頂上同士の騒乱に図らず乱入せし焔

「「オヤジィ!!!」」
「・・・マルコ、ジョズ。まだ戦えるな?」
そしてルークと入れ代わりに白ひげの元にマルコとジョズの二人が来て、二人に問いかける。
「「当たり前だ(よい)!!!」」
「なら行くぞ・・・おれたちが先に逃げるあいつらの壁になるんだ!!!」
「「おう!!!」」
二人は白ひげの言葉に迷いを見せず了承を返し、海軍達の中へと向かっていく・・・
(グラララ・・・これが終わりゃもうおめぇらとはおれは行かねぇが、せめて今度はまともな形でおめェらを新世界へと送り出してやる・・・オヤジとして息子達の背を見守りながらな・・・!!!)
その後ろ姿を見ながらニヤリと笑みを浮かべつつ、白ひげはオヤジどころかジジイにまでなっちまったかと感じながら前に出る・・・



「あいつ・・・オヤジを説得しやがった・・・つくづくありがてぇ・・・っ!!」
「エース、早く行こう!!おれたちが先に行かなきゃオッサンのもだけど、アイツの覚悟が無駄になる・・・!!」
「そうじゃエースさん、今は早くここから出るべきじゃ!!あの子も言っていたじゃろう、生きることが戦いじゃと!!それなのにお前さんがオヤジさんを信じずにこの場に残り討たれでもすれば、敗北者になる!!!それこそお前さんだけじゃなく、オヤジさんもな!!!」
「・・・分かってる、行くぞ!!・・・死なないでくれ、オヤジ・・・!!」
エースにルフィにジンベエ、三人はルークと白ひげの言い争うその場面を見ていた。その場面を見ていたからこそ出る結論は生きる為の迷いなき逃走・・・
エースは白ひげの無事を願いながら苦々しげな顔を白ひげから背けつつ、二人と共に走り出す・・・












・・・白ひげの言葉に悲嘆から歓喜へと変わった白ひげ海賊側。それに比べ海軍側は一気に士気が下がった。撤退する白ひげ海賊側の人間を攻撃するものの、士気が上がった白ひげ海賊団のマルコとジョズを除いた隊長勢の撤退しながらの率先した護衛に大方攻撃は阻まれていった。

そして海軍側の最大の戦力とも言える三人の大将は白ひげ・マルコ・ジョズの三人の迎撃により抑えられ、逃げる海賊達の追跡は出来ずにいた。



そんな戦局の中でルークは臨機応変に逃げる人達の盾になりつつも傷を回復したり、海軍達を倒したりして動き回っていた。
「軍艦奪ったぞォ~~~!!!早く乗れェ!!!」
そんな中で白ひげ海賊団の人員から海軍の軍艦を奪えたとの声が戦場に高々と響く。
「軍艦を奪った・・・なら早くどうにかオッサンを・・・っ!!・・・あの軍艦の方に行かせねぇと・・・!!」
声を聞きルークは即座に白ひげを探すが、そう遠くない位置で赤犬と戦っている姿を見てすぐさま白ひげを援護するために走り出す・・・






「オッサン!!」
「・・・なんだ、小僧!!!」
そして白ひげと赤犬の戦いの場に来たルークは白ひげを呼ぶが、赤犬と戦っているために気を抜かずそのまま白ひげは用件は何かと声を荒げながらを問う。
「オッサンはどうにか軍艦の方に今から行ってくれ!!!その間、俺はこいつを食い止める!!!」
「・・・なんだと?」
「・・・わしを止めると言うんか・・・?」
威勢よく放たれたルークの言葉に白ひげ、そして赤犬は二人共に睨むよう横にいるルークを見る。
「オッサン達が撤退しなきゃ、あの人達は船には乗れても出港が出来ない・・・頼む、俺を信じて先に行ってくれ・・・!!」
「・・・ガキが・・・!!」
そんな視線に臆することなくまっすぐ白ひげを射抜くような目をルークは見せ、白ひげの口元を笑ませる。
「・・・ちょうどいい、さっきからお前にゃ随分と手を焼かされとったんじゃ。白ひげの前にまずはお前を片付けちゃろう・・・一撃でのう!!!!」
だがそれを不愉快な物として受け取った赤犬はすかさずその右手をマグマの拳と化して白ひげではなく、ルークに殴りかかる。



‘ジュワァッ!!’



「何ィッ!!?」
「・・・!!?」
・・・本来だったならルークの腹を貫いて焼き付くしていただろうマグマの拳。だがその拳はルークを貫く事なく、寸前で・・・消滅した。ルークの全身を包む、淡い光・・・超振動によって。その事に殴りかかった赤犬と見ていた白ひげは覇気とは違う、異質な物を見て驚愕を浮かべていた。








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