・・・イオン達の護衛を担当し、指定の場所へと送り届けたルーク達。その際にイオンから何が言いたげな視線を向けられたが、特にシンクは反応することなく二人の元を後にした。






ルーク「・・・なぁ、こうやってイオン達を送り届けて拠点に戻ったけどよ・・・トロワとかって奴らがそうした方がいいって考えた理由ってイオン達が危険で存在を見つけたからもあるんだろうけど、オールドラント領がそろそろ本当に危なくなってきたのもあるんじゃねぇのか？」

シンク「だろうね。わざわざその二人が危惧するような事態なんてのはそれくらいしかないだろうし・・・となればキムラスカかマルクトか、あるいはその両方か・・・いよいよダアトに攻め込む辺りの情報を得たんだろうね」

ルーク「となりゃ、いよいよダアトも終わりか・・・ま、こっちに影響及ばなきゃいいんだけど・・・リグレット達は今どうしてるか情報入ってるっけ？」

シンク「話によれば傭兵団的な団体として、何処かの世界の戦力になってるらしいよ。先立つものとか食料に依るべき場所は必要だろうからね。団体なんだし余計に。まぁギルドを頼らなかったのは僕達の事があったからだと思うけど、多分余程じゃなかったら敵対するようなシチュエーションとかないだろうし大丈夫だと思うよ」

ルーク「そんならいいけどよ・・・俺の被験者様はどんな態度になると思う？あの人が危機ならしゃあねぇから助けてやる・・・みたいなツンデレ的な考えで助けに入ることは有り得ねぇか？」

シンク「・・・ツンデレ的にってのは案外有り得なくないんだよね。可能性は低いけど。何だかんだであいつヴァンに対しての気持ちは捨てきれちゃいないだろうし・・・ただキムラスカの上層部というか、ファブレは絶対にそんなことは許しはしないだろうさ。何せ一度アッシュをたぶらかされて拐われた経験があるから、それでアッシュの未練でヴァンを手の内に入れるのを黙って見てる・・・なんてまず有り得ないさ。獅子身中の虫になるって見るのは間違いないし、ヴァン自身もしキムラスカに入ったならそうするのは間違いないだろうしさ」

ルーク「ま、そこまでいきゃそうなるか・・・んでモースをわざわざ助けようとする物好きなんて多分いるはずもねぇだろうから、もう二人は戦争になりゃ終わりって所か・・・予想はしちゃいたけど、結構呆気なく終わりそうだな」

シンク「こういうのはあっさり終わると逆に不気味とか言う奴がいるけど、覆しようのない状況で逆転なんてのは覆しようがあるから出来ることさ。その点僕らはあそこで行動してなきゃあんたはその時に終わってて、僕はリグレット達共々いつ逃げ出すか行動の機会を伺ってたんだろうね・・・今思えば本当に良かったよ。あんたを助けるために行動を起こしておいてね。おかげで慌ただしかったり騒がしかったりするが、生きてるって実感を感じることが出来てる・・・レプリカだとかそんなこと関係無く、充実した生ってヤツをね」

ルーク「んなこと言ったら俺を生きてるのはお前がいたからだし、こっちの方が感謝してるっての」

マニゴルド「謙遜に感謝しあうのは結構だが、それが続くと堂々巡りで時間がかかんだからそれくらいにしてくんねぇか？でねぇと話を切り出しにくいんだよ」

シンク「あぁ、マニゴルド。久し振りだね・・・僕達に何か用？それと後ろにいるのはアスミタさんだったっけ？」

マニゴルド「そうだ」

アスミタ「久しぶりだな。よろしく頼む」

ルーク「あぁ、よろしく・・・もしかして送られてきた黄金ってお前らなのか？」

マニゴルド「正確に言えば俺がそうで、アスミタに関しちゃギルドに依頼人の代表って形で来てもらったんだよ・・・どうにか別のあの世とのツテを頼ることが出来ないかってな」

シンク「別のあの世って・・・幽助達の事を言ってるのかい？」

マニゴルド「多分そうだ。俺は誰が誰かとかよく知らねぇからな」

シンクの言葉になんてこと無さそうに頷くマニゴルドに、ルークは眉を寄せる。









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