々な意味で裏切られたんだからな。そして俺達もそれらの話を受けた上で二人の退位などに反対する面々へ向けたことも含め、さっき言ったようなことにすると決めたんだ。それがルークの為になるというのもあってな」
「わ、私達がルークを裏切った・・・!?」
「・・・また自分達は何もしていないみたいなリアクションを取っているが、そもそもお前らが結婚式で何をしたのかを分かっていないのか?あれはその当時のお前らからすれば純愛を貫いたが故の結果の行動であると言いたいのかもしれんが、ルークからすれば役目だからとは言え受け入れて行う筈だった結婚式を全てグチャグチャにされたんだ・・・お前らの勝手で国の為にも我慢しようとしていたルークの覚悟も全て踏みにじる形でな」
「「っ!?」」
ピオニーはそんな反応に盛大に呆れたというように漏らすが、この期に及んで自分達がそんなことをしてないというようなしっくり来ないといった反応のナタリアに、こういうことだと告げるとアッシュ共々ハッとした様子を浮かばせたが・・・アッシュはすぐにキッとピオニーに鋭い視線を向ける。
「覚悟だと!?あんな屑がなんの覚悟をしていたというのだ!」
「なら聞くが、お前らはルークから結婚に際しての不平不満もだがそれを表すような行動だとか発言を聞いたか?」
「「・・・え?」」
それでそのままアッシュはそんな筈などないというようにルークを罵倒するように言うが、即座にこんなことはあったのかとピオニーから返されまたナタリア共々キョトンとしたような声を漏らす。
「・・・俺達はルークに話を聞いた際に、ルーク自身もお前らのそれまでの関係については少なからず知っていただろうこともあり、ルークも内心は不満があったんじゃないかということもだが、アッシュとの関係を考えれば可能性は低いだろうがルークと示し合わせた上での行動ではないかということについてを聞いた・・・だがそこでルークから出てきたのは勿論お前達と示し合わせた行動じゃないというのもそうだが、ルークとしてはもう色々と覚悟というか諦めていたとのことだった。俺とナタリアが結婚するよりアッシュとナタリアが結婚するべきなんじゃないかとは思ってはいたけど、父上達は二人の事を聞いてはいるだろうに何もそうしようとしないこともだが、何よりお前らが父上達だとかに実際に嫌だみたいなことを上奏しない事に関してを見て、自分だけがそんなことを言い続けても何にもならないし二人のように受け入れなきゃならないんだ・・・と思うようになったとな。分かるか?つまりはルークはお前らの態度を見て自分がどうするべきかと考えて決めたんだ。お前らはもう婚約の事だとかを受け入れてるんだから、もう自分もライマの為とは言わずとも余計な波を立てないようにとな。そこに不平不満はあったにしても、お前達のような形で表していない・・・むしろお前達はもう受け入れていると見ていたルークの気持ちをお前達自身が踏みにじるよう、最低最悪な形で裏切ったんだよ。本来自分がナタリアからしたら望まれる相手ではないと知りつつも、それを覆すようなことはしないで終わらせようとしたルークの気持ちをな」
「「っ!?」」
・・・だが続けてピオニーが口にしていったルークの気持ちだったり考えについてもだが、それらと真逆なアッシュ達の行動についてに二人は顔面蒼白といった様子に変わってしまった。その言葉が正しいのであればルークが自分達ならやれることだと思い自分も我慢しようという考えを持っていたのに、先程までに話されていた事が盛大に効いているのもあるがそれらを裏切ったのだとなるために。










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