崩壊の後の再生して混同した世界

マァム「もう一度話を戻して・・・ポップ、ギルドへの依頼の件はどうなったの?その辺りはまだ聞いていないけれど・・・」

ポップ「あぁ、そいつについちゃオッケーはもらえたぜ。いくらかかるかは分からないが、ダイの捜索の為ならある程度は出すってことでな」

アバン「それだけではありません。ギルドに出向という形で何人か臨時のメンバーを受け入れていただけないかと話に来たのです。現にそう言った制度もあるのでしょう?このギルドには」

シンク「まぁあるけど・・・いいの?敵が少なくないとはさっきも言ったけど、ここには人外だっている。そういったことも知ってて言ってるの?」

アバン「それは大丈夫です。我々の仲間には人ではない者もいますから、そう言った相手には慣れています。何でしたらそちらさえ良ければ彼らを紹介したいのですが」

ルーク「はっ?・・・いや、こっちは働いてくれてギルドに害を及ぼさないなら別に構わねぇけど・・・そういった奴らをそんなにニコヤかに勧めていいのか?ギルドに所属してる奴らは別に問題はねぇだろうけど、マジもんで化物を見られるような目とか声とか普通に向けられるなんてのは有り得る事なんだぞ」

アバン「彼らならそういった事になっても大丈夫だと信じている、というのもありますが・・・その姿があるから外の世界にダイ君の捜索が出来ないと言うことの方で、苦心している人がいるからでもあります」

ポップ「先生・・・もしかして、ラーハルト達をギルドに出向させるつもりなんですか?」

アバン「はい。ラーハルトにクロコダインにヒム・・・特にラーハルトはダイ君の捜索を強く望んでいます。ですがその姿とこのような世界になったことから、下手をすれば物言わぬ魔物と一緒の扱いをされて討伐の手が向けられることも考えられました。ですから私達の世界のみ捜索をするようにと伝え彼らも不本意ながらそうしていましたが、ギルドの一員としてならどうにかなるでしょう。ただ、色々そちらには迷惑をかけるかもしれませんが・・・」

シンク「別に構わないよ、それくらい・・・ただギルドに来るかどうかは厳しい目の事とか含めてそっちで話をしてよね。入るように強制なんて出来ないし、何より僕達そいつらの顔も知らないしね」

アバン「分かっていますよ。そちらに手間はかけさせませんから」

ルーク「・・・何て言うか、結構すごい人だなこの人。色々な意味で」

メルル「私はあまり話したことは無いんですけど、私もそう思います・・・」

マァム「でもそんな先生に色々教えられて私達もここまで来ることが出来た訳だし、今の案もラーハルト達の事を考えての物だから私達も賛成としか思わないのよね」

ポップ「まぁあいつらは・・・ラーハルトは気難しいけど、悪い奴らじゃねぇ。それにそういった目も気にしないでギルドの役に立ってくれると思うから、入ったらよろしく頼むぜ。俺達も時々様子を見に来るからよ」

ルーク「まぁ構わねぇが・・・先生、ねぇ・・・何か羨ましいぜ、そこまで師匠を信頼出来るってのもよ」

ケンシロウ「掴み所は無さそうに見えるが、あの男は誠実でありひとかどの人物であることは十分に分かる・・・そしてポップ達に全幅の信頼を向けられていることからもな」

ルーク「あぁ・・・あの人もひとかどの人物と言えばひとかどの人物じゃあるんだろうけど、師匠としてもう一度あの人を信じられるかって言われりゃとてもあんな風になんてな・・・」

ケンシロウ「師という存在が全て正しいことを教えてくれるとは限らない。重要なのは師の事を全て鵜呑みにするのではなく、何を自身で考え師から学ぶかだ」

ルーク「・・・何か実感こもってる感じするけど、実体験からか?それ」

ケンシロウ「元々師は口で何かを言うことは少ない人だったからな。だからこそ俺に他の兄弟達は北斗神拳を学ぶ以外に師からは直接何かを教わった経験はほとんどない」

ルーク「・・・北斗神拳を教える以外は無口なのか勝手に育てとでも思っていたのかは分からないけど、ケンシロウはその師の姿から色々学んだって事か・・・ま、その師匠から学んだ事は確かにあるしもう今となっちゃ学ぶことなんてないだろうけどな」

師としての在り方・・・そのアバンの姿を見て考え、ルークは自嘲染みた笑いを浮かべる。ヴァンに学ぶことはもうないと・・・










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