崩壊の後の再生して混同した世界

シンク「ま、そうなったらヴァンがダアトから無事に逃げ切れるかどうかは一気に怪しくはなるだろうね。何せ六神将がそんな風に一斉にいなくなるんだ。モースからすりゃ最大にして最高の戦力まで失ったとなるのだけは絶対避けたいだろうしさ。でもそれでモースの言う通りにしてはいおしまいだなんて、ヴァンの性格からしてまず有り得ない」

ヒイロ「・・・だから調査を依頼すると言うことか。これからのオールドラント領の状勢が一気に混乱しかねないということでそれを逐一知るために」

シンク「そういうこと」

デュオ「まぁ話を聞きゃ確かに危険だって思う気持ちは理解は出来るな。そんでまた聞くが、いつが一番危ないって見ている?」

シンク「いつなんて無い。もういつ爆発するか分からない爆弾のような物だろう。下手すると今頃ヴァンが爆発してたっておかしくはないよ」

ヒイロ「・・・となればあまり時間をかけていたら依頼を行う前にオールドラント領に乱が起こることは十分に有り得るか」

デュオ「ならトロワとカトルに連絡して早目にオールドラント領に行ってもらうように進めるか。俺達はまた別の仕事があるしよ」

ルーク「わりぃな。んで今回の依頼料はどれくらいになんだ?」

ヒイロ「それについてなら今回は必要ない」

ルーク「は?なんでだよ?」

ヒイロ「上層部は今回のオールドラントの状況は一つのモデルケースとして考えているようだ。世界が悪い方向で変わる瞬間に立ち会い、それを間近で見てどのような事になるのか・・・というモデルケースの一例としてのデータを取る為にな」

ルーク「世界が悪い方向で変わる、か・・・まぁ俺らとしちゃ助かるが、その瞬間の観測が出来るのが貴重だからっていうのも悪趣味な気はするな」

デュオ「それは俺も思うが、だからって言って外から干渉ってのはこの世界的にはまずご法度だし、何よりもうそんな外から止めりゃなんとかなるなんてのはオールドラント領の状態から見りゃ無理だってのは大抵の奴らは分かる・・・だからこそこの状況って奴を利用するのは上から物を見る立場の人間としちゃ間違ってないんだよ」

シンク「まぁそれは僕としては別にいいんだけど、そういう風に話が通ってるって事はここに来る前からこういった事を僕達が話に来るだろうって上層部の方は判断をしてたって事か・・・本当に皮肉とかじゃなく、先見の明があるね。上層部の奴らは」

ヒイロ「それは否定しないが、今のお前達にとってはそれが有り難い物だと言うことは否定出来んだろう。依頼を出すこともあるが、金銭的な意味でもな」

ルーク「まぁな。本当ならこんな依頼はすげぇ金がかかるのは知ってるから、今の俺達だと滅茶苦茶カツカツになるだろうしよ」

デュオ「まぁ俺らとしても稼げるから万々歳なんだけどよ。つっても今回はトロワ達に譲るから、この件での稼ぎはあいつらのもんになるがな」

シンク「まぁその辺りはお互い様って事で済ませるしかないか。互いに利があるし別に反目しあってる訳でもないんだしね」

ルーク「だな」

ヒイロ「ならいいがこの依頼はお前達はどの時点で完遂とする?おそらくしばらくは上層部の連中はオールドラント領に満足するまで張り付くようにと言ってくるだろうが、お前達はどこまで情報を求める?」

シンク「一応上層部が満足するまでで頼むよ。僕としちゃヴァン達がどうなったかが分かれば後はどうでもいいくらいだけど、色々知っておいた方がいいだろうし一応ある程度の事情は僕も知ってるから上層部に推測やらの話をするにもいいだろうしね」

ルーク「まぁダアトだけで済むかもわかんねーしな。あの人達の騒動がそれだけで収まるかなんてよ」

デュオ「そういうことなら分かった。上層部が引き上げるって言うまではお前らに情報を周期的に回してやるよ」

ルーク「おう、頼む。んじゃ後は適当に休むか。やることも終わったしよ」

ヴァン達についての話し合いも終わったと、ルークの言葉に他の三人も思い思いに頷く。後の時間は休暇同然のようにしようと。










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