崩壊の後の混同して再生した世界 二冊目

シンク「まぁそうやって言ってくれるのはいいんだけど、これからあんたはどうするのさローレライ?」

ローレライ『それに関してはトロワ達に頼んでオールドラント領に連れていってもらった後、自力で音譜帯に行くことにしている。トロワ達には申し訳無いが、ここからオールドラント領に行くには少し遠すぎるのでな』

ルーク「・・・お前らがそうする必要って言うか、報酬はあるのか?」

カトル「一応向こうのガルド通貨をもらってるから大丈夫ですよ」

トロワ「それにローレライが音譜帯に行くというのはオールドラント領にいる者からしても、重大な意味を持つ。今回の話に照らし合わせればローレライが音譜帯に昇る事でもう預言復活に望みを繋ぐことが出来なくなるという意味がな」

シンク「あぁ、まぁ確かに必要と言えば必要か。ちゃんと諦めてもらうって意味じゃあね」

ルーク「でもそんなにお前の中で音譜帯に行く必要って言うか意味あんのか?音譜帯に行ったらどうにか地上に引きずり下ろそうとする奴らの目に止まって、危険なんじゃねーかってふと思ったんだけどよ・・・」

ローレライ『・・・端から見ればそう思うだろうな。だが我もいつかは他の意識集合体と共に音譜帯の一部になることを思い、地核の中で待ち続けてきたのだ・・・それが使命だと思うと同時に、我の念願でもあった。この思いはもう理屈ではないのだ』

ルーク「あ~、悪かった・・・そこまで言うんならもうこれ以上は言わねぇよ。俺もそんな是が非でも反対するためにんなこと言った訳じゃねぇしよ。まぁ無事に音譜帯にいれるようにとくらいは思わせてもらうさ」

ローレライ『あぁ、我もそなたらがこれからも無事に生きていけることを祈らせてもらおう・・・預言にも世界に縛られず、自由に生きていけるようにな』

シンク「ま、その言葉はありがたく受け取っておくよ」












(その日の夜のギルドの一室)

ルーク「・・・あの後さっさとローレライは二人に連れられてオールドラント領に戻ったけど、これでようやく何つーか本当の意味で一段落した感じがすんな」

シンク「気持ちは分かるよ。ヴァン達が死んだって聞いた時にこれで終わりって思ったけど、あぁやってローレライに直に会って音譜帯に行くって聞いた後だとこれで本当にオールドラントの一連の流れが終わったんだなって感じたよ」

ルーク「・・・ローレライの事を利用しようって奴はこれから現れると思うか?オールドラント領に」

シンク「さぁ、どうだろうね。他の意識集合体と共に音譜帯の一部にって言ってたから、遠くから見える感じだと石のようなものにしか見えなかったし・・・何となく音譜帯に行ってももう譜石のような形になって、会話の出来なくなったローレライを前に諦めるとかって感じになるんじゃない?ローレライ自身も変に絡まれるのを避けたいだろうし、今更利用されるのを覚悟で地上に戻りたくなんかないだろうしさ」

ルーク「成程ねぇ・・・となりゃ後はもうどうなっても預言の復活なんか出来ないって諦めがつくって訳か、まだ預言に希望を持ってた奴らのよ」

シンク「どっちかと言うと諦めってより、絶望に叩きのめされるってのが正しいだろうね・・・まぁ僕らにはもう関係無いし、いい加減そう言った奴らは現実を見るべき機会だろ。自分の判断で物事を考えるようにするためのね」

ルーク「だな。つーか預言の言うことだけ聞いて生きるような事をする方が逆に不健康って言うか、心身に良くない気はするけどな」

シンク「それは僕も思うよ。今となっちゃ良くも悪くもね」

軽くシンクはルークに対して頷く。預言にこだわってばかりの方が面倒だと。









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