崩壊の後の混同して再生した世界 二冊目

・・・オールドラント領での戦争。その情報はルーク達に伝えられていった。その際に工作をされたという現場の様子を調べに行ったトロワ達の話では、おおよそシンクの言ったような展開だとの調べがついた。

ただそれで事実を知ったから戦争を止めましょうと言うはずもないし、言ったとしてももう止まるはずがない・・・そういった結論に至っていた為に後はもう状況が進むのを待つだけと考えていたルーク達だが、その数週間後にトロワ達からの連絡が届いた。戦争はダアトの敗けでヴァンは討ち死に、モースは捕らえられた後に斬首されてダアトはキムラスカが主導して治める事になったと。そこまで聞いてルーク達はもうオールドラント領とは関係は切れたと、そう思っていた。






ルーク「断る、行かなきゃならねぇ理由がねぇ」

シンク「同感。そして行ってもいいことにならないどころか、悪いことになる可能性が高いのは目に見えてる。依頼を成功させようが、失敗させようがね」

ジェイド「・・・やはりそう答えますか・・・」

シンク「しかしまぁ戦争の協力の為の対価とは言え、よくもまぁこんな下らない事の為にわざわざギルドまで来たよね」

ルーク「まぁその辺りはなんつーか、アッシュだけの都合で来てる感じじゃなさそうな気はするけどな。多分ナタリアだったりキムラスカ上層部の意向が大分関わってる感じもするな。主に悪い方の意味で」

ジェイド「・・・当たりですよ。とは言ってもキムラスカの上層部はあくまでオマケ程度と認識していただいて、貴方の被験者とナタリア様が酷くこだわっているんです・・・貴方との決闘と言う名目の処刑を行うことにね」

ルーク「んなこったろうと思ったよ・・・何が俺と被験者様の決闘を行い、どっちが勝ってもそれで過去の遺恨の清算をする形にするからオールドラント領に戻ってきても構わないだ。体よくアッシュのご機嫌取りにプラスして俺を殺そうって腹積もりだろ」

シンク「だね。ご丁寧に死なないように戦うようにはするが、死んだら自己責任でよろしくって言った上でこっちには絶対アッシュを殺すなって言って、極めつけは場所はオールドラント領近くの平原で僕も来るように・・・なんてあんたの話を要約すると、あまりにもアッシュ側に都合が良すぎだ。オマケに僕も始末しようだなんて尚気分が悪いね」

ジェイド「・・・そこまで分かっているのであれば、最早取り繕うことも無駄でしょうね。まぁ被験者はシンクはともかく貴方は劣化レプリカで屑だと言っていたので、相当に貴方を下に見下しているのでしょうね。こうやって甘い餌で釣り上げればホイホイ来やがるだろうから、失敗したらてめぇのせいだからなという叱咤激励までいただくくらいにはね」

ルーク「はっ、程度が知れてんな被験者様も。昔の俺ならいざ知らず今はシンクがいるし、そんな腐った餌に目の色変えて飛び付くほど甘い目なんかしちゃいねぇよ」

ジェイド「・・・確かにそんな餌に食いつくようなら、目が腐っていると言った方がいいですね」

シンク「オマケに頭も腐ってるんじゃないの?何、ついでに僕も殺すみたいな感じにするって?僕と長い間会ってないせいで僕の能力まで見損なうほど頭が腐ったの、あいつ?」

ジェイド「・・・シンクに関しては八つ当たりついでの八つ当たりみたいな感じくらいに考えているんでしょうね。話を聞く限りでは貴方がいなければそちらのルークは今はとっくに死んでいたでしょうし、彼にとって不本意なことになるような事態を避けることも出来たでしょうからね」

シンク「だから僕も殺せるなら殺す、か・・・ははっ、ルークを殺そうとするのも酷く気分が悪いことだけどここまで僕を甘く見るなんてね・・・よっぽど僕を怒らせたいのか、はたまたあんたらキムラスカにマルクトの連合軍でもぶつけようとしてるのか・・・後者ならともかく前者ならルークに手を煩わせる事なく、僕が引導を渡してやってもいいんだけどね」

ジェイド「その疑問に関しては後者ですよ。流石に彼も貴方と戦うことは危険だと感じているようでしたから、隠していた軍を指し向け貴方を殺す・・・という算段にしたいようです」

ルーク「俺とシンクでマジで違うな、評価が・・・にしても喋りすぎじゃねぇか?被験者様の狙いについてよ」

ジェイド「・・・もう失敗したも同然の計画など、どうでもいいからですよ。それにマルクトもですが私個人としても貴殿方にはむしろ感謝している方なんですからね」

ルーク「感謝ぁ?」

ルークは思わず胡散臭げに視線を向ける。目の前の人物が感謝と言った気持ちなど到底口にするようなタイプに見えなかった為に。









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