崩壊の後の混同して再生した世界 二冊目

あやね「・・・でも将来の事を考えて上に行こうとかそういうことは考えてないの?そうした方が将来的に楽になると思うけれど・・・」

ルーク「あ~、それ多分シンクには出来ても俺は無理。ギルドの上層部の連中の中に食い込むなんて相当な財力に権力を持たねぇと出来ねぇだろうけど、それするなら今から機械の勉強に腹の探りあいだとか色々やること多すぎて金も暇も無くなりそうだしよ」

シンク「僕も同じような理由で同意するけど、精々今の活動を続けてなれるとしたらそれこそあんたが言ったようなギルドの中核を担うメンバーみたいな形で、所属している面々のまとめ役ってくらいの地位だろうさ。そういったちょっと上の立場にならまだしも、それ以上はごめんだよ。色々めんどくさいしね」

あやね「・・・本当に欲が無いのね、貴方達」

ルーク「欲なんか人によりけりだろ。少なくとも今の俺は適度に働いて旨いもの食べて時たま休暇を取ってどっかに遊びに行く・・・これだけありゃ十分満足出来るしな」

あやね「・・・本当に元貴族なの、貴方・・・?」

ルーク「そりゃ昔の俺なら何で俺が働かなきゃなんねーんだよとか誰かにやらせりゃいいじゃねぇかとか言ってたろうけど、人は追い込まれりゃ大なり小なり変わるもんだよ。まぁ元々体を動かすのは嫌いじゃなかったし、屋敷の外に否応なしに出なきゃなんなくなったから順応していこうって頑張った結果だけどな」

シンク「その点で順応性が僕よりルークの方が早かったのは僕にとっても幸いだったよ。この辺りはあまり先入観が無かったり、素直に物事を捉えられる性格が良かったんだろうけどね」

あやね「あら、貴方の方が色々順応性とか高そうに思えるのだけれど?」

シンク「半年以上前の僕は今以上にひねくれていて、順応するだとかの前に物事は常に疑ってみるような状態だったからね。順応性についちゃルークがいなかったら今でもここで難儀していた可能性は十分に有り得ただろうね」

あやね「そういうものなの」

ルーク「それよりそういうお前はどうなんだ?順応性があるかどうかっていうと、なんつーかどうとも言えねぇ感じがするけどよ」

あやね「・・・正直、あまり自信は無いわね。自分で言うのもどうかと思うけれど・・・でも戦闘面では多少は役に立てるわよ」

シンク「それは訓練したから分かるさ。あんたならギルドに入っても普通の依頼程度なら余裕でクリア出来るだろうしね」

あやね「・・・普通じゃない依頼なんてあるの?」

ルーク「そりゃな。ビュウの所とは別の滅茶苦茶いかつい竜が現れたからそいつを退治してくれって、何人か共同で退治してくれとかあったな。あの時は結構苦戦したよな。俺らがまだ未熟だったってのもあるけど」

シンク「あぁ、そうだったね。思い出すと懐かしいな」

あやね「・・・普通に竜退治とか言う辺り、本当にこの世界が前と違うのを思い知らされるけれど私の実力でも倒せるのかしら?」

ルーク「無理せず協力して武器を使えばな。一応武器は使えるんだろ?シンクとの訓練じゃ使わなかったけど」

あやね「えぇ、まぁね」

シンク「まぁ無理して竜のような強い魔物と戦う必要はないよ。あんたは別にそんなことしなけりゃいけない立場にいないんだから」

あやね「・・・そうね。じゃあそろそろ拠点に戻ろうかしら。話をしてゆっくり出来たことだし」

ルーク「そうすっか」

あやねと一通り雑談を終え、二人はあやねと共にギルドの拠点へと向かう・・・









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