崩壊の後の混同して再生した世界 二冊目

ルーク「・・・何となく話に聞いたくらいだけど、スローライフってヤツを望む人が多いってのは分かる気はするな。つってもそのスローライフの基準は色々違うだろうけどよ、人によって」

リカルド「だろうな。最低限クワだとかの人力で出来る物があればそれでいいという輩もいるが、文明の利器を存分に揃えて自分自身が疲れないようにすることが第一とする者もいる・・・まぁどちらが正しいかはともかくとしても、目的の為にこうあるべきだと躍起になることはスローとは言えんとは思うがな」

ケンシロウ「だがそれでも、自然というものが気持ちを和らげてくれるのは確かではある。荒んだ心に荒んだ光景は望ましい物ではないからな」

シンク「自然の持つ力ってヤツか。まぁ確かに荒れ果てた岩肌しか見えないような広野をずっと見るよりは断然マシではあるね」

ルルーシュ「スローライフか・・・憧れはするが、俺には体力的に難しいだろうな。だがそれでも、しがらみから解放されて自分の為に暮らすと言うのは魅力的だ」

シンク「おや?妹の事はいいのかい?自分の為にって今言ったけどさ」

ルルーシュ「・・・心残りよりももう俺がいない方がいいという考えが大分強まってきたからな。それに皇族として留まり続けると言うなら尚更にナナリーを引き連れてスローライフを送るなど、俺一人では到底無理だ。そして俺の気持ちの為だけにナナリーを巻き込むこともそうだが、周りをまた巻き込むようなこともな」

リカルド「・・・妹が何より大事だった兄がここまで変わるか・・・進歩と言うか、心境の変化がすさまじいな」

ケンシロウ「だが必要なことであることは間違いなかっただろう。いつまでも妹にこだわるままでは自分の理想の為に周りを巻き込むか、犠牲にしかねん行動もいずれは取っていたかもしれぬからな」

ルーク「まぁ妹の為って気持ちで自制してる部分がまだ残っちゃいるんだろうけど、自分の為にって考えれる辺りは悪くはねぇんだろうな。ただそれが行き過ぎると周りまで巻き込むような迷惑行為の自己中行動になるんだろうけどよ」

シンク「その辺りはC.C.がいるからある程度はどうにかなるでしょ。あれは自己中の固まりのような存在だし、ルルーシュならちゃんと反面教師に出来るだろうさ」

リカルド「まぁスローライフを送るというか、あまり他人と積極的に関わらないような後生を送ると言うなら多少は持続力なり腕力なりをつけた方がいいだろう。無論急いで結果を求めるような事はせず、ゆっくりとな」

ルーク「だな・・・別に俺らほどって訳じゃなくても、ちょっとは鍛えた方がいいな。スザクやC.C.にギルドと、お前がこれからもずっと一緒にいたり所属するかどうかは別にしてもな」

ルルーシュ「・・・そうだな。俺もどうするかを考えるか。自分の体のこともそうだが、二人とは成り行きから一緒になったのも大きい・・・この依頼ももう終わりだ。休憩が済んだら拠点に戻り、一度二人と話をするよ。これからの俺がどうするかにどうしたいかを三人でな」

ケンシロウ「そうした方がいい・・・ずっと共にいれるならそれに越したことはないが、道を違える事になるかどうかは話せるなら話をした方がいい」

ルルーシュ「・・・何か重みが違うな、貴方の言葉は・・・是非そうさせてもらいますよ」

ケンシロウの実感のこもった勧めにルルーシュもまた噛み締めるようにしながら話を受け入れる。向き合うことを避けるつもりはないと。









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