崩壊の後の再生して混同した世界

ルーク「・・・ん?そういや何となく思ったんだけど、ダアトの奴らがキムラスカかマルクトの庇護を求めて属国になるなんて選択肢もない訳じゃないよな?つってもモースの考え方からしたら到底受け入れられるもんじゃねぇだろうけど、それでもそうして苦境から脱したいみたいな考えって他のダアトの奴らの中には浮かばねぇのか?」

シンク「まぁ全く無いわけじゃないだろうし、状況を考えればそうした方がいいって思う奴も当然いるだろうね。ただそれはモースにヴァンがいてそんなこと認められる筈がないってなって、その上で粛清される可能性があるから皆口にしないし行動にも移さないって事で自粛してたんだろうが・・・リグレット達が逃げ出した事を踏まえると、もう自粛なんて事をそいつらが考えるとはとても思えないね。むしろ今頃仲間内で集まって二人を売る算段すらしてると思った方がいいくらいだ」

ルーク「あ~、やっぱそういった方面に話は動くよな・・・んで、そういった奴らが行動を起こしていたとしてモース達が止められる可能性はどのくらいだ?」

シンク「あんまり高くないのは確実さ。あいつらからして信用出来る兵なんて数は知れてるし、かといって自分達の都合が悪いから大規模な粛清を行う・・・だなんて事をしたら反感が酷くなるだけじゃなくて人員や戦力をみすみす自分達の手で失わせることになって、外に対しての抵抗の手段を失うことになるし・・・何より、ダアトから逃げ出した奴がいたとして、そんな惨状がそこにあると話をされたら大義名分をキムラスカやマルクトに与えてしまうのと同義になるのさ。どういう行動を起こすか分からなくて目障りで仕方無いダアトを解放するって名目で攻め入る為の口実をね」

ルーク「だから事を大袈裟に出来ないししたくない二人は大規模な粛清・・・なんて行動に出づらいってことか」

シンク「まぁそれでもモースならそんな行動気に入らないの感情一つで全て台無しにしかねない事を仕出かしかねないから、絶対しないとも言い切れないんだけどね。ただそうした後で起こった結果に関して、盛大に冷や汗をかくだろうけどさ」

ルーク「自業自得っつーか自分で自分の首を締めてって事でか・・・まぁ大体ダアトが危険だって事は十分に聞けたけど、この話題の最後としてあの人とモースのどっちかがどっちかを我が身可愛さだとかも含めて、キムラスカかマルクトに捕らえて売り飛ばす・・・なんて可能性はあるか?モースに関しちゃ何かやりそうな気はプンプンするけどよ」

シンク「ルークの予想通り、やるならモースがやる可能性の方が圧倒的に高いね。ヴァンもどうしようか考えて無いわけじゃないだろうけど、余程切羽詰まった状況じゃなけりゃそうはしないだろうさ。今の状況じゃモースを生け贄に差し出したってしたならお前も来いってなるのがオチで、到底助かるような見込みなんて立たないんだからね」

ルーク「でもモースならそんな風になるなんて考えず、自分の立場までも要求しそうな感じするな。ダアトはこの通り渡しました、ですから貴族の地位を下さい・・・とかよ」

シンク「有り得ないって言い切れないのが微妙に苛立つ所なんだよね。モースのことだから今の自分なら受け入れられるし、何なら適当に頭を下げて後で国家転覆でもして自分が頭になるとでも思うんだろうが・・・流石にそんなことを許すほどキムラスカもマルクトも甘くないだろうから、モースから行動を起こしたならその時点で終わりだろう。ま、今の時点でもう詰んでるに近い状況なのは間違いないけどさ」

ルーク「となりゃ、後はあの人がダアトから逃げ出しさえしなきゃ俺らも安泰って訳か・・・まぁその為にはまたどんどんと依頼を受けて、将来を見据えて貯金してかねぇとな」

シンク「そうだね。僕達もいつまでも戦える訳じゃないんだし」

もうヴァン達への関心も薄れたルーク達は将来の事へと会話の視点を移す。自分達の安寧の為にと。









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