頂上同士の騒乱に図らず乱入せし焔

「ゼハハハハハハ!!!久しいな!!!・・・無事にエースを助けられてよかったじゃねェか!!!オヤジィ!!!」
「ティーチ・・・!!!」
・・・そこにいたのは‘マーシャル・D・ティーチ’率いる通称‘黒ひげ海賊団’の面々。
処刑台の上から高笑いをしながら一同を見下ろす黒ひげに対し、白ひげは遠く軍艦の近くから睨み付ける。



「ティーチ、あの野郎・・・!!!」
「待ちなさい、エースさん!!!今からあの戦場に戻るつもりか!!?それではあの朱髪の子の意志も無駄になるし、広場はオヤジさんの一撃で分断されておる!!!・・・今は無念じゃがヤツはほうっておき、この場から撤退するしかない!!」
その光景に船に乗っていたエースは黒ひげに敵意を向けながら立ち向かおうとするが、ジンベエがその前に立ち塞がり首を横に振る。
「そんな・・・!!!アイツを見捨てろって言うのかよ、ジンベエ!!!?」
「ならば!!!あの子と違い大将ともまともに戦えんお主が行けば、状況は変わると言うのか!!?エースさんにしたって既に黒ひげに破れておる・・・!!!あの戦場に行けばそれこそ、無駄死にするだけじゃ・・・ルフィ君も、エースさんも!!!・・・そんな事態を引き起こしてもらう為に、あの子は君達を助けてあのような事になったんじゃないんじゃぞ!!!」
「ジンベエ・・・・・・ウァァァァァァッ・・・!!!!クソッ、クソォォォォォォ・・・ッ!!!!」
‘バキッ!’
すると今度はルフィがジンベエの服を掴み助けに行かないのかと非難するが、ジンベエからルークの戦力にお前はならないだろうというジンベエ自身にも心に痛すぎる事実を突き付けられ、ルフィはルークの意志もあり死ねない事からやり場のない感情を絶叫しながら床を殴り付けてぶつける。



「何が・・・海賊王になる、だ・・・!!!おれは!!!!弱いっ!!!!」



「ルフィ・・・!!」
・・・遠いが目の前にいるルークはエースを助けてくれる手助けをしてくれた事を差し引いても、ルフィはこの戦いの中でルークの事を仲間達に比べても遜色ない程に好きになっていた。だが今のルークは状況1つで死に至る可能性が非常に高いのに、そんな場に助けに入ることも出来ない・・・全てが自分の非力さ故に。更に言うなら仲間を助けられなかったという苦く、辛い思いは既にシャボンデイ諸島にてルフィは経験している。その経験が一瞬でルフィの脳内にオーバーラップして、自身の弱さを一瞬で身にしませる要因となった。
・・・自身が弱いから手出しが出来ず、ただ歯を噛む以外に出来ない。地面に頭を下げながら涙を流すルフィの声に、エースも悔しさを隠す事など出来ずただ顔を背け歯噛みする。









(なんか、ヤバそうだな・・・アイツら・・・!!!)
そして一方ルークはそんな黒ひげ達を見ながら、明らかにただ者ではないと感じていた。
(長引くと俺もだけど、ルフィ達もまずいな・・・クッソ、死にたくないけど死ぬ事を覚悟して戦わなきゃルフィ達を逃がせない、か・・・)
既に今の状況でもピンチには違いない、だから生きたいと思う事は忘れずとも死ぬ事も考えた上でルフィ達を逃がす為の行動をしなければならない。そう思いながらルークは場の会話に注意を傾ける。



「そいつらの解放が目的だったのか!!」
「ゼハハハハ、そうとも!!初めからそれだけだ、そしてこれが全て!!今にわかる!!」
「・・・・・・・・・!!!」
‘七武海’に名乗りを上げた理由に、センゴクは怒りと苦々しげな物を混ぜた表情で黒ひげを見据える。
「ティーチィ・・・ッ!!!?・・・ガフッ!!ウウッ・・・!!!クソッタレ・・・!!!」
「「「「オヤジィ!!?」」」」
「なっ!!?」
そんな時に白ひげは独特の構えから拳を繰り出し、地震を起こそうとした・・・だが突然白ひげは口から血を吐き、苦しそうに膝をつく。その光景に白ひげ海賊団の面々は一気に凍りつき、ルークも驚きを浮かべる。
「ゼハハハハハハ!!寄る年波には勝てなかったようだな、オヤジィ!!!おれはアンタを心より尊敬し・・・憧れてたが・・・アンタは老いた!!ましてやアンタの事だからそんな自分の体をいたわりもせず、酒をガブガブ飲んでやがっただろう!!?それはそうなるだろうなァ、当然!!!」
「てめェ・・・!!」
その光景に一層高笑いをしながら白ひげの異変の理由を高らかにのべあげ、白ひげは否定せずに膝だちの状態でただ黒ひげを見上げる。
「・・・ただおれの予想じゃ白ひげ海賊団は海軍に勝てず、後1歩でオヤジが死ぬってとこで登場しようかと考えてたんだがなァ・・・」
「・・・っ!!」
そこから黒ひげはいやらしい笑みをルークに向け、ルークは冷や汗混じりににらみ返す。










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