崩壊の後の混同して再生した世界 二冊目

・・・デュランの結婚について勝手に盛り上がっていたルーク達。そんなルーク達の元に、新たな依頼が飛び込んできた。






ルーク「・・・よっと・・・とりあえずはこれで最後だな・・・(片手にクワ)」

シンク「まさか依頼で畑を作って耕してくれなんていうのが来るなんて思わなかったよ・・・(片手にクワ)」

リカルド「確かにな・・・まさか俺も駆り出されるとは思わなかったが(片手にクワ)」

ルルーシュ「はぁ、はぁ・・・(クワを地面につけ、柄の部分に頭をつけて何とか立っている状態)」

シンク「大丈夫、ルルーシュ?と言うか人手が必要だからってあんたまでやる必要ないと言うか、スザク達に任せればよかったでしょ」

ルルーシュ「いや・・・畑を作るくらいで危険もないなら・・・俺も役に立てるかと思ったんだが・・・ここまで体力を使うとはな・・・」

リカルド「確かに畑を作るのがここまで重労働だとは思わなかったな。だがいい経験になったと思うぞ。こんな経験などまともにすることなど今後ないだろうからな」

シンク「・・・あんたそんなキャラじゃないだろ。土いじりもそうだしそんなことを言うようなタイプでも」

リカルド「・・・この依頼以外にめぼしい物が特に近くに無かったからな。仕方無くだ」

ケンシロウ「・・・そちらも終わったようだな(クワとバスケットを各々の片手に一つづつ持ちながら登場)。これは差し入れだ。一緒に食べるぞ」

シンク「あぁ、ありがとう」

ルーク「しかし本当に黙々と仕事してたな、ケンシロウ。体力は大丈夫か?」

ケンシロウ「あぁ、問題ない。むしろこういった仕事は歓迎したいところだ・・・俺の世界も再生はされてはきているが、野良仕事が大規模に出来るほどの土地はまだまだ少ないからな」

ルルーシュ「そう言えばそうでしたね、貴方の世界は・・・前は荒廃してろくな作物も取れない状況だったとか」

ケンシロウ「あぁ・・・こうして土をいじり生命に触れる機会など無かったが、意外と悪くはない・・・むしろ充足したものを感じる」

ルーク「それはまぁ北斗神拳の伝承者としての使命だとかってのは関係無く、単純に合ってるからじゃねぇのか?こんな風な農作業ってやつが気質によ」

ケンシロウ「確かにな・・・お前達はそう言ったことは感じないのか?」

リカルド「生憎だがそうは感じんな。やはり普通に戦う方が俺には向いている」

ルーク「まぁ俺はそんなに悪くねぇって感じだな。元々土いじりに対して忌避なんて気持ちもねぇし、動くのも嫌いじゃないしよ。むしろ好きな方って言った方がいいかもな」

シンク「僕もまぁ嫌いではないけど、ルーク程好きではないね。仕事ならやるって程度かな」

リカルド「珍しいな、お前がルークと意見が分かれるなど」

シンク「そりゃ僕とルークは違う人間だし、物の考え方も当然違うさ。いつも一緒にいれば似通う部分もあるけど、全部が全部同じ訳じゃないよ」

リカルド「まぁそれはな」

シンク「それよりルルーシュは?あまり向いてないように思えるけれど・・・」

ルルーシュ「・・・確かに体を動かすのは苦手ではある・・・が、俺も実際にやってみて農作業のすごさというものを実感した。今なら機械を使えば種蒔きから収穫までの大方の作業など楽々に達成出来るのだろうが、昔の人々や技術の発達してない世界はこうやって体を直に動かして一からやっていたのだと考えてな・・・」

ルーク「あぁ、そいつはな。実際にやってみなきゃこんな苦労してるって実感出来ねぇもんな・・・」

ルルーシュ「あぁ・・・こうして食べ物一つを作るのにも一生懸命に動かねばならないと思うと疲れはするが、成果が出ると考えると頑張らねばならない・・・と思うし、これが生きていると言うことなのかもと考えるんだ・・・」

ルルーシュの過去のトラウマを含めた上でのしみじみ感じ入る言葉に周りも程度の差はあれ、同意するように頷く。気持ちは分からないでもないと。









.
28/35ページ
スキ