頂上同士の騒乱に図らず乱入せし焔

・・・そしてルークが降り立った少し後、ルークは周りの海軍と戦っている時にルフィの姿を確認する。
「なっ!!?」
‘ドォン!!!’
‘ドスゥン!!’
だがそのルフィは黄猿の蹴りを受け、白ひげの体にぶつかっていてボロボロになっているという状況だった。
「くそっ!!!」
「ぐあっ!!」
ルークはそれを見て海兵を倒すと同時に、ルフィの元へ走り出す。



「コイツはもう十分やった。手当てを」
「はい!!」
ルフィを掴んでいた白ひげは近くにいた団員にルフィを投げやる。
「く・・・!!いらねぇ・・・!!!・・・そんな時間ねェよ!!」
だがルフィは手当てを拒否し、地面でバタバタと身を動かす。
「・・・だったら、ほんの数秒だけ待て!!俺が治してやる・・・キュア!!!」
そのバタバタとするルフィの前に来たルークは有無を言わさずキュアを唱え、ルフィにかける。青色の光に包まれるルフィ・・・
「!!・・・治った・・・!!!」
その光が消えるとルフィは立ち上がり、自分の手を握り開きしながら治ったと口にする。
「ルフィ君!!大丈夫なのか!!?」
「あぁ!!これでまた俺は戦える!!またありがとな、お前!!行くぞ~~~エース~~~!!!」
そんなルフィにジンベエが大丈夫なのかを問い、ルフィは元気よく返してからルークに礼を言うとすぐに再びエースに向かって走り出す・・・
「・・・なんの能力かは知らんが、重ね重ね礼を言おう・・・!!オヤジさんだけならいざしらず、ルフィ君まで・・・!!」
「ヴァターシからも礼を言わせてもらうわ・・・これ以上麦わらボーイはダメージを受けてたら死んでたわ・・・!!」
そんなルフィを見ているとジンベエとイワンコフの二人がルークに近付き、礼を言ってきた。
「別にいいよそんなこと・・・!!けど今のままじゃルフィは助けられたけど、犠牲者が増えていくだけだ・・・いくら俺が怪我人を治しても、なんとか起死回生の一手を打たないとどうしようもないぞ・・・エースはまだ敵のとこにいるんだから・・・!!」
「「・・・」」
そんな二人に対しルークはそれよりも現状打破の方が大事だと苦々しく言い、二人も苦そうな顔を浮かべ上げる。
「・・・ヴァターシに考えがあるわ。ヴァターシは麦わらボーイを何としても処刑台まで連れてイッキャブルからヴァナタ達は大将達と戦う白ひげ達を援護してちょうだい。彼らが崩れたら一気にヴァターシ達も危なくナッチャブルから・・・!!」
「・・・わかった・・・!!」
「頼む・・・!!」
するとイワンコフは決心を込めた目でルークとジンベエの二人に大将達との戦いを頼み込んでくる。その考えに賭けるしかない二人はその頼みを首を縦に振り、了承する。
「行くわよ、麦わらボーイ!!ヒーハー!!!」
二人が了承するとイワンコフはルフィを追いかけ、走り出す。
「わしはオヤジさんを援護する・・・お前さんはどうする!?」
「・・・俺は戦いながら他の人達を回復させていく・・・!!多分そうして行けば、海軍の目は俺の方に少しは向いて来ると思うから・・・!!」
・・・ルークはこの世界には譜術のような、攻撃にしても補助にしても様々な用途に使えるような術は能力者を除いてないと、この戦いから理解した。そのことから更に敵にとって都合の悪い事態を自身が起こせば、敵の目は否応なく自分に引きついてくる・・・
ルフィ達への負担と白ひげ達の負担、両方を考えた上で自分が囮になる。ルークの考える中で、これが今の自身が出来る最良の策だった。
「じゃがそれは・・・お前さんが危険に晒される!!下手をすれば一気にお前さんに敵が集中するぞ!!?」
しかしそれは裏を返せば兵力の集中を招き、一挙に敵が一人に来る可能性を作る。ジンベエはそれを懸念し、ルークに正気かと詰める。
「誰かがやらなきゃ、エースをルフィが助け出すような状況には出来ないんだ!!・・・心配すんな、俺にはまだ奥の手がある・・・!!」
「・・・む・・・!!」
だがルークも危険だからと言われただけで、すんなりと引く気はない。更に奥の手と付けられた勢いのいい言葉に、ジンベエはルークに背を向ける。
「そこまで言うなら止めはせん・・・せめて死なんようにやりなさい!!」
「ああ、そっちも気をつけろよ!!」
ルークに背を向けたままジンベエは叫ぶと、前に向かい走り出す。ルークはその後ろ姿に同じように気を遣って声を上げ、めぼしい人物がいるところに当たりをつけて走り出す・・・









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