崩壊の後の再生して混同した世界

ルーク「・・・つーか随分とあの世とこの世の関係ってヤツが緩くなってんな。例えギルド外には幽助やあんたらのことは明かさないにしても、こんな風に普通に交流出来るなんてな」

鬼灯「それは先程も言った通りですが、元々現世とあの世は地続きで行ける時代もあったんですよ。少なくとも私の世界ではそうでした」

シンク「へぇ~、そんなこともあったんだ・・・じゃあもしかして今もあの世と地続きになってる世界とかあったりするんじゃないの?こんな世界になってるんだしさ」

鬼灯「事実ありますよ。ですがそこは結界に阻まれた世界でして、普通にそこに入ることは出来ないのでそこは除外して考えた方がいいですね」

ルーク「結界に阻まれた世界?」

鬼灯「元々とある人物が世界で受け入れられなくなっただとか、忘れられるような存在となったモノ達の理想郷と言った場所を創りたいと思って創られた場だそうで、そういった存在が普通に過ごせるために結界を張ってるんだそうです。あくまで聞いただけですがね」

シンク「ふ~ん、そんな世界もあるのか・・・でもそれでもあの世界崩壊の時には抵抗出来なかったんだろ?」

鬼灯「むしろ抵抗出来る方がおかしいですよ。一度他の世界同様滅びて復活した後、また前の形に戻したらしいですがあの世の境界線までは引けなかったそうで、あの世からならそこの世界に行けるようになったんてす・・・まぁそこの方々との交流はそこまでしていませんから、単なる知識止まり程度なんですがね」

ルーク「あぁ、元々他と交流しないようにしてたから向こうに迷惑をかけないようにか?」

鬼灯「そういった気持ちも無いわけではありませんが、厄介な能力者揃いな上に人の話を聞かない類いの方々の集まりだそうで・・・上の方々はあまり乗り気ではないんですよ。そこと交流することに関して」

シンク「トラブルメーカーの集まりってこと?」

鬼灯「平たく言えば。まぁそこの閻魔様は比較的こちらの考えに同調はしてくれてはいるらしいのですが、それ故に説得力もすごくて。ですからそことは最低限の交流に務めているんですが・・・行きたいなら案内しますよ?」

ルーク「いらねぇよ。別にそこに何としても行きたい訳でもねぇし」

シンク「そうだね。それに僕らとしてもトラブルメーカーばっかりの所になんか行きたくないし・・・どうしてもってんならダンテ辺りを連れていきなよ。クレイジーな奴は嫌いじゃないとか言ってたし」

鬼灯「ダンテさん・・・あぁ、デビルハンターの方ですか。彼もやる気を出してくれたら是非とも地獄で働いてほしいんですけどね」

ルーク「あいつをまともに働かせようなんて無理だっつーの。ま、そんな訳だから別にそこに行くつもりなんかないから構わねぇよ」

鬼灯「構いませんよ。言ってみただけですから」

シンク「・・・しかしまぁ、あの世に歩いていく、か・・・ふと疑問に思ったんだけど、行けるんなら死んだ後に帰れるなんて事はあったんじゃないの?」

鬼灯「事実無いことは無かったですね。ですがその時は大抵墓に入ってるか火葬されてたりで、完全に生き返るような事はありませんでしたよ。そもそも蘇生可能な状態ならまずあの世には来ませんよ。厳密にはまだ魂が肉体と縁を切りきれてない死んでない状態ですからね」

ルーク「あ~、完全に死んでこそって事か・・・まぁそんなホイホイあの世から生き返ってくるようなことなんてあるわけねぇよな」

鬼灯「そうですね。ですから戻れても魂だけで、何らかの素質があったならゾンビとして復活して討伐されるくらいでしたから」

ルーク「ゾンビとして復活してんのかよ!?」

シンク「・・・何て言うか単なる偶然とかならともかく、生への執着でそうなったって言うんなら哀れみすら感じるね。死んだらそれまでだってのに」

鬼灯「それが人の性というものですよ」

シンクの言葉にカップを口に傾けながら答える。当然の事とばかりに。









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