頂上同士の騒乱に図らず乱入せし焔

(・・・生きることが戦いなら誰かを生かすことも戦いだろう、小僧・・・ならおれもお前を助けてやる、それがエースにおれを助けたお前に対するおれからの礼だ・・・!!!)
・・・白ひげは軍艦に向かう最中自らだけでなく、自らの家族までもが助けられているという現実をルークに見せられながらもルークに報いる事を考えていた。



(くっそ、きちィ・・・せめてオレンジグミでも食えれば少しはマシなんだけど、赤犬は全然そんな暇与えてくれねぇ・・・!!!)
・・・赤犬はルークと戦いながらも、けしてルークの攻撃を食らわないよう間合いに気をつけながら戦っていた。だがけして攻撃の手を緩める事はなく、確実に攻撃をしつつ・・・悪魔の実の能力だけでなくそう言った丁寧な戦いの為の判断力もある赤犬の戦いにルークは近づいて決定打を打つことが出来ず、どんどんと精神力を消耗していった。
‘ボゴゴゴオン!!’
「!!?なんだ!!?」」
「・・・「海軍本部」が・・・おんどれぇ、‘白ひげ’ェエ・・・!!!」
すると突然戦場全体に響き渡る轟音が鳴り響き、二人は戦いの手を一時止める。その音は海軍本部が軍艦の近くに行った白ひげが自身の拳を地に叩き込み地面を裂きながらもぶち壊した物で、その姿に赤犬は再び激昂した顔で歯噛みする。
「マルコ、ジョズ、小僧!!!こっちに向かって飛べェ!!!!」
「な、何を・・・って裂けた地面に拳!!?」
‘ドゴン、バキバキバキ!!’
その姿に注目が集まる中、白ひげは大気にヒビを入れる拳をその裂け目に放つとルークに飛ぶよう指示を出す。その意図を理解出来なかっただったが、ルークはその数瞬後に白ひげの行動が何かを理解した。
‘ビキビキビキ!!’
「地面にまた裂け目!!?・・・こういうことかよ!!!」
・・・大きな音と共に自身の足元がどんどんと崩れていく、それも海軍と白ひげ海賊団の人間を両断出来る程の深い溝を作れる程に。その様子に白ひげの言葉の意味を瞬時に理解したルークは大地の裂け目に呑まれないよう、助走をつけて足場がある内に飛ぼうとする・・・
‘ダァン!!’
「なっ!!?足場が撃たれた!!?」
・・・だが崩れ落ち行く足場を飛び渡ろうとした時、背後から足元の岩が撃たれルークは一瞬戸惑い立ち止まる。
‘ガラガラガラ!!’
「やべぇ、この距離じゃ向こうまでは・・・行けねぇ!!!」
・・・その時間は本格的に崩れて足場を駆け抜けるには致命的なタイムロスになったとルークは理解した。
「・・・くそォォォ!!!」
だが向こうに行けない事実で絶望に悲嘆するより、今は生き残る為に行動すること。ルークは叫びながらも海軍側へと戻り、裂け目に呑まれる事を避ける。



‘ガラガラガラ・・・ザパァァン’
・・・そして白ひげの起こした地震により、広場は完璧に両断される。下は海になっているため、下手に飛び降りれば海の藻屑にもなり得る。
「・・・小僧、なんで飛ばなかった!!?」
そんな中で白ひげはちゃんと飛べたマルコとジョズと違い、3人の大将と共に海軍側に取り残されたルークに怒り声を荒げる。
「違う!!!飛ぼうとしたらあっちの方から銃弾が飛んできて足場を崩したんだ!!!・・・ってなんだよあれ!!?」
「あれは・・・!!?」
その声にルークは飛べなかった訳を銃弾が飛んできた処刑台の方を指差すが、そこにいたものに白ひげと場にいた全員と共に凝視する。
「おい・・・アレ・・・何だありゃァ・・・本部要塞の陰に、何かいるぞォ!!!」
「あ、見つかっつった」
「それだけじゃない!!処刑台の上にいるのは誰だ・・・!!」
「おお・・・やっと気づきやがった」
・・・本部要塞の陰に隠れるよう、オーズよりでかい体を潜ませていた男に一同は気付き、その方向の手前にあった処刑台の上に誰かがいることにも気付く。



「‘黒ひげ海賊団’!!!?」







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