崩壊の後の混同して再生した世界 二冊目

・・・普段にはない農作業の依頼をこなしたルーク達は、そのすぐ後に別の依頼に向かった。






(荒野部において、荒くれ達の死体が転がっている)

シンク「全く・・・こういう奴らはキリがなく出てくるね、本当。と言うか少しは懲りるというか、まともに働いてほしいんだけどね。人から奪ってばかりの殺してばかりで、そんなことするからこうやって討伐の依頼が出されるって言うのにさ」

ケンシロウ「言っても無駄だ、シンク・・・こういった奴らは今日より明日など見ていない。ただ今を自分の為だけにしか生きようとしていない獣そのもののような存在だ」

ルーク「獣か・・・まぁ獣が畑を耕したり生き物を育てるような事なんかしねぇのは確かだけど、知恵を使う分こいつらの方が十分厄介だよ。缶詰は開けられるわ武器は普通に使ってくるわだしよ。オマケに自分勝手に散々やってきといて、いざ人じゃなく自分が被害に不利益を被るって事態になりゃ改心するだなんだって都合のいい言葉でもなんでも使って逃げようとする・・・また好き勝手生きるためにその場限りの嘘をついてな」

ケンシロウ「・・・そういう輩は嫌いか?」

ルーク「気分は良くはねぇけど、自分も一歩間違ってたらこいつらみたいになってたかって思うとあんまり他人事でもねぇとも思うんだよ・・・誇りってヤツが生きる上で必要かどうかって考えると、それは人それぞれなんだろうとは思う。こいつらはそんなもん腹の足しにもならねぇっていうタイプだろうけど、そういった物が大事でそれで強いってタイプもいる・・・俺はシンクに助けられたのもあってそういった誇りってヤツを捨てずにはいられたけど、こいつらみたいにその時に生きていて何もかもが楽しいならそれでいいって思うように俺ももしかしたらなっていたかと思うとな・・・」

ケンシロウ「・・・成程・・・」

ルーク「ま、だからって今となっちゃこいつらに同情なんかする気はしねぇけどな。こんな世界になる前もこんなことしてたんだろうけど、こんな世界になってからも人を襲ったりして被害や迷惑行為を散々してきてんだ。自分が変わることなく奪っていくって形でな・・・ま、こういった奴らは死んでも変わらないってタイプだろうけどよ。何を言われたってやりたいようにしか動けないって形でな」

ケンシロウ「だろうな・・・」

シンク「あぁ、アーカードが来たよ二人とも」

アーカード「やぁ、三人とも。こいつらのアジトは壊滅させてきたぞ。ここにいる死体どもも合わせればこいつらのグループは壊滅したと見ていい」

シンク「よく分かるね、アーカード」

アーカード「フッ、奴らの血を吸って記憶していることも読み取ったからな。大方このくらいの人数とは把握しているさ」

シンク「大方?何で正確じゃないのさ?」

アーカード「こいつらは同じような考えを持つ者、もしくはある程度腕の立つ者を自分達のグループに引き入れていたのだよ。荒野を動く人間かもしくは魔物を狩るため、数に物を言わせた戦いを行うためにな。だからその最中でメンバーが増えていっていたのもあり、誰もがメンバーの正確な数は知らんとの事だ」

ルーク「成程ねぇ・・・効率的って言えば効率的って言えるんだろうけど、なんでこういう奴らってそんなことに関しては潰しあわずに協力しあうんだよ・・・こういう奴らほどそうなるんじゃねぇかって思うんだけどよ」

シンク「こういう奴らだからこそだよ。こういった奴らは欲望の為にこそは動くけど、割に合わない・・・言ってしまえば命を失ってまでとかそう言った気概のある行動にまではでないのさ。自分が生きるためなのに命を失えば本末転倒もいいとこだからね。だからこそ似た者同士で分かりあって敵になるより、味方で一緒にいた方が実入りが多いかどうかはともかくとしても団体でいられることの恩恵ってヤツを得ることの方を優先した結果だと僕は思うよ」

ルーク「うわ・・・単純じゃあるけど、めっちゃイヤだなそれ・・・」

シンクの推測に何とも言いがたそうな顔を浮かべるルーク・・・悪党同士が手を組むその理由が利己的でいて、あまりにもこすいものな為に。









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