頂上同士の騒乱に図らず乱入せし焔

「煙ぃっ!?どうやって攻撃すりゃいいんだよ、あんなの!?・・・あっ、くそっ!!」
スモーカーの姿を見てルークは攻撃出来るのかどうかを疑うが、前から海軍の攻撃がまた加わってきたことでスモーカーに向かう事が出来ず海兵と切り合う。
(さっきから色々な能力を見ては来たけど、あの砂に変化する奴とか煙に変化する奴とじゃ普通に戦ってもまず致命的なダメージは与えられない・・・!ここから先に行ったら似たように攻撃を当てられない奴が出て来るかもしれない・・・あんな奴らに攻撃するにはどうする・・・どうする、俺!?)
海兵と戦いつつも、ルークはその頭の中でこれから先の事をシミュレートしていく。
(・・・多分まともに攻撃を当てられるのは俺の技の中じゃ、せいぜい超振動くらい・・・けどこんな状況でゆっくり意識を集中させてくれるはずもないし、そもそもゆっくりしてたらエースの救出が出来なくなる・・・!)
そして有効な攻撃手段はあらゆる物質を消滅させる超振動以外にないとルークは考えるが、大技をぶちかますだけの余裕も時間もないと考える。
(・・・くっそ!!こんなことやったことねぇけど、やってみるしかねぇ!!一か八かだ!!)
四苦八苦しながらも考えを深める内に良策と呼ぶには賭けの要素が強い案が思い浮かび、ルークは早くルフィを助ける為に周りの海兵を倒そうとローレライの鍵を振るう。









・・・そしてあらかた周りにいた海兵達を倒しいざルフィの援護に向かわんとしていたルークだったが、スモーカーを攻撃したハンコックがルフィを援護して先に行かせた為、ルークはその戦いを見てから改めてルフィの後を追った。
・・・先をひた走るルフィを目視したルーク。だがその先にいたのは・・・
「‘鷹の目’!!!」
ルフィがその通称を叫び、鷹の目は何かを呟きながら黒刀を眼前で構える。そんな鷹の目の姿を見て、ルークは背筋に嫌な汗を感じていた。
(やばい・・・あいつ、つえぇ!)
眼光の鋭さに加えての隙のない立ち居振る舞い・・・剣士として様々な場で戦ってきたルークはそれだけで鷹の目の強さという物が今まで会った剣士達の中でも相当に強い部類にいると感じ、急いで前に出る。
(あいつは、俺が抑える!)
今はあんな強い部類に入る人間とルフィを戦わせてはいけない。ならば俺があいつと戦う以外にない・・・ルフィを前進させるためにそう考えた。



「にゃろ・・・!!‘ゴムゴムの’!!!バズ!!?・・・ハァ・・・危ねぇ・・・!!!今・・・手ェ出したら・・・切られてた!!」
鷹の目を攻撃しようとしていた刹那、その攻撃の手を寸前で冷や汗混じりに止めるルフィ。
「意外に冷静じゃないか・・・」
そんなルフィに鷹の目は黒刀を横なぎに振り払う。
‘ブンッ、ギィンッ!’
「・・・何?」
その斬撃をルフィは体をのけ反らせ避けたが、その斬撃を止めんと間に入ったルークはローレライの鍵を振り抜き鷹の目の一撃を受け止める。その様子に鷹の目は変化に乏しいその表情の眉を上げた。
(~~~っ!!つえぇ~~~っ!!ただの斬撃でこれかよ!?これがローレライの力で強化された鍵じゃなかったら、下手すっと鍵ごと俺まで切られてたぞこれ!!?)
一方ルークは表情は緊迫した物で表向きはいたが、内心であまりの一撃の重さに強化版ローレライの鍵の強さに感謝していた。
・・・もし飛んだ先の世界で強敵と戦う事になったならせめて少しでも楽に戦えるよう、ルークが倒していった敵の数だけ鍵の攻撃力が上がるように鍵を作り替えておいた。そして譜術もこの鍵を介してなら使えるようにしておいた、だからこれも持っていくがいい。何かの役に立つだろう。
・・・そうローレライから聞いて鍵を持たされ他の世界に送り出された後敵を倒して攻撃力上がるってどんな呪いだよ、と内心思ったルークだったが確かにそうしてくれたことはありがたかったとルークは世界を旅する内に思っていた。現に今の鷹の目のような強敵との戦いにおいて、ローレライの鍵がなければ危うい場面も何度か経験していただけに。
「ルフィ!!!先に行け!!」
「すまねぇ、またありがとう!!」
だが今は思い出にふけるような場面ではない。そうルークは思いながら鷹の目と鍔ぜり合いをしながらルフィに叫び、ルフィは二人の横を通り先に行く。






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