崩壊の後の再生して混同した世界

ルーク「まぁそんな気落ちするなよ。命が大事でかつ、外に出たいんならそれなりの用意が必要だって言いたかっただけだしよ」

モブ女「・・・あの・・・どうしてそんな危険な事を仕事にするって選んだんですか?確かに貴方達が戦えるのは見てたから分かりますけど、そんな無理をする必要なんてないんじゃないんですか・・・例え仕事だからって私にこんな風に言えるんだから、貴方達には全く情がない訳じゃ無いですよね?魔物もそうですけど、人に対する情も・・・」

シンク「・・・情がない訳じゃない、ね。昔の僕だったら否定してた言葉だったろうけど、まぁ今はそれは素直に認めるさ。でもね・・・そういった物があるなら魔物もそうだけど人も人を殺さないし憎まない、なんてのは夢物語さ。むしろ人同士の方がより厄介なんだよ。情なんてものがあるからね」

モブ女「え・・・情があるから・・・?」

ルーク「まぁ情もそうだけど、考え方の違いってヤツがあるからでもあるな・・・実際俺も初めはギルドで人と戦う時には躊躇った。魔物ならともかく人の命を奪うなんてってな」

モブ女「そんな・・・なんで人を殺すなんて事に・・・」

シンク「元々の世界や出身地域に、更には別の世界に行ったりして略奪や殺人を起こして指名手配になった人物を捕らえるだとか、始末するようになんて依頼は珍しくはないんだよ。平和な世界から言わせれば捕らえるだけに留めて改心を待つのが人道だなんて言って、ギルドのやり方に対してネガティブキャンペーンをする団体もいるけどね」

モブ女「あ・・・確かに私もそれを聞いたことがあります。ギルドのやり方は間違っているから頼らないようにって言ってる人達がいるのは・・・」

シンク「綺麗事を言うのは別に構わないさ。個人の主義主張は自由だからね・・・でもさ、相手はなりふり構わず自分達を殺そうとしてくるのに自分達は殺される危険性を犯してまで相手を生かすだけに留めてそれが当然だ・・・なんて口だけしか出さない奴らの言葉なんて、なんで聞かなきゃいけないんだい?命を賭けてるのは他ならない僕達自身なのに」

ルーク「まぁ・・・俺の方はそんな割り切る事は出来なかった。相手はおんなじように意志を持ってるって分かってるからな・・・でもだからってそれで相手が止めてくれなんて言って止めた事なんかほぼ無かったし、何だったら笑いながら殺しに来る奴だっていた」

モブ女「っ!?・・・笑いながらだなんて、そんな・・・」

シンク「残念ながら事実さ。でも言葉しか出さない奴らはこれくらいの事が出来る奴が普通にいることなんて想像しない。道徳や倫理観が違う相手なんかいくらでもいるんだよ」

ルーク「そう・・・俺もその事はギルドに入って嫌な程思い知った上で、人を殺してきた。だからこそ言えるのは分かりあうことが出来る相手もいるけど、それが出来ない奴らってのも確かにいるんだよ。信じたくはないだろうけどな」

モブ女「・・・なんでそこまでして戦うんですか・・・貴方達だけでなく、その人達も・・・」

シンク「相手の事情なんて知らないけど、少なくとも僕達は自分達が生きるためにどうするべきかって考えた結果さ。元々の世界で居場所を無くした身だけどだからって野盗に身を落とすような事はしたくない・・・だからギルドにってね」

ルーク「それで今まで辛くないことが無かった訳じゃない・・・けど自分で選んだことだし、仕事と割り切るのと同時に誰かの為になってるとも思えば大丈夫だよ。ま・・・こんな話を聞かされても反応に困るだろうけどな」

モブ女「いえ・・・聞けて良かったです。ギルドの人達、少なくとも二人の事が信用出来るとそう思えるようになりました。今度から外に出る時はちゃんと依頼を出したいと思います」

シンク「まぁそうしてくれるのはありがたいけど、今話した僕達の事について話さないでね。言い触らされてもあんまり気分は良くないし、あくまでこういった場だから話しただけだからね」

モブ女「はい、分かりました」

女性は快くシンクの言葉に頷いた。二人に対する疑心などもう存在しないといった様子で。








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