頂上同士の騒乱に図らず乱入せし焔

・・・だが実際の戦局は白ひげ海賊団の不利なまま進んでいった。処刑台に繋がる広場の前に唐突にそそり立った鉄の包囲壁が立ち塞がり、その中で敵側の大将赤犬の能力により空から降り注ぐマグマの雨あられをお見舞いされ白ひげ海賊団側の戦力はぞくぞくと減らされていった。



「くっそ、これじゃあ試そうとしてたことをやり切る前に終わっちまう・・・!!」
マグマの雨を避けつつも先に行こうとするルークだが、流石に足場が崩されていく現状では近付きようもなく白ひげの近くで立ち往生する。
「!?あれは・・・!!!」
だが海面から一本の水柱が立ち上がり、それが広場の中に落ちる。その水柱の中から現れたのは・・・
「ルフィ!!!」
船のマストの木を持っていたルフィだった。だがあろうことかその着地点の前には、三人の大将が勢揃いして顔を見せていた。
「くそっ、この位置からじゃ譜術で援護が出来ない・・・!!!」
その様子にルフィの身を案じ援護をしようとするが、あまりにも遠い場所に向けては譜術は打っても届かない。そのことに大将達との戦いを始めたルフィを見てルークは悔しそうにせめて近くまでには早く行こうと、足を動かそうとする。
「心配するな、小僧!!!」
「え・・・?」
だがその足を運ぶ様子を見た白ひげは一括してルークを呼び止める。
「オーズ!!そこにいろ!!お前の力が必要だ!!!」
「オヤッさん・・・」
「ジョズ、‘切り札’だ!!」
「おう!!!」
「全員準備を!!!広場へ突入するぞ!!!」
「ウオオオオ!!!」
そして続々と指示を出していく白ひげの声に一同は威勢よく返していく。
「今から何が始まるんだ・・・?」
その様子にルークはただ何が起こるのかと、立ち尽くす・・・



・・・すると少しして白ひげの近くにいたルークは、海の中から上がってきたコーティング船に度肝を抜かされたものの、こういうことかと船の上に立つ。
「ウオオオオオオオ~~~!!!!」
‘ドゴゴォン!!’
そして上がってきた船をオーズが引き上げ、広場に船を侵入させる。
「広場に入ったぞォ~~~!!!エースを救え~~~!!!海軍本部を攻め落とせェ~~~!!!」
・・・先程までの全滅の危機から一転、エースを救い出せるやもしれない位置に来た事で白ひげ側の士気は一気に上がる。
‘ドォン!!ドゴゴォン!!’
「!!?」
だが士気が上がった直後、オーズが海軍の砲撃の的にさらされる。
「・・・エースぐん・・・を必ズ・・・」
‘ドスー・・・ン!!’
「オーズ・・・!!!」
元々から致命的なダメージを負い最後の力を振り絞って立ち上がったオーズに、砲撃に耐えれる体力などなかった・・・その巨体を倒れさせるオーズに白ひげ一味は苦悶の声を上げるが、ルークは何とかオーズを救おうと鍵を掲げる。
「キュア!!!・・・・・・ダメか・・・なら、レイズデッド!!!・・・・・・くそっダメだ、もうオーズは・・・!!」
最初はキュアをかけ体力回復を図ったが効き目がないのを見て、レイズデッドを今度はかけ直すが一切動く気配がないオーズを見て戦闘不能ではなく完全に死んだのだと理解し、ルークは痛ましく顔を背ける・・・レイズデッドはあくまでも動けなくなっただけの生者に効果があるもので、死者には効果がないのだと頭で思いながら謝罪し。
「‘白ひげ’が広場に降りたァ~~~!!!」
その時海軍の畏怖がこもった声が耳に届き、ルークは下に降り立った白ひげを見る。そこには一斉に海軍に襲い掛かられる白ひげがいたが・・・
「ウェアアアアア!!!」
‘ドゴォン!!’
「すげぇ・・・!!」
白ひげが薙刀を一振りすると海軍は轟音とともに一斉に吹き飛ばされ、一気に兵の数が減った。その光景にただルークは感嘆の声を上げる。
「野郎共ォ!!!エースを救い出し!!!海軍を滅ぼせェエェェ!!!」
「「「「ウォォォォォォ!!!」」」」
そして腕を高々と上げてエース救出の激をかけると、白ひげ海賊団達の士気は更に高まる。
「・・・そうだ、俺も行かないと・・・!!」
・・・この場にいる白ひげ海賊団の目的はあくまでもエース奪還、ここでオーズの死を悼んでいる場合ではない。それに悼むべき命はオーズ一人ではない、それこそこの場で散った命の数だけある・・・
せめてエースだけでも無事に救わなければ、そう思ったルークはオーズの方を見てから船から飛び降りて広場へと立つ・・・






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