崩壊の後の混同して再生した世界 二冊目

・・・ココ達のおかげで美味しい食事の時間を過ごせたルーク達は、ギルドの拠点の一つへと再び戻った。






シンク「・・・はい、これを持ってリグレット達の所に行きなよ。一先ずこれであんたらもギルドの一員になれる」

ルーク「つっても始めは監視つきと言うか警戒されてになんのは覚悟しとけよ。流石にギルドに入るなら全部信用しますなんて程甘くはねぇからな」

ディスト「分かっていますよ(シンクから紙の束を受け取る)・・・しかし貴殿方が我々にこうも協力してくれるとは・・・」

シンク「あんたらの場合は他の世界で傭兵団としての活躍があったからね。それがなかったら僕らの口添えがあってもあんたらがギルドに入れたかって言うと、すんなりはいかなかっただろうさ」

ルーク「ま、お前ら率いる兵に関しちゃお前らがそのまま運用した方がいいだろ。監視しやすいってこともあるが、団体で行動した方がやりやすい依頼ってのもある。不満があるならそいつらとはお別れするって形にでもしてな」

ディスト「・・・本当に随分と親切ですね・・・思わず疑ってしまうほどに・・・」

シンク「文句や疑念があるならさっさとここから消えるなり今渡した紙を破り捨てるなりしなよ。別に信じてもらえなくても構わないし、あんたらにこれ以降積極的に関わるつもりも無いしさ」

ディスト「・・・何故でしょうね。貴方がそうやって悪態をつく方が安心出来るとは・・・」

ルーク「馬鹿言ってんじゃねぇよ・・・と言うかお前はフォミクリー技術の研究っていうか、ネビリムだっけ?その人の復活を諦めたのか?」

ディスト「っ!・・・何故それを・・・っと、シンクが聞いていましたねそう言えば・・・」

シンク「まぁ何となく今のあんたから想像するとフォミクリー技術の研究は諦めたにしても、ネビリムの復活は諦めきれてる感じがしない・・・と言うよりは他の世界の技術なり魔法なり道具にでも目をつけた辺りなんじゃないの?」

ディスト「っ!?」

ルーク「・・・図星、って反応だな。でもそれは止めといた方がいいぞ・・・実際に生き返らせるのもそうだけど、魂だけでもあの世から連れてくるなんて事をしたら酷い目に合うぞ」

ディスト「・・・酷い目に、合う・・・?」

シンク「簡単に代表的な例を挙げると、とある世界に聖杯っていうものを巡って魔術師同士の戦争が起こることがあるらしいんだが・・・その戦争は魔術師同士が争うんじゃなく、英霊っていう過去の偉人や強者の霊を召喚して戦わせるらしいんだ」

ルーク「まぁそこまでならまだいいかもしれない、って訳でもないけど・・・とにかくその魔術師って言うか聖杯に関連する奴らは大抵頭のイカれたばっかりなんだよ。一般人でも魔術の素養があったりするなら個人か団体はともかく、拉致して体を切り刻んでホルマリン漬けにしてそれが魔術の発展には当然の物だ・・・なんて考えるようなな」

ディスト「人の体をホルマリン漬け・・・っ!」

シンク「そこの魔術師達はそういったことを平気で出来るんだよ。魔術の発展の為に他人を使える輩ばかり・・・こういった利己的でいて自分達の為の大義を平気で振るえる人間のことを、他の世界の人間って立場から見たらあんたは自分の手元に迎え入れたいって思うかい?」

ディスト「・・・いいえ、出来ません。そんな人物達を何の対策もなく懐に入れるなんて自殺行為なんかしたくありませんよ」

ルーク「そう、それが普通の反応だ・・・だけどそうやって知ってる奴が嫌がったって、知らない奴は知らないしその魔術師側からすれば自分達の庭に研究材料が増えたっていうことになる」

シンク「だからギルドの上の方じゃそういった奴らに対しての対策と言うか監視体制が敷かれてるんだよ。危険度が高い奴らに対してすぐに行動出来るようにというような体制がね」

ディスト「そんな・・・物が・・・」

ディストは二人から語られる話の壮大さとその厳しさを感じられる中身に呆然とする。そこまでの事なのかと。






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